猫の生活にケージが必要な5つの理由

猫のケージは簡単に片づけられないので、購入に躊躇してしまうかもしれませんが、猫を飼うときに設備のひとつとして必要になります。その理由は次の5つです。
1.子猫の安全確保のため
子猫は好奇心旺盛なので、家の中のあらゆるものに興味を示します。電気コードを噛んだり、高いところから落下したり、誤飲事故を起こしたりするリスクがとても高い時期です。
飼い主さんが外出する間や目を離す時間帯には、ケージの中で過ごさせることで、危険から子猫を守ることができます。
もちろん、ケージ自体にも危険がないかは確認が必要です。柵の間隔が広すぎると子猫が頭を挟んだり、狭すぎると手足が挟まってパニックになり怪我をする可能性があるため、適切なサイズを選びましょう。
2.家事の合間の避難場所として
掃除やお料理など家事をしているときに、猫が足元にまとわりついてきたり、キッチンに乗ってきたりすることがあります。料理中、揚げ物をするときなどは特に危険ですね。
このようなときにケージがあれば、猫を安全に待たせられるので集中して作業もサッと終わらせることができます。
また、猫がまだ一緒に寝られないくらい小さいときには、飼い主さんの就寝時にケージに入れておくことで見ていないところでのいたずら、布団の中で誤って押しつぶしてしまうこともなく安心です。
また怖がりな猫は、来客などで隠れたい時に安心できる逃げ場が必要です。普段からケージを使い、ケージを部分的に目隠しとして覆ったり、中に隠れられる場所を用意することで、怖がりな猫のための避難場所となります。
3.術後や体調不良時の療養管理
メス猫の避妊は、おなかを切るため術後の数日間は、できるだけ安静にしておくことが大切です。しかし、若い猫ほど走り回って遊びたいもの。
このような手術後や、あるいは体調不良のとき、ケージを使うことで、激しい運動を制限することが可能になります。
猫が一か所にいてくれることで投薬や経過観察もしやすくなるため、スムーズな回復をサポートできます。獣医師の指示に従って見守りましょう。
4.多頭飼いでの個別管理
複数の猫を飼っている場合は、相性の悪い猫同士の接触を避けたり、食事を個別に管理したりする必要があります。しかし、部屋を分けて飼おうとしても、出入りの際にどうしても互いの部屋を行き来したがるものです。
そんなときにケージがあれば、それぞれの猫に専用のスペースを提供できるので、猫も飼い主もストレスなく分離することができます。
特に新しい猫を迎え入れる際には、先住猫と新入りの双方のためにも必要です。1〜2週間程度、もしくはそれ以上の期間、ケージを使って徐々に慣らしていく方法が推奨されます。
5.トイレトレーニングの習慣づけ
基本的に猫は砂地があれば本能的にそこで排泄します。中にはなかなかトイレを覚えられない猫もいます。特に子猫でトイレ以外に排泄してしまう場合は、トイレの場所を覚えるまでに時間がかかることがあります。
そんなときはケージ内にトイレを置き、排泄しそうなタイミング(食後や寝起き)にケージ内で過ごさせます。定期的にケージ内で排泄することで、トイレの場所を認識させやすくなるのです。ずっと閉じ込めておく必要はありません。
猫用ケージは購入するべき?

猫を飼っていて猫用ケージを持っていても、ほとんど使っていないという人もいます。
猫用ケージを使うデメリットは?
猫用ケージを使うことのデメリットはゼロではありません。
- 長時間入れると運動不足になる
- ストレスの原因になる可能性
- スペースの問題
ケージはあくまで一時的な利用が望ましく、長時間ケージに入れたまま、いわゆるケージ飼いにしてしまうと、運動不足から肥満や筋力低下につながる可能性があります。成猫の場合、1日のうちケージに入れる時間は必要最小限にとどめましょう。
成猫の場合は、そもそもケージに慣れるのが大変かもしれません。最初は鳴いたり、暴れたりすることも考えられます。
また、猫用ケージは、それなりにスペースを占有するので、住環境によっては、部屋が埋まってしまった感じがするかもしれません。
実はメリットの方が大きい
猫用ケージを使うことは、猫の習性に対して実用的なメリットがあることがわかります。
- 愛猫の安全性を守る
- ひとりの空間を確保
- 生活リズムや健康の管理
- 飼い主の安心感
ケージは飼い主の不在時でも、誤飲や事故のリスクを大きく減らせます。特に好奇心旺盛な若い猫に「安全」を提供できる点は重要です。
また、自分だけの空間を必要とする猫本来の習性としても、ケージはその役目を機能します。中に快適なベッドなどを入れると、快適な空間になるでしょう。
飼い主目線で見ても、猫の食事や睡眠にケージを活用することで、管理しやすくなるのでとても便利です。特に多頭飼いでは、ほかの子の専用フードを食べてしまうということもなくなるでしょう。
猫用ケージの選び方のポイント

インターネットで猫用ケージを検索すると、たくさん出てきてしまい、一体どのようなケージを選んだら良いのか迷う人もいるでしょう。ケージを選ぶポイントは
- サイズは3段がおすすめ
- 安全性の確認
- 素材と耐久性を確認
- 掃除のしやすさ
- 拡張性と機能性
猫が中で立ち上がれる高さと広さが必要です。子猫のうちは2段でも、できれば3段以上のケージがおすすめ。底面積は、トイレと猫が横になれる休憩スペースが確保できるくらいの広さが必要です。
猫は上下運動を好むため、体格に合った高さのケージを選ぶとよいでしょう。もちろん、安全性も必要です。ただし、あまり長身のケージは、猫が動くと不安定になるため壁に固定する必要が出てきます。持ち家であれば地震対策として、最初から固定しておくのも良いでしょう。
金属製のケージは丈夫で長持ちですが、猫がジャンプするとガシャンガシャンと音がうるさいことも。軽量な樹脂プラスチック製は静かですが、耐久性は劣ります。
底にトレイが引き出せるタイプや、扉が大きく開くタイプもあるので掃除がしやすいものを選ぶのもポイントです。
まとめ

ケージは、猫を制限するためではなく、きちんと管理をして猫が快適に生活できるために使う道具です。
はじめてケージに入れるときには、猫のニオイが付いたベッドやお気に入りのおもちゃがあれば一緒に入れてあげましょう。飼い主さんもジッと見ていたいかもしれませんが、最初はバスタオルやシーツなどでケージ全体を覆い、目隠ししておくと猫は安心します。
愛猫が長期にわたって使うケージです。お気に入りの空間にしてもらうためにも、適切なサイズを選びましょう。もちろん安全性と飼い主さんの掃除のしやすさも大切にしてください。
ケージは正しく使えば、飼い主にとっても猫にとっても、便利な設備になってくれますよ。