猫が飼い主さんに"ついて回る"心理4選

ふと後ろを振り向くと愛猫がついて来ている。そんな光景は微笑ましく、ますます愛おしくなるものです。
ところでなぜ、ついて来るのでしょうか。とことん追いかけてくるのには、何か理由があるのでしょうか。
ここでは飼い主さんの後を『ついて回る猫』の心理を4つ紹介いたします。あわせて注意が必要なケースやその原因、対処法についても紹介していきます。
1.『ママについて行かなくちゃ』

子猫が必死に母猫の後をついて歩く姿を見たことがあるでしょう。実は、愛猫が飼い主さんの後をついて回る基本的な心理はこれに近いものがあります。
特に子猫や成猫になったばかりの若い猫の場合、母猫のように慕っている家族に対してトコトコと追いかける傾向にあります。ここでの心境は『ママについて行かなくちゃ!』です。
日頃の生活の中で、ひとり遊びやお留守番が問題なくできる猫であれば、特別な改善は必要ありません。まさしく母猫のように温かい気持ちで見守ってあげてください。
2.『ママどこいるの?ひとりにしないで!』

ついて行く先々で、必ず一緒にいられるとは限りません。飼い主さんの外出はもちろんのこと、トイレやお風呂に行くときも愛猫はお留守番をしなければなりません。
そんな時、激しく鳴き叫ぶ猫の心境は『ママどこにいるの?ひとりにしないでよ。怖いよ〜』というもの。不安が強く、飼い主さんの姿が見えないことに対してパニックに陥っています。
これは『分離不安症』といって、早めの対処が必要です。放置すると鳴き方がエスカレートするばかりではなく、望まないイタズラをしたり、家を空ける度に体調を崩すようになりかねません。
幼い頃のトラウマ体験や、愛猫の気質(寂しがり屋な性格)、元々の猫種による特性などが原因として挙げられることがあります。これを理解したうえで、次のような策を講じてみてください。
- 毎日一定の時間に構うようにする
- 意図的に離れて過ごす時間を作る
- 姿を消しては再び現れるを繰り返す
- ひとり遊びを習得させる
- 愛猫が眠っている隙にそっと出かける
- 帰宅後すぐには構わない
思う存分甘えて良い時間帯と、そうではない時間帯にメリハリを持つことがポイントです。また、在宅ワークなどで共に過ごす時間が多くなるご家庭では、意図的に離れる時間帯を作ると良いでしょう。
最終的には『物理的に離れているだけだから大丈夫』と思ってもらえることが目標です。蹴りぐるみや知育玩具などで遊ぶ"ひとり時間"の楽しさも身につけてもらい、少しずつお留守番に慣らしていってください。
3.『美味しいもの食べられるかも』

食いしん坊な猫は、ついて回る過程で『美味しいものが食べられるかも』と期待しています。特に行き先がキッチンの場合はワクワクしながら追いかけています。
動機については分離不安症のように気にする必要はありません。ただ、人間の食べ物のつまみ食いや猫用おやつの与えすぎには注意が必要です。
まずつまみ食い、拾い食いをする猫はキッチンに立ち入れないようにバリケードを置くことをおすすめします。特に香辛料やたまねぎ、ねぎなどの食材を含むものは危険です。手を出させないようにしてください。
また、仮に猫用のおやつであっても与えすぎれば肥満を招きます。『可愛いから』『ついて来るから』『嫌われたくないから』という理由から、甘やかしていると、後々後悔するでしょう。
肥満は万病の元。特にシニアになってから糖尿病・高血圧・心臓病・関節炎などを患い、愛猫を苦しめることになります。
キッチンについて来ても何も与えないように習慣化してみてください。
4.『人間さんは何をしているだろう』

猫は人間に対して犬のような序列を作ることはなく、同族の動物(やたらと図体のでかい猫)と認識しています。
これをベースに母猫・きょうだい・親しくしても大丈夫な他猫などと、その日の気分や相手の行動によって関わり方を変えています。
これは単なる推測ですが、「人間はね〜」と説明することが多い飼い主さんの元で育った猫は『"人間"という種類の大きな猫』だと思っているかもしれませんね。
何はともあれ、仮に母猫感が強くない相手でも気になればついて回ります。その心境は『どこ行くの?何するの?私も一緒にやりたい!』などです。
猫は好奇心旺盛な動物なので、やることなすこと全てが気になって仕方ありません。特に子猫の場合はこの傾向が強いので、お子様のいるご家庭や裁縫をする飼い主さんは注意が必要です。
ついてきた先でおとなしく見物しているだけならいいのですが、飽きてくるとイタズラをする可能性が高いでしょう。
お子様と猫が一緒に遊ぶ際は、大きなぬいぐるみや口の中に収まらない積み木などをチョイスしてあげてください。パーツが細かいおもちゃは猫が眠っている間に遊ばせるようにさり気なく誘導してみてください。
飼い主さんの趣味に関しては、完全に子猫が眠っているタイミングの中で行いましょう。子猫は一度眠りにつくとしばらく目覚めません。いっそのこと寝落ちするまで遊びに付き合い、その後作業に集中する習慣を作るのもありですね。
猫の知的好奇心は尊重しつつも、危険なことに巻き込まれないように工夫してみてください。
まとめ

母猫のように慕っていてついて歩くこと、好奇心からついて来てしまうものに関しては、それほど心配のないケースです。ただし、誤飲や怪我には気をつけましょう。
逆に背景に分離不安症があるケースや、過去に置き去りにされたケース、元々の気質や猫種柄甘えっ子なケースなどは積極的な対応が必要です。
猫はクールな印象が強いため、そもそも"追いかけてくる"こと自体に驚く飼い主さんもいらっしゃるでしょう。そのギャップも相まって愛おしくなり、ますます猫の虜になるかもしれませんね。
特に問題のない動機であれば、愛猫のストーカーを堪能してみてください。適切な対応が必要なケースでは早めに対処をしたうえで、メリハリをつけながらストーカー猫と過ごす猫ライフを楽しんでください。