猫に『卵』を与えるときに注意すべきこと4つ もたらすメリットや正しい方法もご紹介

猫に『卵』を与えるときに注意すべきこと4つ もたらすメリットや正しい方法もご紹介

『卵』は猫が食べても大丈夫な食品です。期待できる効能は?摂取量の目安は?気をつけることは?今回は『注意点』をメインに、正しい与え方やメリットなど、徹底解説いたします!!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫に『卵』を与えるメリット

猫と卵

猫は肉食動物なので、元々小鳥やヘビなどを捕食していました。その過程でお腹の中の卵も一緒に食べていたこともあり、卵は猫に与えても問題のない食材に分類されています。

基本的に卵を猫に与える必要はないということを前提に考えていただき、そのうえで卵には次のようなメリットがあります。

エネルギー源になる

良質なたんぱく質が豊富に含まれている卵。肉食動物である猫にとっては、素早くエネルギーに置き換わる優れものです。

また、内臓や皮膚を健康に保つうえでもたんぱく質は欠かせません。そういう意味では卵はトッピングに使用してもいいのかもしれません。

被毛を美しく保つ

卵には体内では生成することのできない『リノール酸』という成分が含まれています。

『必須脂肪酸』の1つであるリノール酸には、皮膚や被毛を健康に保つ効果があります。つまり、猫の外見において最も重要な被毛を美しくキープしてくれるのです。

猫のご長寿さんが増える今、正しく摂取することで"美魔女"を目指せるかもしれません。

目の健康維持

卵といえば『たんぱく質』のイメージが強いかもしれませんが、ビタミンの宝庫としても健康維持に貢献している食品なのです。

実は、卵にはビタミンC以外のビタミンが網羅されています。中でも『ビタミンA』は、目の健康を維持する役割があります。

目の健康は夜間に活動する猫にとっては必要なものでもあります。

『卵』を与える際の注意点4つ

卵パックと猫

メリットを見る限りでは、卵は愛猫の健康寿命を伸ばし、ご長寿さんを目指すにうってつけな食品の可能性がありそうです。

しかしながら、家庭で暮らす猫には『総合栄養食』という強い味方がいます。よって位置づけとしては、基本的には与えなくてもいい食べ物です。

もし何か理由があり、トッピングなどで利用したいなど実際に与える際は正しく与える必要があります。ここからは4つの注意点を紹介いたします。

1.『生卵』及び『未洗浄の殻』は与えない

生卵

『生卵』や産みたてで『洗浄されていない殻』にはサルモネラ菌が付着している恐れがあります。

そのまま食べてしまうと食中毒を引き起こすリスクがあるので、必ず加熱したものを与えましょう。サルモネラ菌は75℃で1分間加熱すると滅びます。

さらに『生卵』が危険な理由がもう1つ。それは白身に含まれる『アビジン』という成分の存在です。

生の白身を常習的にかつ、大量に摂取すると『ビオチン欠乏症』を引き起こす恐れがあります。その結果、本来の効能とは逆に皮膚炎や脱毛症が出現するリスク、神経異常をもたらす可能性があります。

ちなみに生卵を少量舐めた程度ではビオチン欠乏症にはなりません。スーパーで購入した清潔な卵であれば、慌てなくても大丈夫です。

2.味付けをしない

調味料

猫に与える卵を加熱する際は、食塩はもちろんのこと、調味料の類を入れないようにしてください。

塩分過多や糖分過多により、高血圧や糖尿病に発展する恐れがあります。猫の卵は余分な味付けは不要です。

3.誤飲に気をつける

ゆで卵

猫に与える際は、ゆで卵にして普段のキャットフードのトッピングにするのが手軽で無難です。

繰り返しになりますが、茹でる際は食塩を入れないようにします。加えて半熟状態も避けましょう。完全に火が通りつつも、黄身が柔らかいのが理想です。

これを小さじ1杯〜2杯程度の量に留め、1週間に1回〜2回の頻度にしておきます。

トッピングの際は誤飲を防ぐため、細かく砕いたものを乗せるように心がけてください。

4.アレルギーに気をつける

アレルギー品目

猫にも食物アレルギーがあります。卵もアレルゲン(アレルギーの原因)となり得る可能性があるので注意してください。

初めて与える際は、先程の分量よりも少ない量から与えてみて様子を見てください。下痢や嘔吐、体を痒がる仕草などが現れたら食事を中断し、獣医さんに相談するようにしてください。

まとめ

食事する猫

卵は良質なたんぱく質によるエネルギー源、豊富なビタミンによる目の健康維持、リノール酸による被毛の質の向上などの効果が期待できる食品です。

とはいえ、猫の主食はあくまでも『総合栄養食』であることを忘れてはなりません。卵の位置づけは補助食品です。効果にあやかりたいと思ったら、トッピングとして上手に活用してみてください。

実際に与える場合は、加熱する・調味料による味付けはしない・細かく砕いて食べさせるなどの注意点を意識するように心掛けてくださいね。もちろん無理強いもしないように気をつけましょう。

万が一アレルギー症状が出た場合には、具体的な摂取量と症状を動物病院に伝え、指示を仰ぎましょう。来院の指示があれば速やかに移動してください。

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