愛猫の毛並みが悪くなる原因5つ

毛並みを見ただけで愛猫の状態がわかるようになれば、飼い主としても上級者といえるでしょう。ただし、心身の変化が毛並みに現れるまでには時間がかかるため、すぐに原因を判断するのは難しいものです。
猫の毛並みが悪くなるときには、次のような原因が考えられます。
1.栄養不足
毛ヅヤは猫が摂取する栄養とも関係しています。
タンパク質やオメガ3脂肪酸、ビタミンA・E、亜鉛は、猫が体内で合成できないため、食事から摂取する必要があるものです。これらが不足すると、毛がパサついてツヤがなくなります。
栄養基準が満たないフード(一般食や副食と記載されたもの)ばかり与えていると栄養バランスが崩れてしまいます。また、成長期の子猫に、タンパク質やカロリーを抑えた成猫用フードを与えていると被毛の質が悪くなることがあります。
2.ストレスによる影響
猫は自分の生活環境の変化にとても敏感です。新入り猫やお子さんの誕生など家族の変化や引っ越しでも、猫にはストレスとなり、一時的に毛並みに影響することがあります。
また、日常的な小さな事柄も、長く続くとストレスになります。たとえば、トイレが汚れている、食事の時間が不規則、騒音が多いなどです。
ストレスだけでもパサつきが出ることもありますが、猫はストレスによって過度にグルーミングをしたり、逆に毛づくろいをしなくなったりするため、被毛の乱れが出やすくなります。
3.加齢による変化
加齢によって、だんだんとツヤがなくなったり、毛の質感自体が変わったりすることがあります。
老猫になると毛質が変化して、若い頃のようなツヤや弾力を失いがちです。グルーミング頻度の低下もあって、いわゆるこすれるような場所である脇や内ももに毛玉ができやすくなったり、被毛全体がくすんで見えるようになります。
これらは自然な生理現象なので、基本的には心配する必要はありませんが、グルーミングが間に合っていない証拠なので、適切なブラッシングでサポートしてあげましょう。
4.日頃のお手入れ不足
換毛期はもちろんのこと、日頃も猫の被毛は少しずつ抜けているため、ブラッシング不足によって毛の絡まりができてしまうこともあります。
基本的には猫は自分で毛づくろいができますが、長毛種や高齢猫、太り気味の猫は自分では届かない部分が出てきます。特にお腹やお尻まわり、内ももには毛玉ができやすく、皮膚が引っ張られて痛い思いをすることがあります。
毛玉の下は湿気によって皮膚炎の原因にもなるので、猫が毛づくろいできない部分はお手伝いも必要です。
5.皮膚や体の病気
皮膚病を含め、病気があるときには、毛が抜けやすくなったり、ツヤを失ってボサボサになったりすることがあります。アレルギー性皮膚炎や細菌性皮膚炎、あるいはノミ・ダニなどの寄生虫がついていると、強いかゆみから過度に舐めたり掻いたりすることで毛並みが荒れてしまうのです。
また、高齢猫がなりやすいといわれる甲状腺機能亢進症などのホルモン異常では、被毛が成長するサイクルが乱れることから、毛質の悪化や脱毛が見られることがあります。
おうちでできる改善策とお手入れのコツ

愛猫の毛並みが極端に悪いときには、まずは脱毛や皮膚の赤みなどの症状がないかを確かめて、病気の可能性も踏まえて早めに動物病院で相談することをおすすめします。
特に異常も見られずに、食欲や排便なども問題ないのであれば、まず外側からのケアとして、丁寧にブラッシングしましょう。特に春と秋の換毛期は、一斉に毛が抜けるため、普段より頻度を増やして毛玉や毛の飲み込みを防ぎましょう。
同時に、栄養バランスの良いフードやサプリメントで体の内側からケアすることが重要です。安価なフードは、タンパク質を植物性のものに依存していることがあります。グレインフリーでなくてもいいので、主原料として肉類・魚類を使用した良質なフードを試してみてください。
環境内の猫のストレスは、毛並みだけでなく、メンタルにも関係してきます。猫が安心できる環境づくりも大切です。
まとめ

猫の毛並みの良し悪しは、見た目だけでなく、体調や精神状態も反映している健康のバロメーターです。
以前と比べて毛ヅヤがなくなったり、抜け毛が増えたりした場合でも、適切なブラッシングや栄養バランスの取れた食事により改善できることが多くあります。
ただ、いくらケアをしていても改善が見られない場合は、病気の可能性も考えられるため、早めに動物病院で獣医師に相談するようにしてください。年に一度の定期健診をしていても、「念のため」の検査が病気の早期発見につながることがあります。
日頃から愛猫の毛並みの状態をチェックして、ピカピカの猫ちゃんでいさせてあげましょう。