1.消化音

猫のお腹のグルグル音の原因として、まず挙げられるのがお腹の消化音。大半は腸の蠕動運動によって生じる消化音であることが多いです。
食事のあと、胃から腸に食べ物や水分が送られ、腸が規則的に収縮することでガスや液体が移動し、音が発生します。これは健康でお腹が正常に働いているサイン。その他に気になる点がなければ心配はいりません。
ただし、音が極端に大きい、または頻繁に鳴る場合は、食べ過ぎやご飯の消化不良などの可能性もあります。その場合、キャットフードの種類や食べ方を見直すことで改善することもあるため、普段の食生活を見直してみましょう。
2.空腹

続いて挙げられる理由は、空腹だから。猫も人間同様、空腹時にも腸は動きを続けており、その際にグルグルと音が響くことがあります。猫が食事の時間を待ちきれず、食欲旺盛なサインとして鳴っているケースも少なくありません。
特に活動的な子猫は、代謝が活発なため空腹音が目立つことも。一方で、食欲が落ちているのにお腹の音だけが続く場合には注意が必要です。食べたい気持ちはあるのに食べられない病気…例えば口腔内トラブルや消化器疾患の可能性があります。
正常な空腹とお腹の病気を見分けるには食欲や普段の様子、そして排便状況を合わせて観察することが大切です。
3.腸内環境の不調

次に考えられるのは、腸内環境の乱れ。腸内のバランスが乱れると、ガスが過剰に発生しお腹の音が強く聞こえることがあります。主な原因は、急なフード変更、消化に合わない食材の摂取、ストレス、抗生物質の服用など様々。
猫は人間と比べて繊細な動物。ちょっとした生活環境の変化でも腸の働きに影響が出ることがあります。腸内環境が乱れると、便の状態も安定しづらく、軟便や下痢、便臭の悪化といった症状を伴うことも。こうした症状が続く場合は、動物病院・獣医師に相談しながら食生活を見直すとよいでしょう。
4.便秘や下痢

お腹の音が長く続き、便秘や下痢といった排便トラブルも伴っている場合は、消化器系の異常の疑いがあります。
まず便秘の場合、便が腸内に長時間とどまることでガスが発生しやすくなり、お腹の中でゴロゴロと音が鳴ることがあります。放置すると食欲不振や嘔吐に繋がることもあるため、注意が必要です。
次に下痢が頻発している場合、腸に水分が多く含まれているため、腸が活発に動くと大きな音が響きやすくなります。病気やアレルギーなどが原因であることも少なくありません。
便秘や下痢が1〜2日で治まる場合は、一過性のものですが、数日以上続いたり、血便・嘔吐・ぐったりしているといった重い症状を伴う場合は注意が必要。早急に動物病院を受診する必要があります。
まとめ

猫のお腹の「グルグル音」は、健康な生理現象である場合が多い一方、病気が原因になっていることもあります。大切なのは音だけに注目せず、食欲や排便などの状態を総合的にチェックすること。
飼い主さんが日頃から猫の変化に敏感になり、少しでも普段と違う様子が見られるときは早めに動物病院へ相談することで、大きな病気を防ぐことにつながります。今回の記事を参考に、愛猫の健康を守るためお腹の音に注意してみてはいかがでしょうか。