猫の『あくび』に隠された理由6つ ただの眠気ではない?愛猫の心理や体調サインも解説

猫の『あくび』に隠された理由6つ ただの眠気ではない?愛猫の心理や体調サインも解説

猫も人間のようにあくびをします。個体差はありますが、珍しい仕草ではありません。ところで猫があくびをするのはどんな時?ここでは、隠された意外な理由をピックアップしていきます!!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

ただ眠いだけじゃない!猫が『あくび』をする6つの理由

あくびをする猫

我々人間は耐え難い睡魔が襲って来たときや寝起き、退屈な映像を半強制的に見せられているときなどにあくびをします。

では、猫はどのような場面や状況の中であくびをするのでしょうか。その理由を6つ紹介いたします。

1.リラックスしている

ソファーであくびをする猫

お気に入りの場所でくつろいでいる猫があくびをするのは、リラックスの証。『幸せにゃ〜』とつぶやいています。

これは特別眠たいというわけではなく、まったりしていると思ってください。

2.気合を入れたい

遊びモードの猫

皆様の愛猫は、おもちゃで遊ぶ直前にあくびをすることはありませんか?もししているのであれば、『よし!やるぞー!!』と気合を入れているのかもしれません。

あくびには酸素と血流を一気に脳に送り込むという作用があります。これによってシャキッと覚醒し、冷静な判断が下せるようになるのです。

同じネコ科であるライオンは、狩りの前にあくびをする習性があるといわれています。猫も狩りの模倣である遊びに集中するためのやる気スイッチとして、意図的にあくびをしている可能性がうかがえます。

3.失敗を取り繕っている

動揺する猫

遊びの中で上手く獲物を捕らえきれなかったときや、猛ダッシュの末に壁に激突してしまったとき、寝ぼけてソファーから落下してしまったときなどもまたあくびをする姿がよく見られます。

これは失敗や痛みを取り繕う『転位行動』の一種です。人で例えるならミスをした際に、思わず「テヘッ」と誤魔化すような感覚でしょう。

4.反省している

反省する猫

これも転位行動の1つである気持ちの切り替えにあたる行為ですが、猫は反省の証としてあくびをすることがあります。

これは『私が悪かったわ。だからもうそんなに怒らないで。ちょっと怖いよ』という気持ちに近く詫びながらも飼い主さんの雰囲気に圧倒されている状態です。

よってお説教中にあくびをしたら、叱るのはそこまでにしておきましょう。ここで続行すると単なるストレスとして心に刻まれてしまいます。

5.ストレスを抱えている

警戒中の猫

叱られたときに限らず、あらゆるストレス下においてあくびをします。不満が募っている場合も同様です。

猫は嫌なことに直面した際、『とにかく落ち着こう!何か良い策があるはず』と思考を巡らせます。このように、クールダウンする目的でもあくびが出る場合があると考えられています。

というのも猫は、単独で生活する動物なので、感情的に無謀な行動には出ないように心がけています。ひとまず心を落ち着かせ、冷静になるように暗示をかけるのです。

ご家庭の愛猫がイライラした面持ちであくびをしたり、同じ部位をしきりに舐めているようであれば要注意です。

ストレスとなった要因を探ってみてください。排除できそうなものは排除し、難しい場合でも少しずつ改善するように心がけてみてください。

6.体調不良の可能性

口のチェック

あくびの中でも何度も口を開け閉めしている、口をクチャクチャしているなどの行動が見られた場合は不調のサインかもしれません。

特にお口のトラブル(口内炎や舌炎、歯周病による歯茎の痛み)などが疑われます。

最近愛猫の食べ方に変化はありませんか?食欲はあるのに食べようとしない、上手く噛めなかったり飲み込めなかったりする影響でこぼしている、ごはんに手をつけず食器の前に座り込んでいるなどの仕草が目立つようであれば、一度診察を受けてみてください。

あくびと同時に強い口臭を感じる場合も同様です。何かしらのトラブルに見舞われている可能性があります。

まとめ

あくびをするさくら猫

猫のあくびは、単なる眠気だけではありません。一緒に見られる行動や他の症状も気にかけて、愛猫のあくびの意味合いに注目してみてください。

背景にストレスや不調が疑われる場合は、さらに注意深く観察してください。叱りすぎも大きなストレスになり得るので気をつけましょう。

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