猫がブチギレ寸前で見せる4つのサイン

猫は個性が強く、望まないことをはっきり嫌う場合も少なくありません。そのような猫は、明確な拒否を示す際に、立ち去るよりもキレるという選択肢を選ぶことがあります。
次のようなサインが見えたら、猫のブチギレに要注意です。
1.声の変化(うなり声・低い鳴き声)
猫は声でも気持ちを伝えます。ふだん甘えるときは「ニャー」ですが、怒りの気持ちが高まっていると「ウゥ〜」と低いうなり声を出します。「これ以上、近づけば攻撃するぞ」という警告です。
猫同士のけんかの前によく聞かれる音ですが、人に向けて出すこともあり、この声を無視すると、途端に攻撃に入ります。
ちなみに、「シャーッ」も警告のひとつですが、これはどちらかと言えば「意に反している」や「あっちへ行って」という牽制の表現です。唸り声同様に、シャーされたら少し身を控えるようにしましょう。
2.しっぽの動きの変化
しっぽも猫の気分をはっきり示します。落ち着いているときはゆったりと動きますが、イライラが強いときには床にバンバン叩きつけます。
まるでイライラしている人が、ペンを机にコンコンとぶつけるようなイメージで「ったく、もう!」と言いたげな態度がわかるでしょう。こんな時に気安く近づけば、八つ当たりが飛んできて思わぬケガにつながる危険があります。
しっぽでイライラを感じたら、猫から離れて静かにしておくことがトラブルを避ける一番の対策です。
3.耳の動きの変化
猫の気持ちは耳の動きに表れます。リラックスしているときは前を向いていますが、イライラしてくると後ろ側に倒れたり、ピクピク動いたりします。
これは「やめて」「イヤだ!」という気持ちの表れで、この状態の猫に無理に触れようとすれば、すぐに怒りが爆発してしまうこともあります。
耳の向きはすぐに変わるので、ふだんからよく観察していると気づきやすくなります。耳が後ろに倒れたら、すぐに手を止めて距離をとるほうが安心です。
4.目つき・瞳孔の変化
猫の怒りが高まると目つきが鋭くなり、瞳孔が大きく変化します。特にじっと見据えるような視線は「近寄らないで」という警告です。
猫の瞳孔は通常暗い場所で大きく開きますが、明るいのに大きく開いているときは、相当興奮している可能性が高いです。
ただし、このときに「耳を倒す」「唸り声をあげる」など、ほかの怒りのサインも現れます。機嫌がいいのに瞳孔が大きくなっているなら、目の病気なども考えられますので、早めに獣医師の診察を受けましょう。
猫が怒りを爆発させたときに起こりうるトラブル

猫が本気でブチギレるときは、相当の怒りや反発を持っているため、なりふり構わず暴れます。そのため、怒りのサインを見逃してしまうと、思いもよらないトラブルにつながることがあります。
- 引っ掻きや噛みつきによる飼い主のケガ
- 物品の破損
- 衝突や落下による猫のケガ
- 過度な興奮による体調不良
- 獣医療者への攻撃
さらに攻撃行動が習慣化してエスカレートしてしまうと、飼い主との信頼関係が悪化するような長期的な問題にも発展しかねません。
猫のブチギレは、人間・猫・環境すべてに多面的な被害をもたらす可能性があるのです。
猫の怒っているときの適切な対処法

不要なトラブルを引き起こさないためにも、猫の怒りが見えた段階で適切に対処する必要があります。
もし、猫に怒りの前兆が見えたら、その場で無理になだめようとしないことが大切です。猫の怒りをさらに煽り、興奮状態がエスカレートする危険があります。うっかり猫に近づいたり、手を出したりしないようにしましょう。特に唸っているときは危険です。
猫の怒りには攻撃的な気持ちだけでなく、「恐怖心」や「不安」などが複雑に混在しているため、落ち着くまで猫のペースを尊重しましょう。可能であれば部屋を暗くして刺激を減らし、猫が隠れられる場所を用意することも効果的です。
猫パンチが飛んで来ないくらい安全な距離を保ち、猫が自然に落ち着くまで静かに待つことが最適です。
ただし、人慣れしていない猫を病院へ連れて行くときなど、どうしても捕まえる必要があるケースもあるでしょう。そのようなケースでは、猫全体をバスタオルで包み、洗濯ネットに入れてからキャリーに入れるなど、自分と獣医療者がケガをしないようにします。必要であれば、皮革手袋を利用するなど、ひっかかれないように安全対策を徹底しましょう。
外に慣れていない、怖がりなどの性格について、事前に受付で伝えられると動物病院側も対策をとれる場合があります。
まとめ

本来ならば怒るようなことがないのが一番ですが、人に慣れていない猫や気難しい性格の猫の場合には、どうしても怒りの感情が出てきます。
猫はブチギレる前には、必ず怒りのサインを出しているので、その変化を見逃さないことが大切です。そして、うなり声をあげるような場合には、いきなり飛びかかってくることも考えられるため、一旦離れるなどして猫と自身の安全を確保してください。
愛猫との関係をより良いものにするためにも、日頃から猫の表情や行動を注意深く観察するようにしましょう。