1.白髪が増え、毛質が変わる

人間と同じく、猫も歳を取るにつれて毛の質や色が変わります。
個体差はありますが、7歳ごろを境に口元や目の周り、しっぽの付け根に白い毛が混じるようになり、全体的に毛がパサつき、ツヤが失われやすくなります。加齢で体の代謝が低下するため生え変わりのサイクルも遅くなり、毛玉や抜け毛が増えることも特徴です。
また、老化が進むと体の柔軟性が低下し、毛づくろいが不十分になりがちです。だんだんとツヤがなくなり毛並みが乱れ、毛のもつれや毛割れが見られるようになります。
毛並みは健康状態のバロメーターでもあるため、毛質の変化に気づいたらブラッシングの回数を増やしたり、必要に応じて健診を受けましょう。慢性腎臓病などの疾患で毛並みが悪くなることもあるので注意が必要です。
2.シワやたるみが増える

毛に覆われていて一見すると分かりにくい猫の皮膚ですが、年齢とともに弾力を失いシワのように見えることがあります。特に耳や首回り、腹部の皮膚は伸びやすく、若い頃と比べてたるんで見えるのが特徴です。
コラーゲンやエラスチンの減少によって皮膚の再生力が低下し、乾燥(フケ)やかゆみを伴う場合もあります。さらに、体重の減少や筋肉量の低下が加わると、さらに皮膚のたるみが目立ちやすくなります。
皮膚が乾燥してかゆみを伴うこともあるので、スキンシップのときは手でなでながら質感をチェックしましょう。小さなしこりや傷に早く気づけるのもメリットです。
3.動きや反応が鈍くなる

猫も人間と同じように、シニア期に入ると関節や筋肉の衰えが出てきて、動きがゆっくりになったりジャンプ力が落ちたりします。
若い頃は軽やかにキャットタワーを登っていた猫が高い場所を避けるようになったり、遊びに誘っても反応がいまいちになったりする場合は、体の老化が進んでいるサインかもしれません。
中には関節軟骨のすり減りや慢性的な関節炎が原因となる場合もあり、痛みを隠しているケースもあります。
愛猫の老化のサインに気づいたら、段差を減らしたり、柔らかい寝床を用意したりして無理なく生活できる工夫をしましょう。
4.視覚・聴覚・嗅覚の低下

猫もシニアになると視力や聴力が落ちてきます。暗い場所でつまずく、名前を呼んでも反応が薄いといった変化が見られるのが特徴です。
また、嗅覚の衰えによって食べ物の匂いを感じにくくなり、食欲が落ちることもあります。
私たち人間が感覚の低下を不安に思うのと同じように、猫もこれまで通りの暮らしができなくなっていくことに不安な気持ちを抱いているかもしれません。家具の配置を変えない、フードを少し温めて香りを強めるなど、感覚を補う工夫をしてあげると安心です。
まとめ

猫の老化は人と同じく、毛や皮膚の変化、動きの鈍化、感覚機能の低下など、さまざまな形で現れます。愛猫の健やかな生活を支える鍵となるのは、「年を取ったから仕方がない」と年齢の変化として受け止めつつも、適切なサポートを続けることです。
猫の状態に応じて生活環境を整えたり、定期的に健康診断を受けるなど適切なケアを行っていきましょう。
飼い主が愛猫の変化を受け止め、安心感を与えることで、シニア期も穏やかで幸せな時間を共に過ごすことができるはずです。