猫が話しかけてくるときに訴えたいこと5つ

愛猫がニャーニャーうるさいときに、とりあえず食べ物を与えたり様子を見たりする飼い主さんは多いもの。
もし、猫の気持ちを理解できれば、より的確に対応できて猫の満足度と飼い主への信頼度が向上するかもしれません。
1.お腹がすいている
ごはんの時間が近いときや量が足りないと感じていると、猫は飼い主がわかりやすいように鳴いて催促するでしょう。帰宅直後に鳴きながらすり寄ってきた愛猫を見て「おかえり」の歓迎かと思ったら、実は空腹だったなんてことも。
ごはんの時間を決めている家庭も多いと思いますが、猫は季節や気温によっても食欲が増減するため、いつもとは違う時間におなかが空いたと催促することもあります。
催促に応えてあげてしまうと「鳴けば食べられる」と覚えてしまいますから、1日分のフードの量を計って、その分を小分けして与えるなどの工夫をしてあげましょう。
2.遊んでほしい・かまってほしい
日中、留守番して過ごす猫は、刺激が少ないために寝て過ごすことも多くあります。一方で、若い猫は、エネルギーが溜まりやすく退屈しやすくなります。
そのため、飼い主を見たとたんに「見て!こっち来て!遊んで!」と訴えかけてくることがあります。特に単独飼いの猫や、ふだんから刺激の少ない生活を送る猫は、この欲求が強くなる傾向があります。
家の中で飼い主のうしろを鳴きながらついて回ったり、おもちゃの近くで鳴いたりするのは、まさに「遊ぼう・かまって」という訴え。一日のうちに定期的な遊び時間を作ると、猫は満足して落ち着きます。
3.不安や寂しさを感じている
飼い主が外出する前に愛猫がやたらと鳴く場合、不安や寂しさを抱えているかもしれません。単頭飼い、留守番中に相手になる猫や家族がいない、飼い主に依存気味な場合は、ひとりきりの留守番を恐れる傾向があるからです。
また、引っ越しや家族構成の変化、新入り猫の存在など、生活に変化があったときにも鳴き声が増えることがあります。なにかを探すように同じ抑揚のない声を続ける場合は、精神的な支えを求めている可能性があります。
この場合、「分離不安症」の可能性もあるため、鳴き方が異常、食欲不振、粗相などほかの症状もあるときは、かかりつけの動物病院で相談してください。
4.体調が悪い・痛みがある
いつもと違う声や苦しそうな声で鳴く場合は、体調不良を疑いましょう。
本来、猫は自分の不調を知られないようにするものですが、人を信頼している猫は、身体の不快感を飼い主に伝えて取り除いてもらおうとすることもあるのです。
特に気をつけたい鳴き声のパターンとして、いつもよりもか細くか弱い声、うめくような声、息切れしているような鳴き方をする場合も要注意です。
自分の寝床などから動かずに鳴く場合は、消化器系の不調や慢性的な痛みを訴えているのかもしれません。鳴き声の変化、体調の変化に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
5.感じた刺激や変化を知らせたい
愛猫が窓の外を見ていたと思ったら、飼い主に向かって「ニャーニャー」と鳴くことがあります。鳥や虫、知らない音や人に反応して異変を報告しているのかもしれません。特に外の世界への関心が強いタイプは、配達員の足音や雨の降りつける音でさえ「何の音?大丈夫?」と確認することがあります。
視覚や聴覚だけでなく、猫は嗅覚が優れているので、ニオイを察知したときも敏感に反応します。近隣から漂うおいしそうなニオイを嗅いだときや、トイレから戻ってきたときにも、そのニオイについて伝えようと一生懸命話しかけてくるでしょう。
猫は、自分の感じた刺激を飼い主に共有したいときも、一生懸命伝えようとするのです。
鳴き止まないときの対処法

鳴きやまないときは、食事や水、トイレ、体調など猫の基本的な部分を確認しましょう。特に問題がない場合は、一旦猫から離れて様子を見ます。これは、鳴けば何でも叶うと学習すると、要求が通らないときの猫のストレスが大きくなってしまうため、本当に必要なことを伝える学習をさせるためです。そのため、「無視」ではなく様子を見ていてください。
猫が静かになった時点で、再度コミュニケーションを取ってみましょう。その段階で猫の要求がだいたい判明してくるはずです。
ただし、普段はほとんど鳴かない猫が急に鳴き続ける場合や、鳴き方がいつもと明らかに違う場合は体調不良の可能性があるかもしれません。やたらと鳴くだけでなく、食欲不振や元気がない症状が伴う場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ

愛猫が一生懸命に鳴いてくるとき、あまりしつこいと困ってしまうこともあるかもしれません。しかし、猫の鳴き声は大切なコミュニケーション手段です。そして、猫が話しかけてくるのは、飼い主さんを信頼している証でもあります。
猫が何を言いたいのか耳を傾けるのはもちろん、体調や飲食など猫の基本的なニーズを満たしているか確認しましょう。それでも鳴き続ける場合は、猫にとって大事でも、緊急性はあまり高くないことかもしれません。
また、個体差はありますが、猫は飼い主がたくさん話しかけると、鳴き声でコミュニケーションを取るようになってきます。ただし、普段から鳴く猫の場合は、量よりも質の変化が重要です。
いつもの鳴き方とは違った切迫感や弱さがある場合は、健康問題を疑い、必要に応じて動物病院を受診しましょう。