猫が本当に具合が悪いときに出す『SOS』4選 即受診すべき危険すぎるサインとは

猫が本当に具合が悪いときに出す『SOS』4選 即受診すべき危険すぎるサインとは

猫は体調不良を隠す生き物です。一見元気そうに見えても、実は深刻な病気のサインを出していることがあります。本記事では、飼い主が見逃してはいけない猫の「SOS」を4つ解説。すぐに病院に連れて行くべき危険なサインも紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.食欲が急に落ちる・水を飲まない

食器の前にいる猫

猫は少しの不調でも食欲が落ちやすい動物ですが、丸一日以上ほとんど食べない、または水を口にしないのは危険なサインです。肝臓や腎臓、消化器系の疾患など、命に関わる病気が隠れている可能性があります。

毎日完食していたフードをまったく口にしなくなる、お気に入りのおやつを出しても興味を示さないといった変化が見られることがありますが、特に子猫や高齢猫では短期間の絶食でも急速に体調が悪化しやすいため速やかな受診が必要です。

普段からフードの減り具合や水の摂取量を把握しておくと、異変に気づきやすくなります。食欲不振は「ただの気まぐれ」と思いがちですが、24時間以上続いたら早めに受診することを心がけましょう。

2.呼吸が荒い・苦しそうにしている

しかめっつらの猫

健康な猫は静かに鼻呼吸をしているため呼吸音が目立ちません。

もし、遊びの最中でもないのに口を開けてハアハアと呼吸している、肩で息をしている、ゼーゼー、ヒューヒューなど変な音を立てているといった様子が見られたら、呼吸器や心臓の重大なトラブルを抱えている可能性があります。

なかには熱中症や肺炎、心筋症などが原因で呼吸困難になるケースも少なくありません。さらに、横になったまま動かず、首を伸ばすようにして息をしている姿勢は特に危ないです。

呼吸の異常は数分~数時間で急変することもあるため、自宅で様子を見るのは危険です。サインを見かけたらすぐに動物病院へ行きましょう。

3.隠れる・動かなくなるなどの行動変化

隠れる猫

猫は本能的に体調不良を隠す習性があります。そのため、普段は甘えん坊なのに急に隠れる、じっと動かない、撫でても反応が薄いといった行動は、強い痛みや全身の不調を抱えているサインです。

特に腹部を触られるのを嫌がる場合、内臓系の病気や消化器トラブルが疑われます。また、階段を上らなくなる、ジャンプを避けるなど、行動範囲が急に制限されるのもSOSの一つです。

性格の変化と混同しやすいサインですが、「いつもと違う」という違和感を見逃さないことが早期発見につながります。

4.嘔吐や下痢が続く・血が混じる

吐く猫

猫は毛玉を吐く習性があるため、単発の嘔吐は珍しくありません。しかし、短時間に繰り返し嘔吐する、1日に3回以上下痢をする、便や吐瀉物に血が混じっている場合は要注意です。

胃腸炎や中毒、寄生虫感染、さらには腎臓病や肝疾患といった深刻な病気が隠れている可能性があります。

特に子猫や老猫では脱水症状に陥りやすく、短時間で危険な状態になることもあるため、「毛玉かな?」と軽く考えてしまうのは危険です。

嘔吐や下痢の頻度や状態をチェックし、異常があれば早めに受診することが大切です。

即受診すべき危険すぎるサイン

ぐったりする猫

以下の症状が見られた場合は、一刻を争う危険信号です。

  • けいれん、ふらつき、意識がもうろうとしている
  • 血を吐く、血尿、血便が出ている
  • まったく立てない、ぐったりして動かない
  • 呼吸が止まりそう、口や舌が紫色になっている

このような状態は命に直結する緊急事態です。自宅で対処できるものではないため、直ちに動物病院に連絡し、できれば救急で受診してください。

少しでも迷ったら、夜間病院や緊急対応のある動物病院に相談しましょう。飼い主の迅速な判断が愛猫の命を救うことにつながります。

まとめ

聴診器を当てられる猫

猫は弱みを隠すため、症状が出た時点でかなり具合が悪いことが多いです。愛猫のことをよく知る飼い主だからこそ、「なんとなくいつもと違う」という直感は非常に大切で、軽視してはいけません。

食欲や呼吸、行動、排泄に異常が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。さらに、けいれんや出血、意識障害、呼吸困難などの危険サインが出た場合は、一刻も早い対応が必要です。

日頃から猫の様子をよく観察し、少しの違和感でも迷わず病院へ行くことが、愛猫の健康と命を守る最大のポイントです。

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