猫が『涙を流す』ときに疑うべき4つの病気・怪我 目のトラブルを引き起こしやすいものも紹介

猫が『涙を流す』ときに疑うべき4つの病気・怪我 目のトラブルを引き起こしやすいものも紹介

愛猫が涙目になっている。そんなときは、病気や怪我が疑われます。目の病気には失明のリスクもありますので、気になったら早めに獣医師に相談して治療を開始することが大切です。今回は、猫が涙を流す際に疑われる病気や怪我を紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.結膜炎

目薬を指されている子猫

結膜炎は、まぶたの裏から白目部分を覆う結膜が炎症を起こす病気で、猫の目の病気としてはもっともよく見られるものです。ウイルスや細菌の感染、怪我が原因になることが多く、子猫にもよく見られます。

猫の結膜炎ではおもに以下のような症状が見られます。

  • 涙の増加
  • 目ヤニの増加
  • 目の充血
  • 目をこする
  • 目をしょぼしょぼさせる

涙や目ヤニの増加が飼い主さんが気づくきっかけになりやすく、ウイルスや細菌の感染が原因の場合は、同時にくしゃみや鼻水といった猫風邪の症状があらわれることも多いでしょう。重症化すると結膜がむくむ「結膜浮腫」を起こしたり、目が開けられなくなったりします。

感染性の場合はほかの猫に移ることもあるため、早めの診断と適切な治療が必要です。

2.角膜炎

目を拭かれている猫

角膜炎とは、黒目の部分を覆っている角膜が炎症を起こす病気です。ウイルスや細菌の感染、怪我、アレルギーが原因になることが多いと言われています。

猫が角膜炎を起こすと以下のような症状や行動が見られます。

  • 涙の増加
  • 目ヤニの増加
  • 目の充血
  • 目を掻く、気にする
  • 目を開けづらそうにする
  • 目をしょぼしょぼさせる

放置すると角膜炎から角膜潰瘍に発展し、視力低下や失明のリスクもあるため注意が必要です。

また、ウイルスや細菌の感染が原因の場合は、結膜炎同様ほかの猫に移る可能性があります。

3.ブドウ膜炎

目の診察を受けている猫

ブドウ膜炎は、目の内部の虹彩、毛様体、脈絡膜とその周辺組織に炎症が起きる病気です。原因には、感染症や免疫異常、外傷、そのほかの目の病気などがあげられます。

猫のブドウ膜炎では、以下のような症状が見られます。

  • 涙の増加
  • 重度の充血
  • 瞳孔が狭い
  • 目の表面の混濁
  • 目を閉じている
  • 目をしょぼしょぼさせる

放置すると緑内障や網膜剥離、網膜変性を引き起こす場合があり、失明の可能性もあります。

早期診断・早期治療が非常に重要な病気です。異常に気づいたら速やかに受診しましょう。

4.異物の侵入やケンカでの怪我

にらみ合う猫

猫が涙を流す原因には、病気以外にもホコリや砂、毛などの異物の侵入、ケンカによる怪我などがあげられます。

異物が侵入した場合は、放っておいても涙で流れ出ることが多いので、ほとんどのケースでは心配は不要です。

しかし、ケンカが原因の場合、見た目以上に深い怪我を負っていることもあるため油断ができません。怪我は、結膜炎や角膜炎などの病気につながる場合があります。

いずれにしても、いつもと違う様子が見られる場合は、念のため動物病院を受診しましょう。

まとめ

正面を見つめる猫のアップ

猫が涙を流しているときは、病気のほかにも異物の侵入やケンカによる怪我などさまざまな原因が考えられます。原因によっては、視力の低下や失明につながることもあるので、油断できません。

また、細菌やウイルスへの感染が原因の場合は、猫風邪などのほかの病気にかかっている可能性もあります。涙のほかにもくしゃみや鼻水などの症状が見られる場合は要注意です。

異常に気づいたら速やかに動物病院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

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