猫の『レントゲン検査』の基礎知識4選 どんなときに受ける?どんな病気がわかる?

猫の『レントゲン検査』の基礎知識4選 どんなときに受ける?どんな病気がわかる?

猫の『レントゲン検査』はどんな時に必要?何がわかるの?安全性は?今回は、レントゲン撮影に関する基礎知識について解説いたします!!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の『レントゲン検査』の基礎知識4選

レントゲン検査

人間にとってレントゲン検査は身近なもので、誰しも一度は受けたことがあるはずです。しかし、それを猫に受けさせるとなると不安に思う飼い主さんも多いでしょう。

そこで今回は、『猫のレントゲン検査』に関する基礎知識を4つ紹介いたします。

これから猫を迎える方、そして初めてレントゲン撮影を受ける猫の飼い主さんは参考にしてみてください。

1.オプションとなる場合が多い

診察を受ける猫

人間ドックの項目には必ずレントゲン検査が含まれています。一方、猫の場合は必要に応じて受けるオプションという位置づけとしている病院が多いです。

2.ほとんどの場合は麻酔なしで受けられる

検査を受ける猫

健康診断の項目にないと聞くと、リスクの高い検査になるのではないかと心配になるかもしれません。

実はレントゲン検査は猫が受ける検査の中でも負担が軽いほうで、ほとんどの場合は『麻酔なし』で受けることができます。

スタッフさんによる保定こそ必要になるものの、撮影時間も10分〜15分程度と短く、被曝量も多くはないので比較的安全性の高い検査になります。

では、なぜ健診の中に含まれないことがあるのか。それは単に、敢えてストレスを与える必要がないからです。手短に済むとはいえ、繊細な猫には緊張が伴います。

よって、必要な時に調べたい部位に限定して行われる場合が多いのです。

3.わかることは多岐にわたる

画像の解説

実際に、獣医さんから「今日はレントゲンを撮りましょう」と言われるのはどのようなシチュエーションなのでしょうか。

骨折や脱臼の可能性がある時

猫の場合はキャットタワーからの転落や、家具に衝突するなどの怪我がきっかけで足を痛めてしまうことがあります。

このような場合に、骨折の有無や脱臼の可能性をいち早く確認できるのがレントゲンです。骨は白く写ることが特徴なので、ヒビや骨折による亀裂は黒く写し出されます。

咳などの呼吸器症状がある時

咳などの呼吸器症状が続く場合は、肺や気管支の異常をチェックするためにレントゲン撮影を行います。肺は黒く写し出されるので、炎症があったり異常がある箇所は白いモヤのようなものが写るのが特徴です。

ちなみに胸部のレントゲンを行うと、必然的に肋骨や心臓の形もみることができます。よって同時に、これらの箇所における異常も確認することができます。

消化器系のトラブルがある時

腹部レントゲンからは、胃・小腸・肝臓・腎臓・膀胱などの位置はもちろんのこと、各々の臓器に腫瘍がないか、または腎臓や膀胱に結石がないかなどを確認することができます。

誤飲の可能性が疑われる場合も、種類によっては異物の有無や形状、位置などがわかることがあります。

4.レントゲン1枚につき3,000円前後かかる(病院による)

計算する猫

レントゲン検査にかかる費用の目安としては、画像1枚あたり3,000円前後としている病院が多いようです。

ただし場合によっては、異常がある箇所をより詳しく調べるため造影剤を使用することもあるため、その場合は少し値段が高くなることがあります。もし値段が気になるようであれば、病院に聞いてみましょう。

まとめ

手際の良いスタッフ

猫の場合は全身麻酔が必要となる検査や処置が多い中、レントゲン検査は無麻酔で行える手軽さがあるのが最大のメリットです。(猫の性格によっては鎮静が必要になる場合もあります)

気になる放射線量も少ないため、通常ほとんど放射線障害などの心配はいりません。

レントゲン検査からは骨の異常・肺炎の有無・消化器系のトラブルの原因などが明らかになることがあります。

実際に検査を受ける際にはまず、飼い主さんがリラックスして送り出してあげましょう。愛猫も安心して検査に向かえるはずです。

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