もしも愛猫の『歯磨き』をサボったら…猫の体に起こりうる5つの危険な問題

もしも愛猫の『歯磨き』をサボったら…猫の体に起こりうる5つの危険な問題

「うちの子は歯磨きしなくても大丈夫」と思っていませんか?実は、猫にとって歯磨きは“健康を守るための大切な習慣”です。ですが現実には、歯磨きを嫌がる子も多く、ついお手入れをサボってしまう飼い主さんも少なくありません。しかし、猫の歯磨きを怠ることで、口腔内のトラブルだけでなく全身の健康に影響を及ぼす“怖いリスク”が潜んでいます。この記事では、愛猫の歯磨きをサボった時に起こりうる危険な問題を5つご紹介し、健康を守るためのポイントをわかりやすく解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

歯磨きをサボると猫に起きる5つの危険な問題

口を開けて歯を見られる猫

猫の歯磨きを怠ると、口の中だけでなく体全体の健康リスクにつながる可能性があります。「まだ大丈夫」と思っている間に、少しずつ進行していくのが歯周病や口腔内トラブルの怖いところ。ここでは、歯磨きをサボることで起こりうる5つの問題をご紹介します。

1.歯垢・歯石がどんどん蓄積する

歯磨きをしないと、食べかすや細菌が歯垢となり、それが固まって歯石になります。一度歯石が付着すると家庭でのケアでは除去できず、口臭や炎症の温床になってしまいます。

2.歯肉炎・歯周病が進行するリスク

歯垢や歯石を放置すると歯茎が炎症を起こし、「歯肉炎」や「歯周病」へと悪化。歯が抜け落ちるだけでなく、最悪の場合、あごの骨までダメージを受ける可能性があります。

3.痛みによって食事が苦痛に

歯周病が悪化すると、口内炎や潰瘍ができてしまい、食事のたびに痛みが走るようになります。その影響で食欲が低下し、体重減少や栄養失調を引き起こす危険性が高まります。

4.重篤な全身疾患につながる恐れ

口内の細菌が血液を通じて全身に広がることで、心臓病や腎臓病などの深刻な疾患を招くケースも。特にシニア猫では命に関わる事態に発展しかねません。

5.悪臭トラブルで生活に支障が出る

細菌や炎症による口臭は、放置するほど強烈になります。飼い主が顔を近づけるのも躊躇(ちゅうちょ)するほどのニオイとなり、猫自身も強い不快感を抱くようになります。

歯磨きを習慣にするために「今日からできること」

歯磨きケアされる猫

猫にとって“歯磨き”は、人間以上にストレスを感じるケアのひとつです。ですが、いきなり完璧を目指さず、小さなステップを積み重ねることで、無理なく習慣化することができます。

ここでは、今日から始められる歯磨き習慣化のコツをご紹介します。

まずは「口元を触られること」に慣れさせる

いきなり歯ブラシを使うのではなく、指で唇をめくったり、口の周りを優しくマッサージすることから始めましょう。猫が嫌がらない程度に、1日1回短時間でOKです。

歯磨きシートやガーゼで“拭く”ケアから

歯ブラシが苦手な猫には、柔らかい歯磨きシートや濡らしたガーゼで歯の表面を優しく拭くケアが効果的です。これなら歯石予防にもつながります。

オヤツ感覚で使える“歯磨きおやつ”を活用

歯磨き効果のあるオヤツやデンタルガムを取り入れるのも有効です。遊び感覚で「歯磨き=楽しい」と印象づけましょう。

歯ブラシは“無理なく”ステップアップ

歯磨きシートに慣れたら、徐々に猫用歯ブラシに切り替えていきましょう。最初は歯ブラシを口元に当てるだけでもOK。嫌がったら無理強いせず、“成功体験”を大切に。

毎日の歯磨きが理想ですが、やらないよりはやったほうが効果はあります。「無理なく続けられる頻度」を決めて習慣にすることが何より大切です。

まとめ

気持ちよさそうな猫

猫の歯磨きを怠ることで起こるトラブルは、単なる“口の問題”にとどまらず、全身の健康に関わる深刻なリスクへと発展します。歯垢・歯石、歯周病、口内炎、さらには心臓病や腎臓病など…「たかが歯磨き」と侮ることはできません。

とはいえ、歯磨きが苦手な猫は多いもの。無理に押さえつけるのではなく、猫のペースで少しずつ慣らし、シートやおやつをうまく活用しながら“できる範囲”から始めていくことが大切です。

「歯磨きが日常になる」ことで、愛猫の健康寿命は確実に伸ばせます。今日から、小さな一歩を始めてみませんか?

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