猫には危険過ぎる植物5選

猫に鋭いキバや爪があるように、植物にも身を守るために「有毒性」という武器があります。それは動物にとって、危険な存在になることもあります。
愛猫と安心して暮らすために、どんな植物が危険なのかを見ていきましょう。
1.ユリ
猫にとって最も危険とされる植物で、ほんの少量を舐めたり、かじったりしただけで急性腎不全を引き起こす可能性があります。花びらや葉、茎、花粉、さらには活けてある花瓶の水にまで毒性があるといわれています。
猫がユリを摂取した場合、嘔吐や食欲不振、元気消失などの初期症状が見られ、12〜30時間で急性腎不全による多尿が引き起こされ、24~48時間で尿量減少、脱水、呼吸困難、けいれんなどの重篤な症状があらわれます。
ユリは少量でも致命的なため、摂取の疑いがあれば、一分一秒を争う緊急事態です。すぐに動物病院での治療が必要です。
2.スズラン
白い小さな花が連なるスズランは、鉢植えだけでなく切り花としても人気がある一方で、見た目の清楚なイメージとは裏腹に、植物全体に強い毒性を含んでいる危険な植物です。
猫が摂取してしまうと血圧の急激な低下や不整脈、けいれん、激しい嘔吐など深刻な症状を引き起こします。症状は短時間で発症し、治療が遅れた場合は昏睡状態や心臓麻痺を起こし、死に至る可能性もあります。
有毒成分は、花だけでなく茎も葉も根の部分にも含まれているため、切り花はもちろん鉢植えや庭植えにも十分な注意が必要です。
3.ポトス
グリーンの葉に白い独特の模様を持つポトスは、そのさわやかな見た目や育てやすさから観葉植物の定番として広く親しまれています。そして、ポトスはサトイモの仲間なので、葉や茎に針状のシュウ酸カルシウム結晶が多く含まれています。
もし、猫がポトスを噛むなどして摂取してしまうと、よだれや嘔吐、食欲不振、重症の場合には、強い不快感や胃腸症状からぐったりしてしまうことも。
ポトスは茎のしなりが良いため、長く伸びていると猫がじゃれやすい植物です。猫の手が届かないように管理しましょう。
4.ベンジャミン
室内にどっしりと置けるベンジャミンの鉢植えは、インテリア性の高さから観葉植物の中でもとても人気のある種類です。
ベンジャミンはゴムの木の仲間なので、葉や枝を切った時に天然ゴムの原料となるラテックスが出てきます。この樹液が猫にとって有毒なのです。
猫が樹液を口にしてしまうと、嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。また、皮膚に触れることで炎症を起こすこともあるため、猫がじゃれて遊ぶことはもちろん、伸びた枝の剪定や植え替え時などにも十分注意しましょう。
5.ホオズキ
提灯型の実がかわいらしいホオズキは、夏の風物詩のひとつですが、意外にも猫にとっては危険な存在なのです。
ホオズキはナス科の植物で、実の部分や葉、茎などに有毒成分が含まれ、猫が口にしてしまうとよだれ、嘔吐や下痢などを引き起こします。特に熟していない実や葉には毒性が強く、摂取量によっては、脱力やけいれん、呼吸の異常などを発症する危険もあります。
連なる朱色の実に興味を示す猫は少なくありませんが、飾るときには、猫がふれないようによく注意しておきましょう。
猫に安全な植物とは?

「そんなにたくさん危険な植物があるのなら、もう何も飾れないのでは…」と感じた方もいるかもしれませんが、猫と暮らす家でも、安全に楽しめる植物はちゃんとあります。
ここでは猫がいる家庭でも安心して飾れる観葉植物を紹介します。
たとえば、パキラやアレカヤシ、テーブルヤシ、バンブーパームなどが安全な観葉植物です。葉っぱの細いものは多いですね。これらは毒性がない、あるいはとても低いので、猫がかじっても少量であれば健康に影響のない植物です。
また、「猫草」として知られるエン麦や小麦若葉は、栽培も簡単な上、猫も好んで食べることもあり、ちょっとしたキッチン菜園が楽しめるかもしれません。
ただし、たとえ無毒でも大量摂取は消化器に負担がかかりますので、取り扱いにはよく注意するようにしましょう。
まとめ

今回は、猫を飼っている家庭では、絶対に気を付けたい「危険すぎる植物」を紹介しました。
ユリやスズランをはじめとする植物の中には、ほんの一瞬の間違いで重篤な中毒を引き起こすものがあります。観葉植物として人気の高いポトスやゴムの木も好奇心旺盛な猫がいる家庭では油断できません。
もちろんすべての猫がじゃれついて誤飲してしまうとは限りませんが、猫の生活空間にこうした植物を置くことは、愛猫の健康に重大なリスクをもたらします。一方で、パキラやテーブルヤシなど猫に無害な植物もあるため、観葉植物を一切置かないという選択肢からは解放されそうです。
自宅に植物がある場合は、今すぐ確認してみましょう。猫にとって危険な種類があれば、思わぬ事故の原因になるかもしれません。愛猫が好奇心でかじる前に対策をして、猫の安全を確保しましょう。