猫が『パニックに陥りやすい』4つのシチュエーション それぞれの対処法も

猫が『パニックに陥りやすい』4つのシチュエーション それぞれの対処法も

普段はのんびりしている猫も、ちょっとしたきっかけでパニック状態に陥ることがあります。猫にとって不安や恐怖を感じやすい状況は様々。今回は、猫がパニックになりやすいシチュエーションをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.突然の大きな音

驚いているような猫

猫がパニック状態に陥る原因として、まず挙げられるのが「突然の大きな音」。猫は非常に聴覚が鋭く、人間には気にならないような音でも強い不安を感じます。例えば雷、花火、掃除機、工事音など、突然かつ大きな音に対して過剰に反応することが多いです。場合によっては音に驚いて急に走り出したり、狭い場所に逃げ込んだり、パニックで爪を立てたりすることもあります。

猫が音でパニックになってしまったときは、飼い主が落ち着いて対応することが第一。驚いている猫を無理に抱き上げたり追いかけたりすると、さらに混乱させてしまいます。できるだけ音を遮断するため、カーテンを閉めたりするなど猫が落ち着ける環境を整えてあげましょう。また、猫が自分で安心できる場所に逃げ込めるよう、日頃から「安全地帯」を用意しておくことも効果的です。

2.知らない場所に連れていかれる

部屋で遊ぶ猫

続いて挙げられるのが、知らない場所に連れていかれるケース。猫は環境の変化にも、とても敏感。動物病院への通院や引っ越しなど、普段と異なる場所へ連れて行かれると、強い緊張状態になります。

猫によってはキャリーバッグに入った瞬間から鳴き続けたり、目的地に着いても固まって動かなくなったりします。

このような事態に備え、キャリーは普段から部屋に出しておき、猫が安心して入れる場所として慣らしておくことが大切。キャリーの中にお気に入りの毛布や飼い主の匂いがついたタオルなどを入れておくと、猫の不安を多少軽減することが期待できます。
移動中はできるだけ静かに保ち、必要以上に声をかけたり覗き込んだりせず、猫のペースを尊重してあげましょう。

3.知らない来客や動物が家にやってくる

じっと見ている猫

猫にとって家は自分のテリトリー。その空間に知らない人や他の動物が入ってくると、警戒心からパニック状態になることがあります。来客が玄関に入った瞬間から姿を消したり、隠れ場所から出てこなくなったり、極端な場合は威嚇や攻撃的な行動に出ることもあります。

こうした場面では、猫を無理に紹介しようとしたり、触れさせようとしたりするのは避けましょう。来客があるときは、あらかじめ猫が安心できる別室や高い場所などに誘導しておいて、静かに過ごせる環境を整えておくことも効果的です。

また、来客にも「無理に猫にかまわないよう」お願いしておくと安心です。他の動物を家に迎える際は、徐々に距離を縮めるよう段階を踏んで慣らすことを意識しましょう。

4.予想外の事態

舌を出している猫

意外ですが、猫は予想外の事態にかなり弱いです。高い位置からの落下、人に誤って踏まれる、家具のすき間に挟まる、大きな地震が起こるなど、突発的なアクシデントは、猫にとって非常に強い恐怖体験。パニック状態になり、逃げ回ったり攻撃的になるほか、逆に体が硬直してしまい動けなくなってしまうこともあります。

こうしたときは、まず猫の安全を確保することが最優先。ケガがないかを確認し、可能であれば落ち着いた場所にそっと誘導しましょう。飼い主が驚いた様子を見せると、猫はさらに不安を感じるため、冷静に接することが大切です。

また、災害時に備えて、猫が安心して避難できるキャリーや避難用品を用意しておくと、万が一のときにも落ち着いて対応できます。

まとめ

トラ猫

猫は環境の変化や予期せぬ出来事にとても敏感。ちょっとした出来事でも不安や恐怖を感じることがあります。パニックを起こしてしまったとき、無理に抱いたりなだめようとするよりも、まずは猫の気持ちに寄り添い、静かで安心できる空間を整えることが大切。猫にとって安心できる居場所やルーティンを用意し、できるだけストレスの少ない暮らしを心がけましょう。

猫の気持ちを理解し、そっと寄り添うことが、信頼関係を深める第一歩になるはずです。今回の記事を参考に、猫がパニックでケガしないよう生活環境を見直してみてください。

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