1.寒さやストレスによる生理的な震え

猫が震えていると病気だと思って不安になってしまうと思いますが、必ずしも病気とは限りません。特に気温の低い時期や、エアコンの風が直接当たっている場合、寒さによる生理的な震えが見られることがあります。
また、環境の変化や来客、大きな音などでストレスを感じたときにも、猫は体をこわばらせながら小刻みに震えることがあります。こうした震えは一時的であり、原因が取り除かれれば自然とおさまることがほとんどです。ただし、長時間続いたり、他の異常行動が伴う場合は別の原因が考えられるため注意が必要です。
2.痛みや発熱など体調不良による震え

体の震えが断続的ではなく継続的で、なおかつ元気がなかったり、食欲が落ちている様子が見られる場合は体調不良が疑われます。関節炎やケガによる痛み、発熱、内臓疾患など、さまざまな病気が背景にあると考えられるでしょう。
特に、じっとして震えている、触られるのを嫌がる、うずくまって動かないといったサインが見られたら、体のどこかに痛みや異常があるかもしれません。震えは猫なりの「つらいよ」というSOSのサインでもあります。無理に抱っこしたりせず、早めの受診が安心です。
3.低血糖や神経系の異常など、命に関わる原因も

まれに見られるのが、命に関わるような病気による震えです。とくに子猫や糖尿病の治療中の猫などで起こる低血糖、高アンモニア血症、てんかんや脳の異常による神経症状、電解質異常、腎不全、中毒によるけいれんなどが該当します。
全身に震えがあり止まらない、口から泡を吹いている、意識がもうろうとしているなどの症状がある場合はただちに動物病院へ連れて行ってください。猫の状態によっては時間との勝負になるケースもあるため、迷ったらすぐに相談しましょう。
愛猫が普段見せている様子との違いを敏感に察知することが命を守る第一歩です。
すぐに病院へ連れて行くべき震えのサインとは?

震えの原因を見極めるには、行動やその他の症状をよく観察することが大切です。以下のようなサインがある場合は早急に動物病院を受診しましょう。
震えが長時間続く
15分以上と長い時間震えが止まらない場合は、異常のサインである可能性があります。
意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない
神経系や低血糖など代謝に関わる異常が考えられ、緊急対応が必要です。
震えと同時に、よだれ、嘔吐、下痢などの症状がある
中毒を起こしていたり感染症にかかっている可能性があります。
痛がる様子や歩き方の異常がある
骨折や内臓疾患の可能性もあるため、すぐに検査が必要です。
震えだけでなく、「いつもと様子が違うな」「なんとなくおかしいな」と感じたらためらわず病院へ。猫は不調を隠す動物なので、小さな変化も見逃さないようにしましょう。
まとめ

猫がブルブル震えているとき、原因が「寒いだけ」のこともあれば、「命に関わる異変」のサインであることもあります。
しかし、猫は不調を隠してしまいがちなので、体に何が起こっているのかを見極めにくいですよね。異常に気づきやすくするためには、飼い主が普段から愛猫の様子をよく観察しておくことが重要です。
少しでも愛猫の様子に不安を感じたら、念のためでも良いので、様子見せず獣医師に相談するのが最も安心できます。猫の健康を守るのは、飼い主であるあなたの気づきと行動です。