1.子猫は乳歯や永久歯の生え方で判断する

子猫の年齢を見分けるうえで、歯の生え方は非常に有効な目安です。生後2〜3週間で乳歯が生えはじめ、生後2ヵ月頃で乳歯がそろいます。生後3〜6ヵ月ごろになると乳歯が抜け、永久歯に生え変わります。
つまり、乳歯が残っていれば生後2〜5ヵ月以内と判断できますし、すべて永久歯なら6ヵ月以上ということになるでしょう。
あくまでも目安ですが、保護猫などで生年月日が不明な場合でも、口の中をチェックすることで、ある程度の月齢が判断できるのです。
2.1歳以上の猫は歯と歯茎の状態で判断する

成猫になると、歯の色や歯石の付き具合、歯茎の状態が年齢を見分けるポイントになります。
1歳前後の若い猫の永久歯は白く、ツルッとしていてキレイですが、2〜3歳を過ぎると徐々に歯の表面に黄ばみや歯石が付きはじめます。3歳以降は年齢を重ねるにつれて、歯の黄ばみや歯石が増え、高齢になるほど歯の摩耗が見られるようになるでしょう。
また、歯茎の色も年齢とともに変化し、炎症や後退が見られるようになれば、中高齢の可能性が高くなります。
もちろん、食生活やケアの有無によっても差はありますが、まったく歯磨きをしていない場合は、5歳以上でかなりの歯石が確認されることが多いです。歯と歯茎を観察することは、年齢を推定する手がかりになります。
3.被毛の状態で判断する

猫の毛並みも年齢によって変化します。若い猫は毛が柔らかく、ツヤがあって、全体的にふんわりとした印象を与えます。
一方、加齢とともに被毛のハリやツヤがなくなり、ゴワつきやパサつきが目立つようになることも。さらに高齢になると、グルーミングの頻度が減ることにより、毛がもつれたり汚れやすくなったりします。
また、口元や目のまわり、背中などに白髪のような毛が混じるケースもあります。こうした被毛の変化は、日々の生活環境にも左右されますが、全体的な印象から、ある程度の年齢を見定めることができるでしょう。
4.目の状態で判断する

生まれたばかりの子猫は、まだ目が開いていません。目が開くのは生後1〜2週ごろで、個体差はありますが、徐々にうっすらと開きはじめ、数日かけてしっかり見えるようになります。
目が開いた直後の子猫は「キトンブルー」と呼ばれる、青みがかった淡い目の色をしています。成長するにつれて変化し、一般的に生後6ヵ月ごろには、その猫本来の目の色に落ち着くでしょう。
一方で高齢になると瞳の透明感がやや鈍くなり、目が曇ったように見えます。白内障や核硬化症で白く濁って見えるようになることもあります。また、若い頃と比べて涙や目やにが増えがちです。
5.体形・体重・顔つきで判断する

猫の体つきや顔立ちも、年齢を判断するポイントになります。
たとえば、子猫は体に対して頭が大きく、顔つきも幼く見えます。また、体重も生後1週間ほどで200g、生後1ヵ月で約500g、生後3ヵ月で1.5kg程度と言われており、年齢を推定する目安になるでしょう。
また、若い成猫は筋肉がしっかりしていて引き締まった体をしているのに対し、年齢を重ねると筋肉量が減り、とくに腰まわりや太ももが細くなってきます。高齢になると、骨ばったごつごつとした体形になっていくことが多いでしょう。
また、顔つきも若いころは丸く愛らしい印象ですが、高齢になると頬がこけたようになる猫もいます。
まとめ

猫の年齢を正確に把握するのは難しいですが、歯や被毛の状態、体形、顔つきなどの観察によって、ある程度の推定は可能です。見た目や行動から「若そう」「年寄りっぽい」といった印象だけでなく、複数の要素を照らし合わせることで、より信頼性の高い推定ができます。
保護猫や譲渡猫の場合、生年月日がわからないことも多く、日々の健康管理のためにも年齢の見極めはとても大切です。定期的に健康診断を受け、獣医師と相談しながら年齢に合ったケアを心がけましょう。