夏の暑さ対策に、猫に『氷』をあげるのはアリ?与える際の注意点3選

夏の暑さ対策に、猫に『氷』をあげるのはアリ?与える際の注意点3選

暑くなると冷たいものを食べたくなりますよね。それは猫も同じかもしれません。夏に氷をあげるとうれしそうに舐めたり、遊んだりする様子が見られるでしょう。ただし、与える際にはいくつかの注意点があります。今回は、猫に氷を与える際に気をつけてほしい3つのことを紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫に氷をあげていいの?

積み上げた氷を見つめる猫

結論から言うと、猫に氷をあげても基本的には問題ありません。氷は水分補給のきっかけになることがあり、冷たい水を好む猫にはとくにおすすめです。直接舐めたり、水皿に浮かべたりすると、興味を持って飲水量が増えるきっかけになるでしょう。

ただし、氷の与え過ぎには注意が必要です。冷えすぎによる体調不良や下痢のリスクもあるため、小さめの氷を1〜2個程度にとどめておくのが安心です。

また、すべての猫が氷を好むわけではないので、最初は少量から試し、嫌がるようなら無理に与える必要はありません。

では、氷をあげるときに気をつけたいポイントを見ていきましょう。

1.下痢に注意

トイレに座っている猫

氷を直接口にすると、お腹が冷えて下痢をする猫もいます。とくに、胃腸が弱い猫や子猫、高齢の猫は要注意です。

何個までなら大丈夫という基準や目安はなく、また個体差もあるため、最初は小さな氷を1個だけにするなど、様子を見ながら与えるようにしましょう。

また、室内が冷房で冷えすぎている場合、氷と相まって寒く感じてしまう可能性もあります。氷をあげる場合は、猫が体を温められる場所も確保しておくことが大切です。たとえば、タオルや毛布を置いておくと、冷えすぎた体を自分で調整しやすくなります。

2.舌にくっつかないよう注意

なにかを舐めている猫

氷をそのまま猫に渡すと、舌がくっついてしまうことがあります。経験したことのある飼い主さんも多いと思いますが、猫の場合は驚いてパニックになったり、無理に取ろうとして舌を傷つけてしまうリスクがあります。

万が一くっついてしまった場合は、無理に引き剥がさず、水で優しく濡らして取り除いてあげましょう。あらかじめ氷を水にくぐらせてから渡すことで、くっつきにくくすることもできます。また、氷を水に浮かべて与えるのも、くっつき防止におすすめです。

3.体調の変化に注意

ごはんを見つめる猫

氷を口にしたあと、猫の体調が変化することがあります。たとえば、食欲が落ちたり、元気がなくなったりするなどです。冷えすぎによって胃腸の機能が弱ってしまっている可能性があります。

暑さ対策として毎日与えることで、消化器への負担が蓄積される可能性もあります。体調の小さな変化にも気を配り、少しでもいつもと違うと感じたら、しばらく与えるのを控えるようにしましょう。

また、暑さで元気がないのか、氷が原因なのか分かりにくいこともあるため、氷をあげた日は猫の様子をよく観察し、気になることがあれば獣医師に相談することをおすすめします。

まとめ

器に盛られた氷をなめる猫

猫に氷をあげることは、暑い季節の水分補給や気分転換として有効な手段のひとつです。ただし、与え方には工夫と注意が必要です。与えすぎでお腹が冷えて下痢を起こしたり、氷が舌にくっついたり、体調を崩したりといったリスクもあります。

大切なのは、猫の様子をよく見ながら、無理のない範囲で与えることです。最初は少量からはじめ、体調にも問題がなければ、夏の暑さ対策として活用しても良いでしょう。

また、同時に冷房を使用するなどの暑さ対策もおこない、猫が快適に過ごせるようにしてあげてくださいね。

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