猫がいる部屋で蚊取り線香を使うときの注意点3つ

夏といえば蚊取り線香ですが、猫と暮らす部屋では「使っていいの?」「体に悪くないの?」と不安に感じる方も多いでしょう。完全にNGというわけではありませんが、猫の健康を守るためには、いくつかの重要なポイントに気をつける必要があります。
1.使用は猫から離れた場所で
蚊取り線香を使うときは、猫を別の部屋に移動させ、使用時間はできるだけ短くしましょう。煙が残らないよう、使用後はよく換気をしてから猫を部屋に戻してください。
閉め切った部屋で蚊取り線香を焚くと、殺虫成分を含んだ煙を吸い込みやすくなります。蚊取り線香の煙は、呼吸器に刺激を与えたり、アレルギーや過敏症の原因になったりすることがあります
また、蚊取り線香に含まれるピレスロイド系成分は、哺乳類には害が少ないとされていますが、猫は代謝が苦手なため、長時間の吸い込みや体への付着は避けたいところ。特に猫は家具などに体をこすりつけるため、煙の成分が残っていると、毛づくろいのときに舐めてしまう可能性もあります。
2.猫が直接触れないように設置
火を使う蚊取り線香は芯の部分や金属の台座が高温になるため、猫がやけどしないよう注意が必要です。
好奇心旺盛な猫がいると、くるくる巻かれた形状やゆらゆらとのぼる煙に興味を持ち、間近で見ようとしたり、直接触ろうとしたりすることがあります。その際、うっかり触れてしまうとやけどをする危険があります。
また、火をつけている線香を倒してしまうと、火災につながるおそれもあります。
猫がいる空間での使用は可能な限り避けるのが理想ですが、どうしても使いたい場合は、猫の手が届かない安定した場所に置き、使用中は目を離さないようにしましょう。
3.誤飲をしたらすぐ動物病院へ
好奇心旺盛な猫だと、火が消えた後の蚊取り線香や落ちた灰などに興味が湧いて遊んでしまったり、うっかり踏んで、そのまま手足を舐めてしまったりすることも考えられます。
誤飲に気付いたら、猫の様子をよく観察して、症状があらわれたらすぐに動物病院に相談しましょう。軽度の場合には、口の中の不快感から食欲低下や、軽い嘔吐や下痢をすることがあります。
通常、ごく少量であれば重篤な中毒症状は起こりにくいですが、猫の体重や個体差もあるため、状態や症状によって異なります。自宅で無理に吐かせようとせず、すぐに動物病院へ相談してください。
猫と暮らす家で蚊を防ぐには?安全な対策方法

猫にやさしい蚊よけ対策は、殺虫よりも防蚊(蚊を入れない)に重心を置くと良いでしょう。
玄関や窓には吊るすタイプの防蚊製品を使い、家の中に蚊を入れないようにしましょう。ハーブ系の虫よけは、吸血しないユスリカなどが対象であることが多いため、吸血する蚊(イエカやヒトスジシマカなど)に効果があるか、パッケージで確認しましょう。
また、庭やベランダなどの水たまりをなくすなど、蚊の発生源を減らす環境づくりも大切です。防虫植物の中には、猫の身体に良くないものもあるので注意が必要です。
それでも蚊が室内に入ってくることはあるため、そのときはワンプッシュ式のスプレーや煙の出ない電気式の蚊取り機器も選択肢のひとつです。
最近では「ペット用」と記載された防虫グッズが販売されていますが、必ずしもすべてが猫にとって安全とは限りません。なかにはアロマオイルやハーブ成分が含まれていることがあり、ティーツリーやユーカリなど、猫にとって有害な成分もあります。
「煙の出ない電気式」「使用時に猫が立ち入らない部屋で使えるスプレー式」など、猫の行動パターンに配慮し、成分や使用方法の安全性を確認してから選びましょう。
まとめ

猫がいる部屋での蚊取り線香の使用は、猫にとって重大なリスクを伴うこともあります。飼い主さんが不在時には使用できませんし、猫に触れないようにすることも重要になってきます。
最近は蚊取り線香以外にも、防蚊製品が充実しているため、基本的に蚊取り線香以外での対策も可能になっています。
猫がいる家庭での対策は、「できるだけ家の中に蚊を入れない」、そして「猫の健康に配慮して安全に殺虫」が重要です。防蚊製品と火を使用しないタイプの蚊取り製品を組み合わせて使用することで、より安全に過ごせるはずです。
これらの製品を使う際には、必ずパッケージに書かれた注意事項をよく読み、猫に安全かどうかの確認を行うようにしてください。