季節の花『チューリップ』は猫には危険!飾らないほうがいい理由や起こり得るトラブル

季節の花『チューリップ』は猫には危険!飾らないほうがいい理由や起こり得るトラブル

チューリップは、春に咲く花の代名詞として親しまれています。鮮やかな色合いと可愛らしさから、インテリアとして室内に飾る人も多いでしょう。しかし、猫にとっては危険な花だということをご存知ですか?この記事では、猫とチューリップの危険性を詳しく解説しますので、ぜひお読みください。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

チューリップが猫には危険な理由

チューリップ

猫の健康に害を与える植物の数は、確認されているものだけでも、300種類を超えると言われています。

そのなかでも、特に危険性が高いと言われている植物のひとつが、チューリップです。

「ツリピン」といった有害な成分が含まれており、猫が誤って体内に取り込んだ場合、猫の肝機能では解毒することができません。

葉、茎、球根と、器官を問わず危険ですが、特に球根部分に毒性が多く含まれているため、細心の注意を払いましょう。

具体的な致死量は明らかになっていませんが、わずか1枚の花びらや葉を口にしただけでも、命に関わる可能性があります。

チューリップと同じユリ科のユリやカサブランカなども、同様に危険ですので、飾る前に安全性を確認しましょう。

飾るだけでもNG?起こり得るトラブル

花瓶に入ったチューリップ

チューリップが猫に与える影響は、下痢、めまい、けいれん、急性腎不全など、多岐にわたります。特に注意すべきなのは、食べなくても中毒を引き起こす可能性があることです。

花瓶の水を飲んだり、毛づくろいによって花粉が取り込まれたりすれば、思わぬかたちで猫に害を与えかねません。

実際に起きたトラブルとして、次のような海外の事例があります。

イギリスでのケースでは、危険性を知らずにチューリップを室内に飾ってしまいました。すると、その翌朝には愛猫の体調が急変し、直ちに動物病院に連れていきましたが、すでに手遅れの状態と診断され、突然のお別れを迎えました。

「うちの猫は、いたずらしないから大丈夫!」と思わず、チューリップを持ち込むこと自体やめてください。

万が一猫が口にしてしまったときの対処法

診察を受ける猫

万が一猫がチューリップを口にしてしまったときは、例えわずかな量であっても、絶対に様子見してはいけません。自己判断せず、すぐに猫を動物病院に連れて行き、獣医師さんの処置を受けましょう。

かかりつけの病院が診察時間外などの場合は、必ず他の病院もしくは救急動物病院に駆けつけてください。いざというときに慌てないよう、対応可能な病院を日頃からピックアップしておくことも大切です。

口にした直後であれば「催吐処置」や「胃洗浄」が行われるケースが多いと言われています。

診察時には、発覚したタイミングや猫の現在の様子なども正しく伝えてください。

まとめ

外の緑を眺める猫

チューリップは猫にとって危険な植物であり、花自体を口にしなくても、花瓶の水や花粉を取り込むことによって、中毒になる可能性があります。

猫が中毒となると、下痢やめまい、最悪の場合は急性腎不全などを引き起こして、命を落とすこともあります。やはりチューリップを飾らないことが、猫を守る最善の予防策となるでしょう。

万が一、猫が口にしたことが疑われた際には、ただちに動物病院に受診してください。

また、チューリップ以外にも、有害な植物は300種類以上確認されています。他の植物を飾る際も、猫への安全性を事前に確認することが大切です。

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