猫に起こり得る『予想外の事故』4選 まさかこんな…と油断したときに起こる?

猫に起こり得る『予想外の事故』4選 まさかこんな…と油断したときに起こる?

家の中で猫を自由にさせている家庭は多いでしょう。飼い主さんの油断や思い込み、猫のちょっとした好奇心が引き金となり、思わぬ事故が起こることもあります。家庭内で起きる猫の事故について、どんな状況で起こるのか、そしてそのリスクを最小限に抑えるためにどんな対策ができるのかを見ていきましょう。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.バスタブに転落

バスタブで濡れている猫

浴室は、水の流れる音やモワッとした湿気など、探検好きな猫の好奇心をくすぐる空間です。飼い主さんがお風呂に入っているときに、わざわざ見に来る猫もいるようですが、猫を浴室に入れてしまうのは危険がともないます。

浴槽に猫が飛び乗ろうとして足を滑らせる、遊んでいるうちに転落するなどの事故が考えられます。もし、お湯が貯まった状態で落ちれば溺れる危険がありますし、お湯がない状態であっても、バスタブの中は滑りやすいため、パニックを起こした結果ケガしてしまう危険もあります。

浴室のドアはしっかり閉め、入浴中に遊びに来ても浴室内に入れて遊ぶ習慣を作らせず、入浴後はフタをすることでリスクを減らすことができます。

2.閉じ込め事故

ドアから脱出する猫

猫は狭い場所に入り込むことがあるので、気づかないうちに閉じ込めてしまうことがあります。特に、クローゼットや押し入れ、洗濯機(乾燥機)などもドアを閉めるときには、毎回猫が入っていないか確認することが大切です。

万が一、猫が中に入り込んでじっとしていると、ドアを閉めた際に外からは気づきにくくなります。長時間そのままになってしまうと、脱水症状や排泄問題などの危険が生じる可能性があります。

また、狭い場所でなくても窓を開けていて部屋のドアが風邪で閉じてしまった、家族がそれぞれの部屋を閉める習慣がある場合に、別の家族が閉じ込めてしまったというケースもあります。

特に冷暖房がない部屋に閉じ込めてしまうと、夏には熱中症で命に関わる事態にもなりかねませんし、冬でも地域によっては氷点下になることもあります。ふだんから猫の居場所を把握し、誤って閉じ込めてしまわないよう心がけましょう。

3.狭いところに挟まる

隙間にはさまる猫

まさか!という事故は、本当に意外な場所で起こります。いないと思ったら「冷蔵庫と壁の間にいた」とか「ソファの下などに入り込んで抜け出せなくなっていた」ということがあるのです。特に、身体が小さく好奇心旺盛な子猫は要注意です。

体が挟まってしまった場合、無理に猫を引っ張ってしまうとケガにつながります。頭や手足の可動域を確認しつつ、可能であれば家具の方を動かしましょう。

また、猫は基本的に後ろ向きに歩くことが得意ではありません。狭いところでは、前進して奥へ入り込み、出口までバックできずに立ち往生してしまうことがあります。パニックになると、さらに奥へ入り込んでしまうこともあるので、落ち着かせながら少しずつ後退させます。

事故防止には、あらかじめ家具の配置を見直し、猫が入り込まないよう対策をしておくことが大切です。狭いすき間ができる場所にはクッションや板を挟むなど、安全対策をしておくと良いでしょう。

4.蹴ってしまう

足にぶつかりそうな猫

「愛猫を蹴とばすなんてとんでもない!」と思っていても、足元を素早くすり抜けようとした猫を誤って蹴ってしまうこともあるかもしれません。交通事故のように人と猫の出会いがしらの衝突も存在するもの。飼い主さんが急いでいるときや、考え事をしているときは、猫の存在に気づくのが遅れてしまいがちです。

飼い主さんが止まっていれば、猫が猛ダッシュしていない限り、あまり大きな問題にはなるとは考えられませんが、急ぎ足で歩いていると、軽く当たっただけでも猫には大きな衝撃となります。場合によっては、踏んでしまうことや、転倒の原因になるかもしれません。

猫がいる空間での移動時には、猫の位置を確認する習慣をつけておきましょう。ふだんから猫が足元をチョロチョロしていると、慣れてしまいやすいので注意してください。

まとめ

バスタブのふちに座る猫

家庭内で起こる猫の事故は、どれも一度起こると大きな後悔を招いてしまいます。こうした事故は、飼い主さんのほんの一瞬の油断で起きてしまうもの。

猫が危険なエリアに入れないように行動範囲を制限したり、猫が入りそうな狭い場所はあらかじめふさいだりしておくだけでも安全対策として効果的です。また、日頃から猫の居場所を目視で確認しておくことも事故防止に役立ちます。

実際に、猫は予想外の動きをすることが多いため、我が家では猫が近づいてきた際に必ず一時停止し、次の行動を見守るようにしています。誤って蹴ってしまう事故を防ぐためです。

一度にすべての安全対策をするのは大変なので、まずは愛猫が興味を持つ場所の安全を確かめるところからはじめてみてはいかがでしょうか。猫が安全に過ごせる環境を整えるように心がけましょう。

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