完全室内飼育の猫でも油断大敵!愛猫に『寄生虫予防』が必要な4つのワケ

完全室内飼育の猫でも油断大敵!愛猫に『寄生虫予防』が必要な4つのワケ

完全室内飼いなら寄生虫の心配はないと思っていませんか?その考え方、実は危険かもしれません。というのも猫が外出をしなくても、寄生虫はさまざまな方法で室内に侵入してきます。今回は、完全室内飼いの猫でも寄生虫予防が必要な理由について紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.人間が寄生虫を運んでくる

虫刺されのあとがある子供の足

室内でも寄生虫予防が必要な理由のひとつに、飼い主さんが外出先から寄生虫やその卵を持ち込んでしまう可能性があります。

寄生虫やその卵は小さいため、持ち物や服、靴などにくっついていても気づくことはありません。そのため気づかないうちに室内に寄生虫を持ち込んでしまうことがあるのです。

また通販で購入した段ボール箱や荷物にノミ・ダニなどの寄生虫が紛れ込んでいる可能性も否定できません。段ボール箱で遊ぶのが好きな猫は注意が必要です。できるだけ室内に持ち込まないようにするのが良いでしょう。

2.寄生虫の侵入を完全に阻止するのは無理

体を掻いている猫

寄生虫はとても小さいため、完全に防ぐことは無理です。どんなに注意して、室内を清潔にしていても、窓を開けたり、外出したり、外から荷物を入れたりしているなら寄生虫が侵入する可能性があります。

たとえば蚊が媒介するフィラリアがありますが、どれだけ注意しても蚊の侵入を100%防ぐことは無理でしょう。

ベランダがノミ・ダニの侵入経路になる場合もありますし、高層階でもエレベーターに乗って蚊が高層階にまで運ばれてくることもあります。

3.同居の動物から感染する可能性がある

犬に頭をこすりつける猫

ほかの動物と同居している場合は、同居の動物を介して寄生虫に感染してしまう可能性があります。

たとえば犬と暮らしている場合は、散歩中に体にノミ・ダニなどの寄生虫がくっつき、室内に持ち込んでしまうリスクがあります。さらに持ち込んだ寄生虫が室内で繁殖すると、被害は大きくなるでしょう。

また保護した野良猫を新たにお迎えする際にも、同様のことが考えられます。さらに内部寄生虫がいることに気づかずにお迎えするとうんちを介して感染してしまう可能性も。

外に出る動物が寄生虫予防をしているというのは安心材料にはなりません。全頭確実に予防をしましょう。

4.室内はノミ・ダニが繁殖しやすい環境

暖房器具の上でくつろぐ猫

最近の室内は、年間を通して過ごしやすい気温に保たれていることも少なくありません。とくに猫と暮らしているご家庭なら、気温に気を配っているケースも多いでしょう。猫にとっては、快適で理想的な環境です。

しかしこの環境は、ノミ・ダニにとっても快適な環境なのです。

通常、冬の寒い時期はノミ・ダニは活動性が低下しますが、1年を通して過ごしやすい気温に保たれている室内では季節を問わずに繁殖が可能です。

そのためノミ・ダニが一度室内に入り込むと、年間を通して繁殖の可能性があります。

ノミ・ダニが繁殖しやすい環境は、当然猫にも寄生しやすい環境と言えます。しかも繁殖しやすい室内で寄生されれば、数はあっという間に増えてしまうでしょう。

室内で繁殖したノミ・ダニから猫を守るためにも寄生虫予防は必要なのです。

まとめ

頭を掻いている猫

完全室内飼いの猫であっても、寄生虫予防は必要です。

猫が外出しなくても、同居の人間や動物が寄生虫を持ち込んだり、窓を開けたりすることで室内に侵入されてしまう可能性があるからです。また通販などの荷物を介して持ち込まれる場合もあります。

つまり普通に暮らしていれば、寄生虫を完全に防ぐのは無理だと言えるでしょう。猫を寄生虫から守るためには、寄生虫予防をする以外にはありません。

寄生虫のなかには健康被害を起こしたり、命にかかわったりするものもいます。

このような理由から、完全室内飼いでも寄生虫予防をおこなうことが推奨されるのです。

スポンサーリンク