猫を苦しめる不治の病『口内炎』7つの症状と対処法 どんな猫に起こりやすい?

猫を苦しめる不治の病『口内炎』7つの症状と対処法 どんな猫に起こりやすい?

食事の時などに強い痛みを感じる症状が厄介な『口内炎』。猫にとっては、一度できるとずっと苦しみを与えてくる「不治の病」となることがあるのです。本記事では、猫が口内炎になると現れる7つの症状と発生の原因、飼い主ができる対処法についてまとめました。愛猫の健康的な生活を保つためにも、ぜひ日々の予防を意識しましょう。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫の口内炎の症状

口を開ける猫

猫の口内炎の症状には、このようなものがあります。

  • 口内の出血
  • ねばねばした唾液の増加
  • よだれによる悪臭
  • 食欲低下
  • 脱水
  • 毛づくろい不足
  • 痛みによる奇声

口内炎になると舌や唇の内側などの粘膜に腫れや炎症が起きます。重症の場合は食事や飲水する時に強い痛みを感じて満足に栄養が摂れなくなり、だんだん衰弱していってしまう恐ろしい病気です。

なお人間の口内炎とは違い、白い部分のある潰瘍のような見た目ではなく、炎症を起こしている部分が赤くなります。人間のものと似たような口内炎ができている場合は別の病気の可能性もあるので、原因特定のため速やかに動物病院を受診してください。

もしかして口内炎?見分けるサイン

毛づくろいする猫

猫の口内に口内炎ができている時、強い痛みや違和感から以下のサインを見せることがあります。

  • 口周りを気にする
  • 口をくちゃくちゃする
  • 食事を摂りたがらなくなる
  • 元気がなくなる
  • 寝ている時間が増える
  • 前足が汚れてくる

これらのサインは、似たような症状が現れる歯肉炎や歯周病でも見られます。見分けがつきにくい上、猫は痛みや不調を隠しがち。早期発見のためにも、愛猫に何らかの異変がある場合は獣医師に診察をしてもらいましょう。

口内炎の原因、起こりやすい猫はいる?

口を開けられる猫

猫の口内炎の原因や詳しいメカニズムは明確にはなっていないものの、口腔内の衛生状態の悪化、病気や疾患(ウイルスや細菌による感染症、腎臓病、糖尿病)、アレルギー、栄養不足、外傷などがきっかけで発生すると言われています。

口内炎は特定の猫がなりやすいというものではなく、どんな猫にもできる可能性があるので注意が必要です。

一度口内炎ができると、治療をしなければ自然に治ることは難しく、症状が慢性的に続きます。

治療時は歯石除去や投薬、外科手術による抜歯といった方法が取られる場合があり、口内炎の状態によっては麻酔を使用したりするなど、治療にあたって愛猫の負担が大きくなってしまうのです。

そのため、口内炎をできるだけ防げるように日々予防をすることが大切ですよ。

口内炎を予防するための対処法

歯磨きする猫

猫の口内炎は原因が明確でないことから、決定的な予防法はありませんが、飼い主ができる対処法としては以下の方法が挙げられます。

  • 定期的な歯磨き
  • 病院での健康診断
  • フードの見直し
  • ワクチン接種
  • 生活環境を整える(外傷防止)

普段の生活ではデンタルケアができるフードやおやつを取り入れてみたり、毎日もしくは週数回の歯磨きをしたりするなど、歯垢を溜めないように心がけましょう。

また混合ワクチンの接種も含め、定期的に愛猫の口の中を獣医師にチェックしてもらうことも大切です。口内炎を未然に防いだり早期発見できる可能性が高まります。

まとめ

ぐったりした猫

猫の口内炎は一度できるとほとんど自然には治らないこともあり、人間のものよりも厄介です。強い痛みから満足に食事が摂れず栄養不足で衰弱していく上、毛づくろいが思うようにできずストレスまで抱えてしまいます。

猫が口周りを気にする・毛づくろいが少なくなるなどのサインを見逃さず、口内炎を発見して適切な治療ができれば、改善が見込めたり痛みを緩和できたりと健康的な生活を取り戻していくでしょう。

猫にできる口内炎は原因が明確ではないため、日々のデンタルケアや定期的なワクチン接種をするなど、できることをコツコツ続けていきましょう。

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