猫の耳が熱くなる5つの主な原因
猫の耳が熱くなる原因には、外からの影響と身体の内側からの影響があります。たいていは一時的なものですぐにもとに戻りますが、なかには根本的な原因を治さないといけないものもあります。
対処方法も違いますので、まずは原因について見ていきましょう。
1.外部環境
外部の環境によって耳が熱くなることがあります。室温や直射日光などは、体温調節に影響を与える要因です。
冬場に寒いからといって、ヒーターのすぐ近くやこたつの中で長時間寝ていると、熱中症になるリスクがあります。十分に注意してあげてください。
2.運動後や興奮
運動や興奮したあとは、血流が良くなるので耳を触ると熱く感じるかも知れません。このとき体温が上昇しているので、身体全体があたたかくなっているはずです。
走り回った直後や何かに興奮した際に、耳が熱くなるのはごく自然な反応です。口呼吸などになっていなければ、あまり心配はいりません。
3.睡眠の前後
身体がリラックスして眠たくなると、血管が拡張して血流が増えます。そのため、耳だけでなく肉球も温かく感じられるでしょう。
この現象は猫だけでなく、人間やほかの動物にも見られる反応なので、特に心配はいりません。猫は耳が薄く、血管が表面近くに集中しているため、耳の温度を感じやすくなっているのです。
4.耳ダニ
ミミヒゼンダニ、通称「耳ダニ」の寄生が原因となることもあります。耳ダニは、耳の奥の方に寄生して炎症とかゆみを引き起こすため、この炎症が原因で、耳が熱くなってしまうのです。
耳ダニが寄生している場合、黒っぽい耳垢が出て、かゆさから耳を掻いたり頭を振ったりすることが多くなります。そのまま放っておくと感染が広がることがあるので、様子見をせずにすぐに動物病院に連れていきましょう。
5.病気による発熱
細菌やウイルス、寄生虫による感染症や内臓疾患などが引き金となって、熱が出ることがあります。耳がかなり熱いときには要注意です。
病気による発熱は、猫の体が病原体と戦うために、温度を上げてやっつけようと頑張っている結果です。
要注意!耳の熱さから病気を見分けるポイント
猫の耳が熱いときに、病気によるものか心配ないものかを判断するには、いくつかの観察ポイントがあります。
まずは、猫の様子を観察してください。
- 鼻水やくしゃみ
- 食欲の有無
- 排泄の状態
- ぐったりしていないか
- 嘔吐や下痢(軟便)の有無
- 呼吸の異常
このように耳が熱いこと以外の症状がある場合は、病気の恐れがあります。
もし可能であれば、体温計で測定すると安心です。猫の平熱は38.0〜39.0℃くらいです。もし、39.5℃以上であれば発熱の可能性がありますので、すみやかに動物病院で調べてもらってください。
一方で、耳が熱い以外に何の異変もなく、ごはんもしっかり食べておもちゃなどで遊べるようなら、しばらくしてもう一度耳を触ってみましょう。おそらくその頃には、熱さが落ち着いているはずです。
猫の耳の状態を知っておこう
猫の耳が熱いことで驚かないように、日常的に耳を触って熱さの変化と猫の状態を観察しておくことをおすすめします。猫の耳は体温の変化があらわれやすいので、普段の状態を知っておけば、熱いと感じたときに、それが発熱などの異常かどうか判断しやすくなります。
ただし、触って調べるときは飼い主さんの手の温度にも影響されるので注意が必要です。本来、猫の体温はペット用体温計を肛門に入れて測定しますが、この方法には抵抗がある飼い主さんも多いと思いますが絶対無理に実施しないようにしてください。
そのときは、非接触型の体温計を活用する選択もあります。耳の中や内股の表面温度を計測することで平熱を簡単に知ることができます。表示される数値は実際の体温よりも低い数値ですが、いつもより高ければ発熱を疑う手掛かりになるでしょう。
まとめ
猫の耳が熱いなと思っても、環境の影響や眠たいときの熱さはあまり心配いりません。ただし、病気などによる発熱は早急な対応が求められます。
その見極めかたは、耳の熱さ+ほかの症状です。眠っていると元気がなさそうに見える場合もあるので、食欲や排泄の状況を確認してください。また、できればきちんと体温を測ってみるといいかもしれません。日頃から平熱を知っておくことも大切です。
またどうしていいかわからないときには、動物病院を受診することが一番です。猫を病院に連れて行くときは緊張しますが、愛猫の健康を守るためにも必要なことですので冷静に対応しましょう。