猫の『転嫁行動』とは?トラブルを防ぐ対策3つ

猫の『転嫁行動』とは?トラブルを防ぐ対策3つ

イライラした結果、思わず八つ当たりをしてしまうのは人間だけではありません。猫の場合はなぜ「転嫁行動」を起こすのでしょうか?その理由と予防策についてご紹介いたします。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

転嫁行動とは?

猫の八つ当たり

「転嫁行動」とは、簡単に言うと八つ当たりのことです。少々意外なイメージがあるかもしれませんが、猫も八つ当たりをすることがあります。

その対象相手は、同居する猫や他の動物、更には人間に及ぶこともあります。「つい当たってしまうなんて可愛い」と思うかもしれませんが、猫の転嫁行動は結構怖いのです。

猫の転嫁行動を甘く見てはいけない!?

睨む猫

人間もやり場のないイライラを、その原因とは無関係の人に向けてしまうことがありますが、せいぜい悪態をつく程度でしょう。

一方、猫の八つ当たり(転嫁行動)は、直接攻撃を仕掛けてきます。虫の居所が悪いところに偶然居合わせてしまうと、噛まれる・引っ掻かれるなどの被害を被ることになります。

人間が被害に遭えば、負傷からの感染症の危険がありますし、同居動物の場合はストレスが心配になります。たかが八つ当たりと甘く考えずに、原因を見極めたうえでしっかりと対策する必要があります。

そもそも、なぜ八つ当たりするのか?

疑問に思う猫

猫が転嫁行動を起こす主な原因を、いくつか挙げてみたいと思います。

  • 突発的な大きな音に驚いた(くしゃみや咳など)
  • お気に入りの寝床を他の猫に取られた
  • 急な環境の変化に落ち着かないなど

転嫁行動の背景には、ストレスや心の葛藤があります。イライラやモヤモヤした気分を、誰かに当たることで憂さ晴らしをしているのです。

転嫁行動によるトラブルを防ぐには?

抱きしめられる猫

転嫁行動が頻繁に起こるようであれば、日常的にストレスを感じている可能性があります。八つ当たりするほうも辛いですが、当たられるほうも疲れてしまいます。

ここでは、転嫁行動がトラブルに発展することを防ぐ対処法を3つご紹介いたします。

1.ストレスを発散させる

遊ぶ猫

爪とぎや高い場所からの観察、夢中になって遊ぶ(狩りの真似事をする)など猫らしい生活が送れるようにしましょう。日頃から、適度にストレスを発散させることが大切です。

2.環境の変化があれば気にかける

猫の嫉妬

引越しや結婚、出産など飼い主さん側の変化が愛猫にとって不安の種になることがあります。「自分以外の誰かに目が向いている」ことが思わぬ葛藤に繋がるのです。

たとえ普段はツンとした態度をとっていても、心は常に自分に向けてほしいという思いがあります。何か思い当たる出来事があれば、これまで以上に声をかけてあげてください。

3.多頭飼育では縄張りを重視する

集まる猫

多頭飼育で重要なのは「縄張り」です。お互いの縄張りが侵されないように、それぞれが安心できる空間を作ってあげましょう。

まとめ

鼻を触る猫

猫は、物静かでクールな印象を受ける動物です。でも、その心には葛藤を抱えていたり、密かにストレスを感じていることがあります。

八つ当たり的な行動が頻繁に起こらないように、愛猫の性格や行動パターンなどをよく理解してあげましょう。

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