1.運動不足
有り余る体力を発散しているのかも
最近では完全室内飼いが基本となっていますので、猫の運動不足が起こりやすくなっています。
限られた空間の中で暮らすことで清潔さや安全性を維持することができる一方、外の世界で受けるような刺激が少なく寝てばかりになってしまいがちな点に注意が必要です。
遊びや運動が不足し退屈な時間が多いと、その有り余る体力と退屈から来るストレスを発散するべく、突然全力で走り回ったり飼い主さんに乱暴な方法でじゃれついてしまうことがあります。
充分に遊んで体力を発散させてあげる
1日の中でしっかりと愛猫と遊ぶ時間を設けてあげましょう。
猫は短い時間で全力になる遊び方が好きなので、遊びの時間は多くの場合15分程度で大丈夫でしょう。猫本来の狩りを模した遊びで猫の本能をくすぐってあげると、遊びに乗ってもらいやすいです。
夜の大運動会を控えてほしい場合には、飼い主さんが寝るまでの時間にしっかり遊んで疲れさせてあげれば、夜は静かに眠ってくれやすいでしょう。
2.ストレスの発散
ストレス発散として暴れる場合
運動不足と退屈によるストレス以外にも、慢性的にストレスを感じ続ける生活をしていると、攻撃的な態度を起こしやすくなる可能性があります。ストレスによってピリピリモードになりやすいため、関係のない第三者への八つ当たりや急激な興奮を見せることもあります。
ストレスの原因を探って解決してあげる
- ごはん、トイレ、飲み水などの環境
- 爪とぎや上下運動が満足にできているか
- ひとりでくつろげる場所があるか
- 引っ越しや家族の増減などの環境の変化
- 同居猫、猫以外の同居動物との関係
- 外猫が気になっている
など、猫の生活環境の中でストレスになっていることがないかを確認してみましょう。
3.楽しくなりすぎてしまった
狩猟本能がくすぐられた場合
遊びが楽しくて夢中になるあまりに、つい本気の力を出してしまうことがあります。
おもちゃではなく飼い主さんの手足に攻撃をしてしまったり、思いっきり走り込んでコップを倒してしまったり、同居猫との追いかけっこやじゃれ合いに全力になってしまうことも。
クールダウンを取り入れてみる
猫が遊びに全力になることは悪いことではありません。しかし興奮しすぎて攻撃的な態度をとると、飼い主さんや同居猫を傷付けてしまう恐れがあります。
興奮しやすい子と遊ぶ際には、興奮しすぎる前に遊びをいったん中断してクールダウンさせましょう。猫が少し冷静さを取り戻したと感じたら、遊びを再開しても大丈夫です。
4.排泄の前後の興奮
「トイレハイ」、「トイレが不快」
排泄の前後に突然走り回ったり、大きな声で鳴く猫はよくいます。
この排泄前後の興奮状態は「トイレハイ」と呼ばれ、「排泄中は最も無防備になり気を張るので、その緊張を発散するため」「排泄が済むと交感神経が刺激されるため」などとも言われています。しかし、ウンチでもオシッコでも、猫がトイレの後に暴れる場合、特に排泄物を隠す行動をきちんとせずにトイレから出てきて暴れる場合には、「トイレが不快」である可能性をまず考えましょう。排泄の後は砂で排泄物を隠し、静かにその場を立ち去ることが猫の正常な排泄行動だと考えられるからです。
猫にとって快適なトイレには、トイレの大きさや猫砂の種類と量(砂が敷かれている深さ)、清潔さ、トイレに屋根がないかなどが関係しています。猫の体長の1.5倍がトイレの最低限の大きさです。中には衣装ケースほどの大きさがないと気に入らない猫もいます。猫砂は基本的には細かい粒のものが好まれると言われますが、猫による好みもあります。どのくらいの量の砂を敷くかにも猫の好みがありますが、基本的には最低3cm敷くのが良いと言われています。排泄物と汚れた砂を取り除くだけでは、猫のトイレの掃除としては不十分です。定期的に砂を全て廃棄して洗剤を使ってトイレを洗いましょう。ただし、洗剤の残り香を嫌がる猫はたくさんいますので、香りの強い洗剤は使いません(特に柑橘系)。また、出来る範囲で(猫の数+1)個のトイレを置いてあげましょう。猫は本来、開けた場所をトイレに選びますので、屋根のあるトイレを嫌がる猫もいます。
5.パニックを起こした
猫は急激に興奮しやすい
動物は自分の身は自分で守るしかありません。猫はもともと単独行動をする動物ですので、どんな子でもある程度、危険には敏感です。恐怖を感じたり予想外の事態に陥ると、一瞬にして全力で逃げたり攻撃行動をすることがあります。
危険に非常に敏感で神経質な子の場合は、恐怖でパニック状態になって急激に暴れてしまうことも。
危険や嫌なことを取り除き、落ち着かせる
「来客にしつこくかまわれた」「遊んでいたビニール袋の取っ手に首が引っかかった」「大きな音にびっくりした」など、猫がパニックを起こす可能性のある場面はいろいろあります。
まずは猫ちゃんが嫌だと感じていることや恐怖の原因を取り除いてあげ、距離をとってそっとしておいてあげましょう。なかなか落ち着かない場合には、バスタオルなどを猫ちゃんに被せてあげるのも良いでしょう。
また、猫が急に暴れる(攻撃する)場合には、病気やけがで痛みがある場合、てんかんや脳の異常などによって発作が起こった場合などもあります。また、まだ詳細は不明ではありますが「突発性攻撃症候群」が猫でもあると言われています。あまりにも攻撃的な興奮を見せる場合には獣医師に相談してみましょう。
まとめ
愛猫がいきなり全力ダッシュを始めたり、大きな声で鳴き続けたりするとびっくりしますよね。突然始まって突然静かになることも多いので、飼い主さんとしては何が起こったのか、愛猫に具合の悪いところはないのかと気になるのではないでしょうか。
突然暴れ始め、攻撃の対象が飼い主さんになる場合も多くあるようです。
ストレスや運動不足、遊び、恐怖、病気など、様々なものが原因になっている可能性として考えられるため、猫の生活環境や猫への接し方を見直し、体の異常が疑われる場合には動物病院を受診しましょう。