ロシアンブルーの飼い方について

ロシアンブルーの飼い方について

「ボイスレスキャット」と呼ばれるロシアンブルーはとても静かで大人しい猫と言われています。しかし、それと同時に「とても凶暴な猫」だという意見も耳にします。果たしてどちらが本当なのでしょう?その答えはロシアンブルーの飼い方が鍵なのです。今回はそんなロシアンブルーの飼い方について詳しく解説します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

ロシアンブルーの飼い方

眠る2匹のロシアンブルー

ロシアンブルーは「ボイスレスキャット」と呼ばれとても大人しく静かな猫の為、猫を初めて飼う方にもお勧めの猫だと言われています。しかしその一方、神経質なところがあったり、慣れない人には心を開かない、心を開くまでは時間がかかるがいったん信頼関係を築くととても愛情深いペットとなるなど、性質に合った正しい飼い方をしてあげないとストレスがたまりやすい猫かもしれません。正しい飼い方、ロシアンブルーに多い性格を知りロシアンブルーにストレスを与えないようにしましょう。

静かな環境を用意する

ロシアンブルーは典型的には大人しく神経質、慎重な性格のようです。いきなり大声を出されたり大きな音がなることをとてもうかもしれません。信頼関係を築いた家族であれば子供ともうまくやっていけるそうですが、予期しない行動や猫の嫌がることをしてしまうくらい小さなお子さまがいる家庭には、あまり適さないかもしれません。

プライドが高く甘えんぼう

ロシアンブルーは元々ロシアの貴族が好んで飼育をしていたためか、とてもプライドが高く警戒心も強い猫が多いようです。その為、飼い始めた当初は全然なつかないとお悩みの方も多いそうです。しかしひと度心を許した相手にはとことん甘えます。その為、飼い主さんがいないと寂しくなりストレスを溜めてしまうことがあるようです。ツンデレな猫ちゃんなので、信頼関係が築けて心をすっかり許してくれるまではロシアンブルー本人のタイミングとスペースを尊重し、信頼関係が築けて密なコミュニケーションを求めてくるようになったらしっかりと甘えさせてあげてください。ボイスレスキャットと言われるものの、心を許した相手には声でコミュケーションをとろうとすることもよくあるそうです。

暑さに弱い

ロシアのような寒い地域出身のため毛が密に生えていて、基本的に寒さには強いですが暑さには弱く、夏は他の猫よりも注意が必要かもしれません。その為夏場はクーラーを27~28度設定でかけておくとよいでしょう。ですが猫自体、エジプトのような場所が原産国なので寒さに比較的強いと言っても、すごく強い訳ではありません。冬場はある程度の寒さ対策はしておいて下さい。

換毛期のブラッシング

ロシアンブルーは抜け毛が少ないので特に小まめなブラッシングは必要ないようです。普段は週に1,2回コームでとかすだけで十分かもしれません。ただ換毛期には、ブラッシングを小まめにしてあげてください。抜け毛を取り除くにはラバーブラシが向いていると思います。ブラッシングをすることにより抜け毛が取り除かれるだけではなく、皮脂も全体に行き渡り、ロシアンブルーの特徴である毛の美しい光沢が一層輝きます。ただしラバーブラシは、おもしろいように抜け毛が取れるからと言ってやり過ぎてしまうと、まだ生えている毛を抜いてしまうことになるので、やり過ぎないようにしてください。

食事

ロシアンブルーは遊び好きで活発に動く猫種ですが、やはり食事には気を付けないと肥満になります。スレンダーな体型を維持しないと糖尿病等の病気になりやすくなったり、関節に負担をかけたりすることになり、心身ともにストレスとなります。しっかりと適切な量の食事を与えるようにしてください。

病気

  • 肥満
  • 糖尿病
  • 尿結石

食事の項目でもあげましたがロシアンブルーでももっとも気を付けないといけないことの一つに肥満があります。特に人間の食べ物を与える方、カロリー過多から肥満になりやすくなります。十分に注意して下さい。

ロシアンブルーも飼い方を誤れば凶暴化する

黒い背景のロシアンブルー

ロシアンブルーを含め、猫が凶暴化するのはちゃんとした理由があります。

  • 環境変化のストレス
  • 飼い主が構ってくれないことによるストレス
  • トイレや生活空間が汚れていることへのストレス
  • トラウマによるもの
  • 不安からのストレス

数年前に、とても大人しく物静かだったロシアンブルーが誤って尻尾を踏まれたことをきっかけに凶暴化し、飼い主でも手がつけられなくなり警察騒ぎになったという外国のニュースを見たことがあります。このニュースだけ見ればロシアンブルーは凶暴で怖い猫だ!と思われるかもしれませんが、これは稀な例だと思います。

実際にこのロシアンブルーは数時間、静かな部屋で過ごさせて様子を見ていると元通りの大人しいロシアンブルーに戻ったそうです。このようにロシアンブルーは凶暴化すると言っても理由もなく怒るわけではなく、元々は穏やかで静かな猫なので正しい飼い方をしてストレスを溜めさせないように注意しましょう。

【猫が攻撃的になる原因についての補足】

ロシアンブルーに限らず、猫が人間に対して攻撃的になることがある場合には一般的に次のような原因が考えられます。

  • 遊びが激しくなり過ぎている
  • 狩猟行動としての攻撃
  • 転嫁行動としての攻撃(攻撃のきっかけになった物は別にあるのに、近くの物や人に攻撃してしまう)
  • 恐怖による攻撃
  • 縄張りを守るための攻撃
  • 母性による攻撃
  • 猫が嫌がっているのに触ったりなでたりし続けた結果
  • 痛みや不快感、てんかんなどの脳の病気や甲状腺機能低下症などの病気による攻撃
  • 痛みや不快感による攻撃は、どんな病気やけがも原因になり得ますが、猫で多く見られる口内炎や尿路系疾患がある場合にもよく起こります。アビシニアンやソマリ、ロシアンブルー、サイアミーズ、チンチラなどが攻撃的になる猫が多く、メインクーンやラグドール、スコティッシュフォールドなどでは攻撃的になる猫が少ないとも言われていますが、そのような傾向はあるとしてもやはり猫それぞれの個体差が大きいでしょう。どんな猫種のどんな攻撃についても、社会化がどの程度なされているかが大きく関係していると考えられます。

    ロシアンブルーの飼い方以外の基本情報

    ニットとロシアンブルー

    最後にロシアンブルーの基本情報をご紹介します。

    毛色

    ロシアンブルーの毛色はその名の通りブルーのみでそれ以外の色は認められていません。ブルーとはいわゆる灰色で、青みがかっています。ロシアンブルーの毛はシルバーのティッピングがある特徴的な被毛です。ティッピングとは毛先に違う色がのることで、ロシアンブルーの場合は毛先の色がシルバーになっているということです。このお陰でロシアンブルーは同じブルーでも色に個体差が微妙にあったり、光の当たり方で見え方が違います。

    目の色

    グリーンのみが認められていますが、子猫のときはブルーでこの子猫時代の青い目のことを「キトンブルー」といいます。キトンブルーはどの猫種でも見られますが、ロシアンブルーではその後黄色を経てグリーンへと変わっていきます。

    大きさ

    男の子で4.5kgほど、女の子で3.5kgほどの体重と言われています。平均的な猫の大きさですね。

    特徴

    「コブラヘッド」とも呼ばれるくさび形の頭をしています。また他の猫より少し口角があがって笑っているような表情に見えることから「ロシアンスマイル」と呼ばれ親しまれています。

    まとめ

    布団で眠るロシアンブルー

    今回はロシアンブルーの飼い方についてご紹介しました。ロシアンブルーは大人しく、信頼できると認めた相手にはとても献身的で愛情深く、従順な猫なので愛猫家の中でもファンの多い猫種です。正しいロシアンブルーの飼い方でとっても魅力的なロシアンブルーと生活してみてはいかがでしょう。

    投稿者

    40代 女性 ここ

    ロシアンブルーは、実家でこの前まで飼っていました。
    肥満ぎみだったのですが、体は丈夫でした。
    大きな病気にはならずに最期まで暮らしました。多頭飼いには、慣れなくて最初は下の猫ちゃんとは別に飼っていました。ですが、2年を過ぎた頃から他の猫ちゃんにも興味を持つようになり、仲良くし始めました。それからは、多頭飼いの長男としてしっかり、下の猫ちゃんの躾も手伝ってくれました。今でも偉大だったなと、思い出します。

    投稿者

    40代 女性 いずみ

    ロシアンブルーは、肥満になりやすいようです。
    私が飼っていたロシアンブルーは、運動が大好きでしたので、手作りのおもちゃで、よく遊びました。猫じゃらしで飽きたらずマタタビを少しつけて遊ばせると喜びました。
    ただ、肥満ぎみだったので糖尿病になりかけてドキドキした時期がありました。
    その時期から、焼いた魚も食べさせるようになりニンジンや小松菜を茹でて刻んで与えたりし始めました。そうすると、糖尿病の疑いもなくなり健康になりました。食生活は大切ですね。

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