猫がおしっこを布団や部屋でする原因
オスがなわばりを主張するための「スプレー行為」
猫が所かまわずおしっこをしてしまうのは、スプレー行為が原因のひとつとして考えられます。スプレー行為とは、オス猫のマーキング行為の一環です。
新入り猫が来たときなどの不安感があるときや、生活環境に不満があるときに、自分の縄張りであることを主張するためにスプレー行為をして自分の匂いをつけます。発情中のメス猫を引き付けるために行う場合もあり、いつものおしっこよりも濃い尿をかけることが特徴です。
メスが自分の存在をアピールするための「スプレー行為」
猫のスプレー行為は、オス猫だけでなくメス猫がすることもあります。メス猫の場合、1番古株の猫が新入り猫がに向けて、自分の存在をアピールするためにスプレー行為をします。また、スプレー行為は去勢をしていないオス猫が行うのが一般的ですが、中には去勢済みのオス猫もすることがあります。
去勢済みのオス猫でも、去勢手術を受ける時期によってはスプレー行為が身についてしまっているため、おしっこをかけてしまうようです。ですが、回数は徐々に減ってくるので、それほど悩まなくてもいいでしょう。
布団をトイレと勘違いしている
猫が布団の上で粗相してしまうのは、布団をトイレと勘違いしていることが原因です。布団を踏んだときの感触が、トイレに似ていることからトイレと間違えておしっこをしてしまいます。
一度おしっこをしてしまうと臭いがついてしまうので、何度も繰り返してしまうのです。布団は厚みがあり、洗濯もしづらく臭いも取りづらいので、早めの対策が必要です。
トイレが汚い
トイレが汚いことも、猫がトイレ以外の場所でおしっこをしてしまう原因になります。猫は本来きれい好きな動物なので、トイレが汚れていると嫌がって他の場所でしてしまいます。一度トイレ以外の場所でおしっこをすると臭いがついてしまうので、毎回間違った場所にするようになってしまうのです。
忙しい生活を送る飼い主さんや、多頭飼いしている飼い主さんにとって、トイレ掃除はとても手間になり、つい後回しになりがちです。ですが、猫が粗相をした後の処理にかかる時間や手間はさらにストレスになるので、トイレはきれいに保つようにしましょう。
トイレに間に合わない
トイレにたどり着く前におしっこをしてしまう尿失禁が粗相の原因の場合があります。子宮疾患などの理由で避妊手術を受けた高齢の猫に多い傾向です。
手術により膣の長さが変化してしまうことや、ホルモンバランスの変化が引き金となって粗相につながってしまいます。何度も繰り返してしまう場合は、早めに動物病院で診察してもらいましょう。
下部尿路疾患(F.L.U.T.D.)
猫がある日突然、粗相するようになったら注意が必要です。下部尿路疾患(F.L.U.T.D.)が粗相の理由かもしれません。
下部尿路疾患とは特発性膀胱炎、尿結石、血尿、排尿・尿道閉塞などの症状の総称です。この場合は、すぐに獣医師の診察が必要になります。特にオス猫の場合は尿路が細く、詰まりやすくなっていて、おしっこができないと2、3日で命に係わる危険な状態に陥ることもあります。
猫が急に粗相したときは体調をよく観察し、早めに動物病院で診察してもらいましょう。
猫がおしっこを布団や部屋でするときのしつけ方と対策
猫のトイレのしつけは、犬に比べて簡単にしつけることができると言われています。猫は本能的に「砂=トイレ」と認識しているので、一度成功すれば臭いもつき大抵はおぼえてくれます。
猫がトイレ以外の場所でおしっこをしてしまう場合、猫にトイレの場所を教えるよりも、飼い主さんが猫のトイレを一度見直すことで猫は正しくトイレでおしっこをするようになります。
猫が安心できる環境を整える
猫が過ごしやすい環境を整えることで、スプレー行為を軽減することができる場合もあります。まずは猫が何にストレスを感じているのかを考えて、その原因を取り除き、安心して過ごせるように対策をとることが、スプレー行為をやめさせるきっかけになるかもしれません。
また、トイレの位置を目立たない場所へ移すのもよいでしょう。人が集まる食卓や人目につく場所、人通りの多い場所は避けて、猫が落ち着いておしっこができる空間づくりを心がけましょう。
どうしてもスプレー行為をやめないオス猫に関しては、獣医師に相談して去勢することもひとつの手段です。去勢手術は賛否両論あるので、しっかりと考えましょう。
トイレを清潔に保つ
猫はトイレが汚れていると、そのトイレでおしっこをすることを嫌がります。猫のトイレ掃除は可能なら排泄後すぐにしてあげられれば一番よいですが、そうもできない飼い主さんも多いはずです。少なくとも1日1回はトイレ掃除をしてあげましょう。
排泄物をそのまま放置しておくと、菌の繁殖や部屋全体の臭いの原因にもなります。トイレの数は飼っている猫の数+1個が理想と言われています。特に多頭飼いしている場合はトイレが汚れやすいので、トイレの数を多めに用意しておくと良いでしょう。
トイレの猫砂を変える
猫はトイレの猫砂が気に入らないと、トイレ以外の場所におしっこをしてしまいます。猫砂は各メーカーからたくさんの種類が販売されているので、飼っている猫が好む商品を見つけてあげましょう。
いつくか別の種類の猫砂を購入して、定期的に使い分け、様子を見ます。期間で使い分けるのもよいですし、複数トイレがある場合は別の猫砂を入れてみて、猫がどちらで多く排泄をするか様子を見るのもよいでしょう。
猫がおしっこした場所の消臭方法
洗濯できる場合
マットやカーテン、洋服などに粗相してしまった場合、まずはおしっこを拭き取ることから始めましょう。この時、こすらずに押さえるように拭き取ると、汚れる範囲も少なくて済みます。次に汚れた部分を水道水で予洗いします。
予洗いが済んだら、ぬるま湯に酸素系漂白剤(3Lに対して大さじ2杯程度)を溶かし、30分程漬け込みましょう。最後に洗濯機で通常通り洗濯をします。気になる場合は汚れたカ所に洗剤を塗り込むとより効果的です。
洗濯後にしっかり臭いがとれていないと、猫が再び粗相を繰り返す原因になります。乾いたらしっかり臭いが取れているか確認しましょう。
洗濯できない場合
カーペットや床、家具などの洗濯できない場合もしっかりと消臭対策をとらなければなりません。まずはおしっこの水分を拭き取りましょう。こすらずに押さえるように拭き取り、汚れの範囲を最小限にします。
猫のおしっこはアルカリ性なので、酸性のものと中和させることで臭いが取れます。酢を薄めたものや、ミョウバン水、クエン酸水などを汚れた部分に吹きかけて、乾いたぞうきんで拭き取ります。最後にドライヤーでしっかりと乾かせば臭いをとることができます。
必要に応じて消臭スプレーなどを使うのもよいでしょう。どうしても臭いが取れない場合は、熱湯をかける方法もおすすめです。熱湯は尿のアンモニア臭を分解させる働きがあるため、消臭効果を高めることができます。素材によっては熱湯をかけられないものもあるので、注意してください。
猫のおしっこの臭い対策に使えるグッズ
Peletty ペット除菌・消臭剤
プロ用の消臭グッズとして動物病院でも導入事例がある消臭スプレーです。ソファやベッドなど、洗濯が難しいものについたおしっこの臭いもスプレーするだけで簡単に臭いを消すことができ、さらに細菌やウイルスも99.9%除菌または不活性化させることもできます。
高い消臭・除菌効果がありながらも、猫や飼い主さんにとって有害となる成分は一切使われていないので、安心して使用することができます。
ジョイペット おしっこ汚れ専用おそうじシート
猫のおしっこ汚れや臭いをしっかり拭き取ることができるお掃除シートです。シートは大判サイズで肉厚なので1枚でもしっかりと掃除ができますし、拭くだけで臭いがよく取れると、口コミでも人気の商品です。
猫が粗相したとき、トイレの掃除の仕上げに、サッと取り出せて手軽に掃除することができます。気づいたときにすぐに掃除をしたいという飼い主さんにおすすめの商品です。
Alice’s Dog & Cat アリス消臭除菌スプレー
アリス消臭除菌スプレーは、ミストタイプの消臭スプレーです。日本独自の新型光触媒技術で臭いの元を分解除去するので、スプレーした瞬間に消臭できます。
猫のおしっこの臭いはもちろん、ペット臭が気になるところに気軽にスプレーできるため使い勝手がよく、おすすめの商品です。ノロウイルスやO-157を除菌する効果があり、感染症が気になる季節には特に準備しておきたい商品です。
商品情報
・臭いを無臭・除菌してくれるスプレー
消臭元ペット用
据え置きタイプの芳香剤です。芳香で臭いをごまかすだけでなく、しっかりとペット臭を取り除いてくれます。グリーンティーの香りがとてもさわやかです。
据え置きタイプなので猫のおしっこの臭いが気になるトイレ周りやケージ内など、特に臭いが気になるところに置いておくだけで消臭できますが、猫が芳香剤を倒さないように工夫しましょう。香りの持続期間は1.5カ月~3カ月程で、ろ紙の引き上げ具合により調整できます。
まとめ
猫が粗相してしまうのはさまざまな理由があることがわかりました。猫が粗相した場合、おしっこの臭いをしっかりと取りきらないと、その場所をトイレと勘違いして何度も同じ場所での粗相をしてしまいます。
スプレー行為や病気が原因ではない場合、トイレの場所や、数、猫砂などを見直すことで、トイレでおしっこができるようしつけることができます。猫にとって気持ちよく排泄ができる環境を整えてあげましょう。