猫がうんちだけ粗相をする理由
通常外で生活する猫は室内飼いの猫のように決まった場所でうんちやおしっこなどの排泄行為は行いません。春夏秋冬の別や天気などの環境や体調などによってうんちやおしっこをするタイミングが違ってきます。そして他の猫と排泄場所を共有することもまれです。
この猫の本来の動物的な性格から考えますと「決まった排泄場所=トイレ」でするのが当たり前で粗相と飼い主が思う事自体不自然なのです。
怪我や病的要因
猫がおしっこもしくはうんちだけを粗相する原因で一番困るのは病気が原因でしょう。泌尿器系、消化器系、内分泌系など内臓の疾患によって猫がおしっこだけもしくはうんちだけを粗相する場合があります。
尻尾や肛門周りに怪我がある場合もうんちだけを粗相してしまう事があります。今までトイレ以外でおしっこやうんちの排泄行為の粗相が無い猫が続けて粗相する場合は病院を受診する事をおすすめいたします。
トイレが気に入らない
- トイレが汚い
- トイレの形状が気に食わない
- トイレの砂が気に入らない
猫は綺麗好きですからトイレ自体が気に入らないと抗議のためにわざとトイレ以外の場所でうんちだけを粗相する事があります。
勿論おしっこをわざと失敗し不満を訴える事もあります。留守が多く猫のトイレがいつも汚れているかどうかチェックしてみてください。トイレの形状や猫砂の形や色、匂い、材質などを気に入らずにうんちだけを粗相する好みのはっきりしている猫もいます。
そしてトイレが人通りが多く落ち着けない場所に設置されていてもトイレを気に入ってくれません。同じ屋根の下に暮らしていても多頭飼いで仲のよくない猫同士は同じトイレは使えません。
うんちだけ粗相をしてしまう方が我慢をして便秘になるよりは良いでしょう。
不安やストレスなど心的要因
うんちだけを粗相する原因が病気では無かった場合に次は心的要因を疑ってみましょう。猫など全ての生き物は不安やストレスなどを感じるとうんちだけを粗相をしてしまう事があります。
一番大きな要因は環境が変化する事です。「同居する人間や猫もしくは他の動物が増えた」「飼い主が引っ越した」「大きな音が鳴る」「飼い主との分離不安」などがきっかけとなりうんちだけを粗相する場合があります。寂しい気持ちや嫉妬心、保守的な猫には急に環境が変化する事も大きな原因となります。
ディスプレイ行動
猫は排泄後におしっこやうんちに砂をかけて臭いを隠そうとします。社会的に立場の弱い猫に多く見られる行動で、ボス的な猫や自分が優位に立ちたい猫は目立つ所にうんちだけを粗相する事があります。自分を大きく見せるための野性的なディスプレイ行動です。
老衰
猫が年齢を重ねる事により今まで上がれていた段差やキャットタワーに昇れなくなるなどトイレに入るまでの距離や段差により猫が間に合わずうんちだけを粗相する場合もあります。猫自身もびっくりしているに違いありません。
猫がうんちだけ粗相した時の対処法
粗相をしても叱ってはいけない
布団の上や帰宅した玄関の真ん前など、猫のおしっこ粗相やうんちだけの粗相を現実に見てしまうと飼い主は腹が立ってしまうのが当然でしょう。
しかし「原因のある粗相」とグッとこらえて猫の排泄後を綺麗に掃除しカンファペットのスプレーなど臭い消しを並行します。そして冷静に原因を探ります。
疾患の治療
病院の尿検査や検便、血液検査やエコーなどで疾患が見つかった時は原因の病気を治療する事によりうんちだけの猫の粗相は収まるかもしれません。特に便秘や下痢の場合はフードを変更したりサプリメントを摂取し腸内環境を整えるとうんちだけの粗相は格段に減ります。
ストレスの除去
猫がうんちだけを粗相してしまう心的なストレスの原因を探り無くすようにします。その他飼い主とのスキンシップを多目にとるようにするとなお良いでしょう。
トイレの見直し
トイレの掃除を多目に行う事が一番です。そして多頭飼いの場合はトイレの数を猫の「頭数+1」になっているかを確認してください。
トイレの砂の場合は様々な大きさや材質の違う猫砂を交互に使用して好みを探ってください。トイレ自体への不満が収まれば猫のうんちだけの粗相が減るもしくは無くなるでしょう。
習慣化されたうんちだけの粗相
トイレ以外のうんちだけの粗相が長く続けば覚えないのではなく習慣として身に付いてしまいます。原因を除去しても猫のうんちだけの粗相は治らないかもしれません。その場合はトイレでの排泄がご褒美に繋がるようにしたり、猫の大好きなフェロモン剤をトイレに使用すると良いでしょう。
高齢の猫の場合
猫も人間と一緒で年齢を重ねれば動きが悪くなります。肛門の閉まり具合も緩くなりうんちだけを粗相してしまう事もありますからトイレの段差を無くしたり、トイレの数を増やしてあげます。おむつの選択肢も良いでしょう。
まとめ
猫がうんちだけ粗相をする理由と対処法についてお伝え致しました。
猫は人間と暮らすために様々に譲歩をしてくれています。確かにうんちだけの粗相やおしっこの粗相、家具等への爪とぎ、鳴き声など人間側からの要求は際限が無いように感じます。
違う種類の動物との暮らしには価値観の違いが多く発生するかもしれません。そして愛猫のうんちだけの粗相があったとしても、猫は原因の無い事はしないでしょう。猫の習性を前提として考えよりよい解決方法を愛猫と共に講じてくださいね。
逆に猫のうんちにより「運がつく」のかもしれません!