猫の糖尿病末期の症状
猫の糖尿病とは、何らかの原因でインスリンの働きが悪くなり、血液中の糖が多くなってしまう病気です。
糖尿病の症状は進行具合によって様々ですが、ここでは猫の糖尿病末期の症状についてご紹介します。
体重減少
猫の糖尿病の初期症状に食欲の増加があります。
食欲が増加するにも関わらず、体重の増加は見られず、末期になると食欲が減退、後に体重が著しく低下することがあります。
食事をいつもより多く食べているのに体重が増えない、又は減少しているという場合は注意が必要です。
低体温
猫の糖尿病末期の症状として、低体温症を引き起こし、体の震えが現れることがあります。
猫は通常、寒さで震えることはほとんどありません。
また、痙攣などを起こしている場合もありますので、見て分かるほどに猫の体が震えている場合は早急に動物病院を受診しましょう。
神経症状
猫の糖尿病が末期になると、歩行障害などの様々な神経症状が現れます。
足を引きずる、ふらつくなどの他に、後ろ足を投げ出すようにして座ったり、床にかかとをべったりと付けて歩いたりすることがあります。
このかかとを床に付けて歩く症状は、「踵様跛行」「かかと歩き」などと呼び、猫の糖尿病の特異的症状とされています。
合併症
猫の糖尿病が末期になると、様々な合併症を引き起こします。
腎臓障害、肝脂肪、傷が治りにくいなどの症状を引き起こすことが多くなります。
これらの合併症によって、体調不良や糖尿病のコントロールがうまくいかなくなるなどの問題が起こることがあります。
糖尿病性ケトアシドーシス
猫の糖尿病が末期になると、糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こします。
糖尿病性ケトアシドーシスとは、猫の糖尿病が長期化することによって血中の酸性ケトン体が増加し、血液が酸性に傾くことで様々な障害を引き起こす状態のことを言います。
糖尿病性ケトアシドーシスの症状は食欲不振や元気消沈、嘔吐下痢、意識障害などが挙げられますが、短い期間で重篤化することが多いため、処置が遅れると昏睡状態に陥ることもあります。
猫の糖尿病は、初期段階では食欲もあり元気に見えることも多いため、末期の特異的症状である「かかと歩き」などの症状が現れてから、発覚することも少なくありません。
愛猫の食欲が増加したときは、つまずいたり、ふらついたりするなど他の症状が現れていないか注意深く見守りましょう。
猫の糖尿病が末期と言われたら
猫の糖尿病が末期であると言われたときにすべきことをまとめました。
寿命
猫の糖尿病が末期である場合の寿命は、合併症の有無や猫の年齢などによって様々です。
状態によっては改善の余地がなく、数か月の余命であると宣告されてしまうこともあれば、糖尿病治療の要となるインスリン投与によって状態が回復し、寿命を全うできる可能性もあります。
治療するのか..
猫の糖尿病が末期であったとしても、適切な処置を行うことで状態が回復したというケースも少なくありません。
そのためほとんどの場合は、集中治療などを行い回復を試みます。
「末期」と言われると「死ぬ」というイメージが先行しがちですが、絶望せず、まずはしっかりと獣医師の説明を受け、治療に専念しましょう。
猫の糖尿病末期の治療法
猫の糖尿病末期の治療法をご紹介します。
インスリン投与
猫の糖尿病が末期である場合も、インスリン投与による血糖値のコントールが治療の基本となります。血糖値や状態によって、通常のインスリンの打ち方を状態が安定するまで変えなければいけないこともあります。
猫の糖尿病におけるインスリン投与は、適正量や間隔の見極めが難しいとされています。
そのため、糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こしているなど、症状が重度である場合は入院をして集中治療を行うこともあります。
状態が回復した場合も、インスリン投与による治療を続けることは必要になりますが、獣医師の指示に従って、在宅でインスリン投与をすることが可能です。
食事療法
猫の糖尿病において、血糖値に深く関わる食事は慎重に選ぶ必要があります。獣医師と相談の上、食事療法を行います。
インスリン非依存型の糖尿病である場合は、食事療法と血糖値コントロール薬の服用で、血糖値をコントールすることができる場合もあります。
血糖値コントロール薬でコントロールできない場合は、症状がこじれてしまうことがありますので内服薬治療を第一選択にしないことが多いです。注意してください。
食事の種類だけではなく、多すぎず少なすぎない量を心がけたり、早食いを防止したり、工夫をすることが大切です。
体重管理
猫の糖尿病は、肥満が原因になることもあります。
原因が他にあったとしても、猫が肥満気味だと症状を悪化させることにもなりかねません。
猫が糖尿病末期と診断された場合は、より一層多重管理を心がけ、必要であればダイエットを行いましょう。
末期の糖尿病と言われた猫の食事
猫が末期の糖尿病と診断されたとき、どんな食事が必要になるのでしょうか。
どんな食事を与えるべきか?
猫が末期の糖尿病であると診断された場合の食事選びは、猫の体型や年齢、合併症の有無によって異なります。
基本的に、糖尿病の猫の食事選びにおいて重要なのは「高タンパク」であることとされていますが、一言に糖尿病の猫の療養食と言っても、糖としての吸収の速度を下げる設計がされているものから、低カロリー、食物繊維が多く含まれているなど様々な特徴があります。
また、合併症がある場合はタンパク質を制限する必要があることも。
猫の状態によっては、食事の質そのものよりもとにかく食べることが重要になる場合もありますので、糖尿病の猫の食事選びは、必ずかかりつけの獣医師と相談の上で選ぶようにしてください。
おすすめの療法食
ダイアベティック
糖尿病に限らず、療養食を好んで食べてくれる猫ちゃんは非常に少なく、フード選びに悩まされる飼い主さんは多いようです。
Vet Life(ベットライフ) ダイアベティックは、数ある猫用糖尿病療養食の中でも、食いつきが良く、ダイエット効果も期待できると評判のフードです。
かかりつけの獣医師に相談の上、是非お試しください。
AHS アミノピュアー
AHS アミノピュアーは、糖対策・肝臓・腎臓・筋力サポートに対応したペット用サプリメントです。
他のサプリメントやお薬などとの併用も可能なため、療養食にプラスして糖対策やダイエットなどのサポートとして取り入れる飼い主さんも多いようです。
かかりつけの獣医師に、現在の愛猫の症状と合っているかどうかを確認後、問題がなければ取り入れてみてください。
まとめ
猫の糖尿病の末期症状やその治療法についてご紹介しました。
末期と言われると、つい最悪の場合を想定してしまいますが、猫の糖尿病は末期症状が出始めてから発覚、診断されることも多く、実際に糖尿病末期の症状から回復したという猫ちゃんも少なくありません。
一時的に状態が回復したとしても、生涯インスリン投与が必要になる場合が多いのは事実ですが、健康な猫ちゃんと変わらないほど、元気に生活できる子もいるのです。
愛猫が糖尿病の末期であると診断されたとしても、絶望せず、信頼できる獣医師に治療方針をしっかりと相談しましょう。