猫の爪とぎを防止する方法

猫の爪とぎを防止する方法

家具や壁紙、ソファーなど猫が爪とぎをしてしまうことがあります。爪とぎを防止するにはどのような方法があるのでしょうか。猫の爪とぎを防止する前に知っておきたいこと、爪とぎに適した素材や場所など、ストレスがないように爪とぎ対策をしましょう。

猫の爪とぎを防止するために知っておきたいこと

タイヤで爪をとぐ猫

猫の爪とぎとは?

爪とぎは、表面の古い層をはがすための行動です。猫の爪は、層になっていて、古い層がはがれることで爪は細く鋭くなり、狩りや木登りをしやすくなります。

猫の爪とぎには、

  • 爪のお手入れ
  • マーキング
  • ストレス発散

という3つの意味があります。

爪とぎをするなら、爪切りをしなくてもいいというわけではありません。室内で暮らす猫は、外にいるよりも活動量が少なく自然と爪が削れることはあまり多くありません。そのままにしていると、カーテンなどに爪が引っかかりケガをしたり、伸びすぎて肉球を傷付けたりしてしまいます。定期的に爪切りをしてあげることで、爪とぎの防止とまではなりませんが家具や壁が傷がつきにくくなります。

縄張りを持つ動物である猫は、マーキングと言って自分のニオイを付けることで縄張りを主張します。マーキングの方法の一つが、前足の肉球の間にある臭腺から出るニオイ付けることで、そのために爪とぎをします。この時に高い位置で爪とぎをしようとするのですが、これは「自分は大きくて強い猫」だとアピールするためです。

爪の手入れやマーキングなど、爪とぎの意味は生存するためだけではありません。気持ちを落ち着かせたいとき、ストレスを感じたとき、うれしいときなど景気づけでバリバリと爪とぎをすることがあります。飼い主さんが家に帰ってきたときに、爪とぎを見せてくれる猫がいますが、うれしい気持ちや遊びたくて興奮している気持ちを落ち着けようとしているのかもしれません。

爪とぎをしつけよう

猫の爪とぎは本能によるものです。よって、爪とぎを完全に防止することはできません。しかし、家具や壁に傷が付かないように、猫に爪とぎをしつけることはできます。まずは、しつけから始めてみましょう。

市販の爪とぎ器を設置しても、猫が爪とぎができる物として認識していない場合があります。猫の前足をもって爪とぎ器にこすりつけてあげましょう。足の裏から出る自分のニオイがつくことで、爪とぎをする場所を覚えてくれます。マタタビの粉を使用することでも覚えてくれる可能性があります。そして、爪とぎ器以外で爪とぎをしようとしたら、正しい場所へ誘導し、できたらほめてあげることを繰り返して行いましょう。爪とぎをしてほしくない場所でしてしまったときに、大声で怒鳴ったり、叩いたりする方法では効果がないどころか、飼い主さんと猫の信頼関係に悪影響となることが予想されます。優しく根気よく教えることが大切です。

猫が好きな爪とぎの素材や場所

猫が好きな爪とぎの素材

爪とぎ器を設置してしつけをすれば、それでOKといかないこともあります。猫によって爪とぎ器の素材の好き嫌いがあるからです。素材で使われるのは、「ダンボール」「木」「麻」「カーペット」などが多く、それぞれの素材に爪が引っかかる感触の好みがあります。

ダンボールは定番で安く手に入れることができます。野生では木で爪とぎをするため、木製の爪とぎ器が好きな猫は多いようです。麻やカーペットは爪が引っかかりやすいという特徴があります。猫が好む素材を見つけて、家具や壁での爪とぎを防止しましょう。ただし、家具や壁など爪とぎをしてほしくない物と同じ素材にならないようにすることが大切です。そうすることで被害が出にくいとされています。

素材だけではなく、爪とぎがしやすい向きも猫によって好みが違います。立って爪とぎをしたい猫、地面に向かって爪とぎをしたい猫などがいるため、色々な向きで試してみましょう。爪とぎ器も板状の据え置きタイプや壁掛けタイプ以外にソファーの形やラウンドベッドの形など様々なタイプがあります。爪とぎをしても動かないものがおすすめです。

猫が好きな爪とぎの場所

爪とぎ器を設置する場所ですが、すでに家具や壁などにしてしまっている場合は、その場所に設置した方がいいでしょう。寝起きに爪とぎをするという猫は、寝床の近くに置いてあげます。爪とぎをする場所が広い範囲にある場合、不安による過剰なマーキングをしている可能性があります。不安の原因は様々で、例えば同居猫との仲が悪い、外にいる野良猫、まわりの音などです。不安の原因を特定し解決しなければ過剰なマーキングをやめることはありません。獣医さんに相談をすることが必要になる場合もあります。

シートを貼って猫の爪とぎを防止

爪とぎを見ている猫

猫が壁で爪とぎをしてしまうのを防止する便利なアイテムがあります。壁紙の上から貼るだけで、猫の爪とぎを防止してくれるシートです。ツルツルしていて、爪が引っかかりにくいため、爪とぎを防止することができます。貼る前に、壁紙とシートの相性、猫が後足で立ち上がったときの高さ、きれいにはがすことができるのかを確認しておくことをおすすめします。

スプレーで猫の爪とぎを防止

爪とぎ防止スプレーと猫

猫のしつけ用品に、爪とぎを防止するスプレーがあります。猫が苦手な柑橘系、お酢、ココナッツなどのニオイがする液体を、爪とぎをしてほしくない場所にスプレーするというものです。苦手なニオイがするため、猫が近づかなくなります。ただ中には、スプレーのニオイが苦手と感じない猫、スプレーのニオイに猫が慣れてしまうということがあるようです。

ソファーカバーで猫の爪とぎを防止

ソファーカバーで爪とぎする猫

ソファーのあるお家では、ソファーカバーやマルチカバーの利用が便利です。カバーは、目が細かいつるつるした素材を選ぶようにします。目が粗いと爪が引っかかりやすく、爪とぎをされてしまう恐れがあるからです。反対に、あえて猫が爪とぎをしやすい布をソファーに置いてあげるという方法もあります。

DIYで、透明なテーブルクロスをソファーの爪とぎをしてしまう部分の形に合わせて成形しているという飼い主さんや、屋外用のソファーを購入したという飼い主さんもいました。

プラダンで猫の爪とぎを防止

段ボールの爪とぎと猫

プラスチックでできたダンボールを壁や柱等に貼って猫の爪とぎを防止する方法です。プラダン以外のパネルやダンボールでも作ることができますが、プラダンはカッターでカットすることもでき、筋に沿ってなら折り曲げるのも簡単という特徴があります。壁紙になじみやすい半透明の白色など色も豊富です。

プラダンは、壁紙に貼る爪とぎ防止シートと違い、両面テープなどを使って必要な箇所だけ固定できます。きれいにはがせる両面テープで貼ると、賃貸でも壁の傷や汚れを防ぐことができ、退去時も壁紙の傷が少なく済みますね。

賃貸での猫の爪とぎ防止は重要!

リラックスする猫

ペット可の賃貸物件で猫を飼育するときは、いろいろなことに気を使うと思います。壁や柱などにペットがつけた傷は、ペットの飼育がOKの物件でも退去時に原状回復費用がかかり、ときに高額になることがあります。管理会社とトラブルになってしまうこともあるため、猫の爪とぎ防止策はできるだけ行った方がいいでしょう。

まとめ

爪とぎに乗っている猫

猫にとって爪とぎは、爪のお手入れ、マーキング、ストレス発散と、なくてはならない行動の一つです。本能で行っているため、完全にやめさせることはできません。その代わり、猫がストレスを感じないように、爪とぎをしつけてあげることができます。猫の爪とぎに適した素材や場所選びに多少時間がかかることがあるかもしれません。どうしてもうまくいかないときは、壁紙に貼るシート、しつけ用のスプレー、プラダン、カバーなどで猫の爪とぎを防止しましょう。特に賃貸物件では原状回復費が高額となってしまうため、前もって傷がつかないように対策をとることをおすすめします。「爪とぎ」で飼い主さんも猫もストレスがないようにしたいですね。

スポンサーリンク