猫は「お手」を覚えられる?

猫は「お手」を覚えられる?

姉の家には、7匹の保護猫がいました。犬に育てられた7匹の猫は、お手、おかわり、待て、伏せをしていました。どうして猫なのにお手やおかわりができたのでしょうか?

猫もお手などの芸を覚えられるの?

手を伸ばす猫

『お手、伏せ、待て』をする猫はいる!

希に“犬に育てられた猫が犬と同じ行動をする“という話を聞きます。筆者の姉の家の猫7匹がそうでした。犬に育てられた猫7匹は、皆、お手、伏せ、待てをしました。ご飯の時間に犬2匹、猫7匹が、待て。良し。の後、一斉に食べだします。

姉は猫にそれを望んだことはありませんでしたが、「良し!」の合図を待たずに食べ出す猫がいれば、親代わりの犬は前足でその猫の頭を叩き、良しの合図があるまで、その猫を押さえて動けないようにするそうです。

他の猫は、横目でクールにその様子を眺めます。その表情はまるで『あーあ、やっちゃったよ。アイツ‥』と、言っているようだそうです。親代わりの犬は姉の家の先住犬です。

猫にお手などの芸を覚えさせる方法

犬と猫

犬がいる場合は猫が犬の真似をする事で思える

姉の家のケースでは、猫が先住犬の真似をしていたそうです。お手、おかわりなどをした後に先住犬はオヤツをもらいます。先住犬にお手!と、言うと猫が横でお手をするそうです。

猫がお手!をしてきたらおやつを与える

そして、キラキラと目を輝かせて、オヤツを待つそうです。そんな目をされては、オヤツをあげないわけにいかないので、猫にもオヤツをあげましたところ、自然と、お手をするようになってしまったそうです。

そもそも、犬のオヤツを用意するガサガサという音にすでに反応しているとか。ピュッと飛んできて、犬の隣にスタンバイするそうです。姉曰く、猫にお手を教える詳しい方法は、犬に聞かなければわからない。そうです。

ロシア国立の『ククラチョフ猫劇場』の方法

このように、猫も芸は覚えるようですが、やはり、ある条件が揃わなければならないみたいです。ロシア国立の『ククラチョフ猫劇場』といえば、猫サーカスとして大変有名ですが、『ククラチョフ猫劇場』でも、特別猫に芸は教えてはいないそうです。

猫が好きな事をさせて、ショーに仕立てているそうです。例えば、箱に入るのが好きな猫を、『出しても、出しても、ヤカンの中に隠れてしまう猫とピエロの出し物』として、ショーにしている、というように。

姉の家のケースを見ても、お手をしてオヤツをもらうのは、猫にとってゲームのようだったのかもしれません。誰も猫にお手をさせようとした事はなく、犬の行動を見た猫がオヤツがもらえる方法を学習して『お手』ではなく『オヤツをもらいにくる』のではないでしょうか。

猫が芸を覚えられる理由

お手する猫

猫の模倣学習

我々ヒトも含めた哺乳類、鳥類には、“模倣学習”という行動が見られます。この模倣学習とは、『その種の属する社会で生存していく為に必要な行動を獲得していく』ことを言います。姉の家の猫達は、母親代わりであった先住犬の行動を学習したのではないでしょうか。

また、そもそも、先住犬は姉から“教える”という事を結果的に模倣学習したのではないでしょうか。

猫の記憶力

猫は、自分が好きな事や興味のある事、利益になる事を覚える事が得意だと言われています。猫がドアや引き戸を開けて出て行く行為は、頻繁に見られます。猫は、観察による学習=模倣学習が他の動物に比べて得意であるからです。この場合、

  • 行動=ドアを開ける
  • ご褒美=部屋の外に出れる

と、部屋の外に出てしまえば、ご褒美がもらえてしまい、猫の欲求に対する行動は完結をしてしまいます。『開けたら閉めて欲しい‥』 おそらく、猫あるあるの1位を占めるであろうこの行動は、このような仕組みになっていたんですね。

実は、家猫と言われる現代の猫は、その鳴き声の周波数が、ヒトがより可愛いと思うものに変化してきているのです。その過程の中で、ヒトは猫に犬のような従順さを求めてはきませんでした。この事こそ“猫は気まぐれ”と言われる習性に大きく影響をしていると言う専門家もいます。

猫に芸を教えている動物園

指を舐める猫

ルハン動物園

そういえば、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスより80kmほど離れた場所にある「ルハン動物園」でも、犬が先生になっていました。

猛獣と触れ合える世界一危険な動物園として知られています。トラ、ライオン、熊などの猛獣を犬と共に育てる事で、猛獣が人間との接し方を犬から学ぶそうです。死ぬまでには、一度は訪れ、その猛獣と犬の様子をこの目で見てみたいものです。

まとめ

猫を抱えた男性

こう見ると、猫の方がよほど我々ヒトをしつけ、芸を仕込むのは上手な気がします。私などは、我が家の猫様の声色を聞き分けて“猫様の望むモノを提供する”という芸を習得している始末です。

猫様の気に入る事をすれば、猫様から『撫でてよし!』のご褒美がもらえるからです。所詮、我々ヒトが猫様に芸を仕込むなど100年早いのかもしれません。

姉は、犬社会の序列を重んじていましたので、何をするにも、その先住犬を一番に扱うようにしていました。全ての動物の面倒は、先住犬がみてくれていました。先住犬の仕事を奪ってはならないと考えていた姉は、先住犬の仕事に口出しはしなかったそうです。

姉の家に来た7匹の猫ちゃんの経緯はそれぞれみな別ですが、どの子も路地でひどい状態だったところを保護した保護猫です。姉は猫を拾ってくると、玄関までお出迎えに来た先住犬に1番に見せるそうです。

姉曰く先住犬は『母さん、あなた、また拾ってきたんですか?どれだけ私が大変か分かっていますか?』と言わんばかりの呆れ顔をするそうです。

そして、ため息をつくと『やれやれ‥』というように、拾って来た猫を優しく口にくわえて寝床に連れていくそうです。そして、その猫の母猫のように面倒を見てくれるそうです。

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