猫が黄色い物を嘔吐した時の原因と考えられる病気

猫が黄色い物を嘔吐した時の原因と考えられる病気

猫が嘔吐することは珍しいことではありません。しかし、嘔吐した物が黄色だった場合、何か何らかの病気が原因の可能性が考えられます。黄色い物を吐いてしまう原因や病気について考えていきます。

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫が嘔吐した黄色い液体は何か?

うたた寝する白猫

猫は人間と比べると嘔吐しやすい生き物です。グルーミングで胃にたまったヘアボールを吐き出したり、キャットフードの形や早食いが刺激となり吐いたりします。

ときに「黄色い液体(緑色や茶色い液体)」を嘔吐してしまうことがあり、この黄色い液体の正体は「胆汁」です。

猫が嘔吐した黄色い液体「胆汁」とは

胆汁は消化液の一種で、コレステロールが原料となり、肝臓で作られ胆のうに貯められます。猫がごはんを食べると、胆のうから十二指腸へと流れます。胆汁は脂肪の消化に関する助けをするのが働きです。胆汁は消化液ですが、消化酵素は含まれていません。

肝臓で作られた胆汁は初めは黄色で、胆のうで濃縮、粘液が混ざる、胃液と混ざる、酸化するといったことで色は変化します。黄色の他に「黄褐色」「黄色がかった茶色」「黄緑色」「緑色」など表現されることがあります。

猫が黄色い液体を嘔吐する原因

猫と空のお皿
  • 猫が黄色い液体を嘔吐する原因:『胆汁嘔吐症候群』によるもの
  • 猫が黄色い液体を嘔吐する病気:『猫パルボウイルス感染症』によるもの

猫が黄色い液体を嘔吐する病気『胆汁嘔吐症候群』

胆汁嘔吐症候群といって、空腹の時間が長いと胃液や胆汁を嘔吐してしまうことがあります。胆汁は黄色っぽく、胃液は透明で泡立っていることが特徴です。

胃の運動の低下によって胆汁が逆流して胃を刺激することで嘔吐をすることが原因と考えられています。「これ」といった原因は、現在はまだ解明されていません。

猫が黄色い液体を嘔吐しないための対策

  • ごはんの回数を増やす
  • 与える時間を見直す

嘔吐する時間は、朝や夜のごはんを食べる前など決まっていることが多いです。空腹の時間を短くすることが嘔吐の対応策となります。ごはんの回数を増やしたり、与える時間を見直すことが必要です。

ご飯の回数を増やす

朝と夜の2回に分けて与えている場合は、3回や4回に増やしたり、飼い主さんが寝る前に少量を与えたりします。留守にするときは自動給餌器を使用すると便利です。食事の回数を見直しても胆汁を嘔吐してしまうときは場合は、胃の運動を改善する薬を服用します。

猫が黄色い液体を嘔吐するその他の原因

  • 消化器系の病気
  • 甲状腺の病気
  • ストレス
  • 服用している薬の影響

しかし、胆汁嘔吐症候群の原因が空腹だけとは限りません。消化器系の病気、甲状腺の病気、ストレス、他の病気の治療のために服用している薬の影響などが胃の運動の低下と関係しているということもあります。

検査と治療、ストレス原因となる環境の見直し、薬について獣医師に相談することが必要です。ストレスは、生活環境や欲求不満、寒さ、体の痛みなど様々です。また、胆汁を嘔吐してしまう症状は、胆汁嘔吐症候群以外の病気によって起こることも考えられます。

猫が黄色い液体を嘔吐する事がある病気『猫パルボウイルス感染症』

  • 発熱
  • 食欲不振
  • 激しい下痢や嘔吐(黄色~黄緑色の胆汁を含んだ液体)

胆汁を嘔吐する病気は色々とありますが、特徴がある病気に「猫汎白血球減少症」というものがあります。猫パルボウイルス感染症とも呼ばれ、ウイルスが原因の病気です。

子猫に発症しやすく、発熱、食欲不振、激しい下痢や嘔吐(黄色~黄緑色の胆汁を含んだ液体)が特徴です。発症してすぐに治療を開始すると助かる可能性がありますが、非常に致死率が高い病気でもあります。

治療はインターフェロン、抗生物質、吐き気止め、下痢止め、脱水の改善などが行われます。とても感染力が強いため、動物病院に行く前に「猫汎白血球減少症の疑いがある」ことを伝えておくといいでしょう。

猫汎白血球減少症はワクチンで予防することができ、混合ワクチンには必ず入っています。

猫が黄色い液体を嘔吐した時、問題無い時と病気の時

獣医と黒猫

猫が黄色い液体を嘔吐した時で問題ない場合

  • 1日に1回程度の嘔吐
  • 元気がある
  • 食欲もある

猫が黄色い液体を嘔吐した場合とても心配になりますが問題ない、あるいは様子を見るケースがあります。1日に1回程度嘔吐し、元気もあり、食欲もある場合です。その後も嘔吐することがなければ、様子を見ます。

猫が黄色い液体を嘔吐した時で病気の心配がある場合

  • 何度も嘔吐する
  • 数日続く
  • ぐったりしている
  • 元気であっても数日続くのであれば病院へ

1日に何度も嘔吐する、数日続く、ぐったりしているなど様子がおかしい時は動物病院を受診します。黄色い液体を嘔吐し元気でいても、それを何日も繰り返すようなら受診が必要です。

嘔吐が続くと脱水や、胃や食道に炎症が起きてしまい、ごはんや水を摂ることができないことでさらに脱水が進む心配があります。黄色い液体は胆汁なのですが、色だけではどのような病気の可能性があるのか判断できません。

猫が黄色い液体を嘔吐していた時の対応

早めの対処が必要な場合もあるので、嘔吐した物に何が含まれているか、嘔吐した物のニオイ、猫の様子などを病院に伝えます。

嘔吐した物を写真に撮って獣医師に見てもらうことも様子を伝えるための方法の一つです。

まとめ

猫ベッドにいる猫
  • 猫が嘔吐した黄色い液体は「胆汁」
  • 猫が黄色い液体を嘔吐する原因:消化器系の病気、甲状腺の病気、ストレス、服用している薬の影響など
  • 猫が黄色い液体を嘔吐する原因:『胆汁嘔吐症候群』によるもの
  • 猫が黄色い液体を嘔吐する病気:『猫パルボウイルス感染症』
  • 『猫パルボウイルス感染症』:発熱、食欲不振、激しい下痢や嘔吐(黄色~黄緑色の胆汁を含んだ液体)が特徴
  • 猫が黄色い液体を嘔吐した時元気もあり、食欲もある場合は様子を見ても良い
  • 黄色い液体を何度も嘔吐する、数日続く、ぐったりしている時はすぐに病院へ
  • ごはんの回数を増やす事で黄色い液体を嘔吐する事を抑える事ができる場合がある
  • ごはんを与える時間を見直す事で黄色い液体を嘔吐する事を抑える事ができる場合がある

猫が嘔吐することは珍しいことではありません。ですが、嘔吐した物が胆汁を含んだ黄色い液体だと色々と不安になってしまいますよね。

胆汁を嘔吐する原因の一つが空腹で、嘔吐しても元気で食欲もあり、その後も吐かないという特徴があります。

食事の回数や時間を見直して空腹の時間を短くするのが改善策です。その一方で、嘔吐を繰り返し、元気もなく食欲不振などがあれば病院を受診する必要があります。

他の病気の影響や感染症の場合も考えられますが、「黄色い液体を嘔吐をした」という色だけの情報では病気なのかどうか判断するのが難しいこともあります。

色の他にニオイや混じっている物がないか、普段の猫の様子と違うところはないかなどを確認して、獣医師に伝えることが必要です。

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