猫の嘔吐がピンク色になる原因
猫がピンク色の物を嘔吐したときの原因としては、大きく次の3つが考えられます。
1.胃腸炎のため
猫が嘔吐した物がピンクになる原因として、胃腸炎が考えられます。
胃腸炎は、急性胃炎と慢性胃炎があり、どちらも嘔吐することがあります。急性胃炎は、1週間以内に治る場合が多く、慢性胃炎は1週間以上続きます。胃液はふだんは透明ですが、どちらの場合も、嘔吐したものや胃液に血が混ざることによって、嘔吐した物がピンクになることがあります。
胃炎がひどくなると、嘔吐の回数も増え、食道や胃、腸などに傷がつくことでも出血し、嘔吐した物がピンク色になることがあります。悪化してくると出血がひどくなり、血が混ざって、嘔吐した物が濃い茶色に見えることがあります。
2.歯周病のため
猫は歯周病になった時もピンク色の物を嘔吐する事があります。歯ぐきに炎症が起こる歯肉炎や、歯の周りの組織が破壊されてしまう歯周炎などになったことが原因です。
歯周病が進むと、口が臭くなるほか、歯茎が腫れて出血することがあります。口の中に傷がつくことや、口内炎になったことでも出血します。口から出た血液が嘔吐したものに付着したことで、猫の嘔吐物がピンク色に見えるのです。
3.内臓に関係する病気のため
尿毒症や腎不全、また寄生虫に感染されることによっても、猫はピンク色の物を嘔吐することがあります。
内臓に傷がついたり炎症が起きたりしているほか、猫条虫や回虫といった寄生虫がいた場合に嘔吐が増え、悪化すると嘔吐した物に血液が混ざって、ピンク色に見えることがあります。
吐いた物の中に寄生虫がいることで、感染していることに気づくこともあります。
猫がピンク色の物を嘔吐したときの対処法
吐いた直後の猫の様子を観察する
ピンク色の物を嘔吐した後、猫がどのような状態なのかを観察しましょう。何事もなく元気そうにしている場合もあれば、つらそうだったり、またすぐ嘔吐したり、元気がないなどの良くない状態のときもあります。
ただ、何日も見守るというよりも、猫が落ち着いた時点で、できるだけ早めに動物病院へ連れていくことが大切です。獣医さんに、嘔吐したときの猫の様子を説明できるようにしておきましょう。
吐いた物をとっておく
吐いたピンク色の嘔吐物をよく観察し、寄生虫がいないか、血液の塊などが混ざっていないか、異物を飲み込んでいないかなどを確認しましょう。
動物病院へ行く際に、持って行くことができれば、吐いた原因を突き止められることもあります。嘔吐した物を撮影しておいて、獣医さんに見せるだけでも、何か判断できることがあるかも知れません。
動物病院に連れていく
ピンク色の物を嘔吐した時点で、猫の体のどこかに出血があるということが考えられます。口腔内かも知れませんし、胃や腸などの内臓かも知れません。
また、病気が原因で嘔吐したものに血が混ざった可能性もあります。素人では判断できないのと、重大な疾患かもしれないことを予想して、嘔吐した場合はできるだけ早めに動物病院へ連れて行きましょう。
猫の嘔吐がピンク色以外になる原因
猫の嘔吐した物が透明な場合
猫が透明な液体を嘔吐したときには、胃液を吐いたものと考えられます。胃液は透明なため、飲み込んだ固形物などを吐き出そうとしたときに、胃液と一緒に何かを吐いたとも考えられます。透明な液体以外にも、嘔吐した物に、輪ゴムやピンなどがないかを確認しましょう。
また、泡状の透明なものを吐くこともありますが、何か病気が原因で吐いていることもあります。何度も吐いたり、食欲がなくなって、元気もなくなったりするようであれば、動物病院へ連れていく必要があります。
猫の嘔吐した物が黄色の場合
黄色の物を吐いたときには、胆汁が混ざったものを吐いたものと考えられます。胆汁は、胆のうという袋にたまっている液体で、黄褐色から緑色をしています。猫の空腹でいる時間が長いと、何かのきっかけで、黄色い液体を吐くことがあります。
何度も黄色い物を嘔吐し、食欲不振や元気がないなどの様子が見られれば、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
猫の嘔吐した物が緑色の場合
緑色の液体を吐いたときには、混ざっている胆汁の濃度が濃いと考えられます。胃腸炎や、肝臓や腎臓などの疾患、膵臓の疾患などによって、胆汁がうまく流れなくなって濃度が濃くなったものを吐いていると考えられます。
また、草を食べて吐いたときにも、緑色の嘔吐物の場合があります。
猫草は食べても大丈夫ですが、部屋にある観葉植物など、猫が食べてしまうと中毒を起こしたり、具合が悪くなったりする可能性があるものもあります。植物によっては、猫が食べると命を落とすことにつながるので、観葉植物などは、猫が近づけないようにしておきましょう。
猫の嘔吐した物が茶色の場合
猫の嘔吐した物が茶色の場合、血液が混ざっている可能性があります。胃腸炎などの病気、腫瘍ができている、又は何か異物を飲み込んだなどの原因で、胃や腸などから出血していると考えられます。
キャットフードは茶色の物が多いですが、血液の茶色とは違うので、飼い主さんがよく見れば気づくことができるでしょう。猫が血液の混じったものを吐くときには、混じる血液の状態によって色の変化が起こります。少しの血が胃液などと混ざる場合は、ピンクに見えることがあります。
体内で大量に出血している場合には、赤い鮮血を吐くこともあります。茶色は、出血して時間が経ったものとも考えられます。食べ物とは違う茶色の物を嘔吐したときには、できるだけ早く動物病院で診てもらうようにしましょう。
まとめ
猫は吐くことが多く、毛玉を吐いたり、食べたものを吐いたりするため、慣れた飼い主さんはあまり気にしないこともあります。
しかし、猫の体にとって何か良くないことが起きているサインかも知れませんので、猫が嘔吐したものを確認して、吐いたものの色を見るようにしましょう。
嘔吐した物がピンク色をしているときには、口の中や、胃、腸などの内臓など、どこかから出血している可能性が考えられます。
猫に元気があるかどうか、何度も嘔吐していないかなど、猫の状況をよく見ながら、できるだけ早く動物病院で診てもらうことをおすすめします。