猫が失明してしまう原因
- 猫が失明してしまう原因①:結膜炎角膜炎
- 猫が失明してしまう原因②:眼瞼内反症
- 猫が失明してしまう原因③:ブドウ膜炎
- 猫が失明してしまう原因④:緑内障
- 猫が失明してしまう原因⑤:網膜剥離
- 猫が失明してしまう原因⑥:脳疾患
- 猫が失明してしまう原因⑦:カメラのフラッシュ
猫が失明してしまう原因は、眼科系疾患や脳疾患等、多岐に渡ります。一言に眼科系疾患と言っても、先天性の疾患や加齢によって引き起こされる疾患、外傷が原因となる疾患等様々ですし、疾患以外で失明してしまう可能性も。猫が失明してしまう原因についてご紹介します。
結膜炎・角膜炎
猫が失明してしまう原因に結膜炎・角膜炎が挙げられます。これらは、猫風邪と呼ばれるウィルス感染症や、引っ掻き傷等の外傷が原因となる場合が多く、軽度であれば抗生物質等の点眼を用いる事で1週間~2週間程度で完治する事が多いとされています。しかし、症状が重篤化した場合は失明に繋がる可能性もありますので、油断は出来ません。
眼瞼内反症
猫が失明してしまう原因に眼瞼内反症があります。ペルシャ等の品種に見られる疾患で、瞼が内側にひっくり返ってしまった状態になります。
目の周りの被毛が眼球を傷付ける事で、目ヤニや涙が増え、猫自身が不快感を感じる事で掻き毟ってしまい、結膜炎や角膜炎を併発します。外科手術で完治する事が可能ですが、特に角膜炎から角膜潰瘍に進行してしまった症状を放置する事で失明に繋がる可能性もあります。
ブドウ膜炎
猫が失明してしまう原因でブドウ膜炎もあげられます。目の毛様体や虹彩、脈絡膜等に炎症が起こる事で引き起こされる疾患です。ひっかき傷等の外傷や、角膜炎等の眼科系疾患、猫エイズ、FIP(猫伝染性腹膜炎)、トキソプラズマ症等の感染症、強いアレルギー反応等が原因となり発症します。
ブドウ膜炎は片目、または両目に充血、しょぼしょぼする、光をまぶしがる、表面が白っぽくなる等の症状が表れる事が多いとされていますが、個体差があります。主に点眼での治療が行われますが、症状が重篤化すると緑内障を引き起こす可能性もあり、失明の恐れがあります。
緑内障
猫が失明してしまう原因で多い緑内障は眼圧(眼球内部の圧力)が高まってしまう疾患です。症状が進行すると、視神経までを圧迫し、重篤化した場合は失明の恐れもあります。
緑内障の症状は、瞳孔は開いたままになる、充血する等です。点眼による治療が主ですが、状態によっては外科手術を要する場合もあります。
網膜剥離
網膜剥離は、何らかの原因によって網膜が剥がれてしまう疾患です。原因は、外傷によって引き起こされる場合もありますが、進行性網膜萎縮、糖尿病等を伴ったブドウ膜炎、白内障、緑内障。また、甲状腺機能亢進症、慢性腎不全等の基礎疾患である場合が多いとされています。
その為、主に基礎疾患の治療が優先して行われます。症状については、原因によって進行具合が異なる為様々です。瞳孔が開いたままになったり、出血によって眼球が赤く見えたりする事があります。網膜剥離は徐々に視力を失い、最終的には失明してしまう可能性もあります。
脳疾患
脳に何らかの疾患が生じている場合、視力障害や失明を引き起こす可能性があります。特に「眼振(眼球振盪)」の症状が出ている場合は注意が必要です。目は動いていないのに眼球が、上下に揺れている、回転している等の場合はすぐにかかりつけ医を受診しましょう。
カメラのフラッシュ
以前、「カメラのフラッシュが原因で、猫が失明してしまった」というツイートが話題になった事があります。この件に関しては様々な意見があり、カメラのフラッシュで失明する可能性は低いという意見や、真っ暗闇で突然フラッシュをあてる等すると、猫の目の機能を傷付けてしまう可能性があるという意見もあります。
カメラのフラッシュと、猫の失明が直接関係するかどうかは明確にされていませんが、動物園等でも、フラッシュ撮影に関する注意書きがある事を考えれば、猫に突然フラッシュをあてるという行為は避けるべきであると考えられます。
猫が失明しているかどうかチェックする方法
猫が失明しているかどうか、自宅でチェックできる方法についてご紹介します。少しでも異変を感じた場合は、以下のような事をチェックしてから早急にかかりつけ医を受診しましょう。
- 音が鳴らない物を落とす
- 呼びかけて反応を見る
- 物にぶつからないかどうか
- 瞳孔の大きさを確認する
音が鳴らない物を落とす
猫の目の前で、落下音が鳴らない羽毛やティッシュ等を落としてみましょう。それを目で追うか確認し、全く反応がない場合は失明が疑われます。
呼びかけて反応を見る
名前を呼び、視線が合うかどうかをチェックしましょう。耳は、声がする方向に向いているのに、視線が合わない場合等は失明が疑われます。
物にぶつからないかどうか
おやつ等で猫を呼び寄せ、猫が物にぶつかったり、おやつの位置を把握できずにフラフラしたりする行動がないかチェックしましょう。基本的に、健康な猫が物にぶつかる事は考えにくいと言えます。
同時に、目を執拗に気にしている様子がないか、元気はあるかも合わせてチェックし、異変がある場合はすぐにかかりつけ医を受診しましょう。
瞳孔の大きさを確認する
両目の瞳孔の大きさが同じか、部屋の明るさによって瞳孔が大きくなったり、細くなったりと正常に反応しているかを確認しましょう。
ペンライト等を当てて確認するという方法もありますが、強い光を当てすぎると眼を傷付けてしまう可能性があります。愛猫を抱っこしたまま、暗い部屋と明るい部屋を行き来する等の方法で確認するのがいいでしょう。
猫の失明を疑う場合は、基本的に音が鳴らない物を使ってチェックします。また、顔の前で対象物を揺らしたり、動かしたりしてしまうと風やニオイに反応してしまう可能性があるからです。猫の目に異変を感じた場合は、上記のようなチェックを行い、早急に受診して下さい。
猫が失明してしまった時の治療法
- 完全に失明してしまった場合:視力を取り戻す事は難しい
- 進行性の疾患で失明してしまった場合:早期治療、症状の進行を遅らせる事ができる
猫が完全に失明してしまった場合、視力を取り戻す事は難しいとされています。ただ、網膜剥離等の進行性の疾患は、早期治療による完治や、症状の進行を遅らせる事も可能ですし、完全に失明している訳でないのであれば、視力が回復する可能性もあります。信頼できる獣医師にしっかり相談しましょう。
失明してしまった猫の飼い方
猫が失明してしまった場合、生活環境を整えてあげる必要があります。しかし、猫は本来嗅覚や聴覚に長けた動物であり、健康な猫であってもそれ程視力に頼って生活している訳ではないとも言われています。
その為、猫自身は飼い主さんが思う程、不自由に感じていない場合もあるようですので、愛猫の失明に対する強いショックを受けてしまったとしても、気持ちを切り替えて愛猫が生活しやすい環境作りをしてあげる事を最優先しましょう。
猫にとっての障害物を減らす
失明してしまった愛猫にとって障害物になる物は片づけるようにし、怪我を防ぐ事を第一優先します。ただ、愛猫が失明する前の環境を大きく変えてしまう事は、混乱やストレスを招く事になりかねませんので、模様替え等は支障の出ない程度にしましょう。新しく大きな物を置かない、バッグや買い物した物を放置しない等も大切です。
猫のおもちゃを工夫する
愛猫が失明してしまったとしても、今まで通り色々な物に興味を持ちます。おもちゃは、視覚ではなく聴覚を活用して遊べる物や、柔らかい素材の物を選ぶといいですね。
カシャカシャ音が鳴るおもちゃや、またたびのニオイが付いたおもちゃを選び、飼い主さんが目を離す時はしっかり片付ける様にしましょう。
猫に声を掛ける
失明した猫は視力を失った分、嗅覚や聴覚に頼って生活をしなければなりません。その為、失明する前よりも、大きな音や突然触れられる事等に敏感になります。飼い主さんが移動する時や、猫に触れる前には「〇〇に行くよ~」「〇〇ちゃん、抱っこしようか~」等と、声を掛ける事を習慣づけましょう。
猫とコミュニケーションをとる
前述した声掛けに似ていますが、愛猫が失明してしまった場合、飼い主さんの動向を掴めず、甘えるタイミングを失ってしまう可能性があります。たくさん声を掛け、たくさん触れ合って愛猫とのコミュニケーションをより一層心がけたいですね。
猫のトイレや食事の工夫
猫が失明してしまったら、トイレの前にスロープを設置したり、フードボウルを高さのある物に変えたりして、愛猫が可能な限り自立して日常生活が送れるように工夫しましょう。初めて設置した物や、新しく買い替えた物を使用する時は、優しく声掛けしながら様子を見守って下さい。
猫のケージを利用する
猫が失明してしまってから、生活に慣れるまで、飼い主さんが外出する際はケージを利用してもいいかもしれません。しかし、今までケージに入る習慣がなかった場合はストレスになってしまう可能性もありますので、様子を見ながら利用しましょう。
まとめ
猫が失明してしまう原因や、暮らし方についてご紹介しました。愛猫の失明は、飼い主さんにとってもとてもショックが大きい事だと思います。
しかし、失明しながらも活発に、目が見えている猫ちゃんと同じように生活している子もたくさん居ます。様々な工夫が必要になりますが、変わらず愛猫と楽しい生活を送って下さい。
30代 女性 マリー
その子猫は、点眼治療により少しずつ目が開いてきましたが、瞼の内側が上下で癒着してしまっていました。
そして、瞼の隙間から見えた角膜も白く濁っていて、重度の角膜炎でした。
獣医さんから失明の可能性も告げられましたが、とにかく点眼治療をがんばり、数ヶ月後になんとか角膜炎は治りました!
しかし、瞼の癒着は残ってしまっていたので、わずかな瞼の隙間の分しか視界がありませんでした。
その後、成長してから、避妊手術と同時に瞼の癒着部分を切る処置もしてもらい、完全とはいかないまでも不自由のない視界を得ることができました。
猫風邪はよくある病気ですが、まさかそれが原因で失明になる可能性があるとは思っていませんでした。
40代 女性 かおり
しかし、早期発見できる病気もあるのですね。
よく、緑内障になり失明してしまう話を聞きます。
我が家の猫ちゃんも、目の病気を早期発見できるように定期的に診ていただいていますので、安心です。
でも、猫ちゃんは髭などでバランスをとったり障害物を察知しているので、さほど困ったりは少ないみたいですね。
50代以上 女性 匿名