猫はひとり遊び用のおもちゃが必要?
猫の遊びと狩猟本能
猫がじゃれて遊んでる姿は、なんとも言えないかわいさが溢れていますよね。
狭い隙間を探ったり、丸いものを転がして追いかけたり、ひらひらするものを手で取ろうとする「遊ぶ」という行為の中には、肉食獣である猫の狩猟本能が隠されているのです。
猫の遊びには、狩猟本能の欲求を満たし、健全な精神状態を保つ効果があるといわれています。
適度な運動と遊びの必要性
飼われている猫は食べ物を与えられるため、生きるための狩りをする必要はありません。しかし、獲物を狩る本能がなくなるわけではないので、それを十分に発散させてあげないとストレスが溜まってしまうのです。
子猫のうちはとくに、いろいろな物に触れさせて五感に刺激を与えてあげると、脳の発達にも役立つと言われます。
ひとり遊び用のおもちゃの効果
猫の運動不足を解消すると、睡眠が深くなり、食べる量を適量に正そうとしますので、深夜の活動が落ち着いたり、無駄食いが減ったりする効果も期待できそうです。とはいえ猫の気が向くままに、いつでも好きなだけ遊んであげられるとは限りませんよね。
ここで必要となるのが、猫がひとりで遊べるおもちゃです。
時間が取れるときは飼い主が遊んであげて、それ以外はおもちゃを使うなど、バランスよく愛猫を楽しませてあげましょう。適度な運動と遊びのバランスが、猫の健康と幸せにつながるのです
猫のひとり遊び用のおもちゃを選ぶ時のポイント
猫のおもちゃは、ペットショップやホームセンター、最近ではドラッグストアなどにも売られていますが、選び方にもちょっとしたポイントがあります。
見た目に惹かれて買ったけど、まったく遊んでくれなかったという経験をした人もいるかもしれません。ひとり遊び用のおもちゃは、安全性はもちろん、猫の年齢や好み、おもちゃのタイプなどを考えて購入するのがポイントです。
猫の好みに合わせておもちゃを選ぶ
猫は動くものに関心を示し、それを捕まえるのが大好きです。ヒラヒラした羽のようなものが好きな子がいたり、ヒモのように長いものが好きな子がいたり、好みはさまざまですが、飼い始めたばかりだと、実際にいろいろ試してみないと愛猫の好みはわからないかもしれません。中には、ただの箱だったり、カサカサ音のするトンネルが好きな子もいます。
おもちゃそのものよりも、おもちゃが入っていた箱や袋に夢中になってしまうのは、猫あるあるですね。あまり好みではないおもちゃは、最初はあそんでもすぐに飽きてしまう傾向があります。
虫に夢中になる子は素早く動くおもちゃを、窓から見える鳥に興味がある子には羽のついたおもちゃがおすすめです。
猫の狩猟本能をくすぐるおもちゃを選ぶ
猫は狩りをするとき、ガサガサと音がしたり、ランダムに動くものを獲物として反応しますので、捕まえたいという気持ちにさせることがポイントになります。
トンネルタイプのおもちゃは、触れるたびにカサカサと音がするので通るだけでもワクワクしますし、ワイヤーがついた猫じゃらしは、反発力で揺れて触るたびに新しい動きをするので猫の関心をひきつけます。
箱やレールの中のボールがコロコロ転がるタイプのおもちゃも、逃げるボールを捕まえたい気持ちを誘発するので、猫にとっては楽しいでしょう。
おもちゃを与えてもまったく動きのないおもちゃは、よほど遊び上手な子でないと飽きてしまいますので、狩猟本能をくすぐるタイプのおもちゃを選ぶようにしましょう。
誤飲やケガの心配がない安全性の高いおもちゃを選ぶ
小さなパーツが使われているおもちゃや、口に入ってしまうサイズのおもちゃは誤飲に注意が必要です。
うさぎの毛や鳥の羽を使ったもの、ヒモがついているもの、マタタビなどが仕込まれているものは、夢中になって遊んでいるうちに誤って飲んでしまう危険があります。
おもちゃを誤飲してしまうと嘔吐や食欲不振などが出ますが、よくある症状なので様子をみているうちに手遅れになってしまう危険も考えられます。
また、素材によっては、爪が引っかかって折れてしまったり、マタタビ入りのおもちゃに噛みついた拍子に歯が欠けてしまうケースもあります。
電動式のおもちゃは、水気がある近くでの使用は感電の危険があります。購入前にはどのようなものかよくチェックして、安全性の高いおもちゃを選ぶようにしましょう。
すぐに壊してしまうことも想定して選ぶ
気に入ったおもちゃほど、噛んだり蹴ったりして壊してしまったり、どこかへなくしたりしてしまうかもしれません。よく遊んでくれている証拠なのですが、お気に入りのおもちゃがなくなると猫は不満に感じるかもしれません。
おもちゃに対する執着は個体差があるので一概には言えませんが、おもちゃがないことでストレスを与えてしまうとせっかくのおもちゃが逆効果です。
「すぐ壊しちゃったから、もうありません」では、ちょっとかわいそうですよね。よく遊んでいるおもちゃは、なくした時のスペアや交換用の買い替えがあるものを選ぶようにするとよいでしょう。
【おすすめ】猫が喜ぶ!ひとり遊び用のおもちゃ10種!
お留守番のときや、十分にかまってあげられないときに、猫ちゃんひとりで遊んでもらえるおもちゃを集めました。人が動かしてあげないと遊べないおもちゃや、猫にとっては楽しいけれどそのままひとりで遊ばせるとちょっと危なそうなおもちゃは除いてあります。
また、おもちゃが置いてあっても、できるだけ部屋の雰囲気を壊さないような色や素材を選んであります。人気度が高いものを選びましたので、ひとり遊び用のおもちゃを探す際の参考にしてください。
猫壱 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン2
- 初級~上級自動までスピードが選べる
- 2種類のスティックは交換用が別売りで用意されている
- タイマーモードは自動停止機能あり
電動でくるくる回るタイプの猫じゃらしです。急に止まったり動いたり、小刻みにカタカタ動いたり、逆回転したり複雑な動きとスティックが動くたびにカサカサとなる音で、飽きずに楽しめます。初級、中級、上級、自動の4つの速度があるので、子猫からオトナ猫まで遊べるのも特徴。
スティックはヒモタイプと羽根タイプが最初からついているので、猫ちゃんのお好きな方を選んで使えます。タイマーモードにしておくと、30分の動作と15分のお休みが4セットで終了しますので、つけっぱなしにしておいても、自動で電源が切れるのでお留守番の時にも活躍しそうです。
S字型 ロングキャットトンネル
- 出口の向こうが見えないので、いつもワクワク
- 小さくたたんで収納できる
- 長さ117cmのロングサイズ
S字型になったロングサイズのキャットトンネルです。カサカサ素材のトンネルが多い中、こちらは洗える素材を使用しているので清潔が保てるのが特徴です。
長さは117cmもあり、途中に窓が2つ。直径は27cmありますので、大きな猫ちゃんも遊べます。出入り口に付けられるポンポンの交換用もあるそうですよ。カラーは落ち着いたグレーなので、洋室にも和室にも似合いますね。
ペティオ おどる電動けりぐるみ
- 猫が触った衝撃に反応して動く
- 動きが3パターンあるのでホンモノみたい
- USBで充電可能
猫が触る衝撃に反応して振動する電動のけりぐるみです。動きが3パターンもあり、抱えて蹴る度にビチビチ動くので猫ちゃんの狩猟本能がかきたてられます。
種類はエビ、ビール瓶、ハニワの3種類。本体の脇に内ポケットがあり、そこにキャットニップを仕込んで使えます。充電用のマイクロUSBケーブルが付属しているので、新たにケーブルの用意は不要です。内蔵電池がショートする危険がありますので、水洗いはできません。
キャティーマン じゃれ猫びょーん ミツバチ
- 専用クリップでドアフックや机などに固定できる
- ワイヤーの動きが不規則なので何度たたいても楽しい
- 鈴の音が猫の興味を引く
60cmの長めのワイヤーにより予測不能な動きをする猫じゃらしです。羽根フィルムのカシャカシャ音と鈴のチリンチリン音が猫の興味をひきつけます。
専用クリップが付いているので、ドアノブや机に引っ掛けることができ、キャットタワーにつければ、高いところからもじゃれて遊べます。
注意ポイントは、付いている鈴です。硬いボンドで固定されているので外れにくくはなっていますが、何度も噛むとパーツが壊れて誤飲の危険があります。傷んできたら早めに交換をするようにしましょう。
necono フェルト コロコロボール
- 咥えて持ち運べるけど、誤飲はしない絶妙な大きさ
- ウール100%なので猫にやさしい
- フェルトでできているのでオリジナルアレンジができる
ウール100%手作りの猫に優しいボールです。染料にもこだわって有害物質のない染料で作られていますので安心です。
直径3cmなので、猫が転がしたり加えたりするのにちょうどいいサイズ。カラーバリエーションもおしゃれな配色なので、猫が遊ばないときはインテリアとして飾っておくのもかわいいですね。何か別のものとつなげたり、ヒモをつけたり、オリジナルのアレンジも楽しそうです。
自動走行電動ねこじゃらし
- ランダムに走るので飽きにくい
- オートスリープ、オートオフ機能付き
- じゃらしのパーツは交換可能
自動走行型の電動猫じゃらしです。障害物回避機能があるので、モノにぶつかったまま止まってしまうことがありません。
動き始めて10分経つとスリープ状態に入りますが、本体に触れると再び動き出し、触らないまま1時間経つと自動で電源が落ちるオートオフ機能が付いています。
USB充電でフル充電した場合、3〜4時間は遊べます。3色のLEDライトと鈴つきの羽根じゃらしが猫を飽きさせないので、お留守番中でも運動不足解消が期待できそうですね。
LEDポインター BENTOPAL SMART CAT TOY
- 5段階モードで飽きさせない
- 安全性を考慮したLEDレーザー
- 1時間半ごとの自動運転機能付き
自動回転式のLEDポインター猫じゃらしです。猫の目に配慮してLEDが採用されているため、遠くに映るほど光がぼんやりしますが、5つの角度があり、猫の目に当たらずにポイントされる位置を選べます。
低速、高速の2段階に加え、飼い主さんが持って遊べる手動モードも設定可能。15分動いたら1時間半のオートオフ機能あり。電源は単三電池4本か、USB供給電が選べます。
注意:ポインターには「レーザーポインター」と「LEDポインター」の2種類があります。レーザーポインターは、まっすぐに強い光のまま進むので、光が目に当たると網膜を損傷する危険があります。
現在、日本の玩具では安全機基準のクラス1(比較的弱い光)が採用されていますが、猫の目に対して安全であるとはいえませんので、レーザーポインターの猫じゃらしは避けたほうが無難です。
LEDは、レーザーほど強い光ではありませんので、遠くに行くほど拡散する性質があり、離れた壁や床に照射されたポイントが少しぼんやりするかもしれません。しかし、猫の目は光に敏感にできているため、LEDであっても直視するのは危険ですので注意してください。
おやつボール
- 自分で工夫して食べ物を得るという本能を刺激できる
- 無駄食いを抑えられる
- 学習能力を高めるので知能を鍛えられる
穴からおやつが出てくるたまご型フィーダーです。倒しても起き上がるので、上手に転がせると中のフードが少量ずつ出てくるようになっています。
上部に空いた穴から中のフードのニオイがするので、猫が転がしたまま忘れちゃうこともありません。つまみの位置で穴の大きさを調節できます。
本体は上下に分解できるので使用後の洗浄も可能。デメリットは、部屋の床に直接フードが転がること。油脂の少ないフードを入れたり、汚れても掃除しやすい場所で遊ばせたり、床が汚れないように箱の中で使わせるなど対策が必要になります。それ以外では転がり具合もフードの出方も、ひとり遊びにはちょうどイイ商品です。
マルカン どこでもツメとぎタワーロング
- いつもの爪とぎがおもちゃにもなって一石二鳥
- 省スペースで子猫からオトナ猫まで研げる、遊べる、楽しめる
- シンプルながら部屋のどこにあっても違和感がないカラー
ストレス解消に役立つネズミのおもちゃ付きのシンプルなタテ型爪とぎ。オトナ猫でも立ち上がって爪とぎできる高さ80cmのロングタイプです。爪とぎをする麻ひもの部分は消耗品なので交換用が別売りで用意されています。
ネズミのおもちゃにじゃれて遊ぶことができます。ネズミはゴム紐で繋がっているため、強い力で引っ張るとゴムごと切れてしまう可能性があります。誤飲の危険がありますので、猫の性格を考慮して遊ばせましょう。高さ55cmのSサイズもあります。
ボール回転盤ぐるぐるタワー
- 4段レールに鈴入りトップボール、羽根のじゃらしも付いていてボリューム満点
- カラーバリエーションが多いのでお部屋に合わせられる
- 複数のボールが不規則に回るのでオトナ猫でも楽しめる
ボールがくるくる回る回転盤の4段重ねタイプのおもちゃです。それぞれの段にボールが入っているので、動きが不規則になり、猫がじゃれやすい構造になっています。
一番上のボールは鈴入り。他のボールを回すときにも音が鳴るので、好奇心をかきたてます。上段にはじゃらし棒を差し込める穴があるので、付属の羽根だけでなく、サイズが合えば手持ちのおもちゃも挿し込んで使えそう。カラーバリエーションは5色もあり、好みに合わせて選べます。
手作りもできる!猫のひとり遊び用おもちゃ
猫のおもちゃは見ているだけでもかわいくて楽しいものが多いのですが、猫ちゃんによってはお気に入りのおもちゃほど毎日遊んで、すぐに破壊してしまうというデメリットがあります。
おもちゃを手作りすると、経済的なメリットがあるだけでなく、汚れたら捨てられるので衛生面でもメリットがあります。
市販品のようなクオリティで作るのは難しいかもしれませんが、猫は見た目よりも機能を重視するので大丈夫!猫は本能を刺激するようなおもちゃなら、手作りだって大好きです。
何よりもよろこぶ姿を想いながら作ったり、遊んでいる様子を観察することでおもちゃの好みもわかりますので、愛猫との絆がいっそう深まりますよ。
ここでは誰でも簡単に作れるひとり遊び用のおもちゃの作り方を解説します。なお、おもちゃを作るときには、ハサミやカッターなど刃物を扱います。猫ちゃんも飼い主さんも、ケガをしないよう気を付けて作製してください。
超エコ!トイレットペーパーの芯で作るセルフフィーダー
ボールをコロコロ転がして、自分でおやつをゲットさせましょう。
作り方- トイレットペーパーの芯を幅1~2cmくらいの輪切りにする
- 3つの輪っかを少しずらして組み、テープなどで留める
- 帯のように1つだけ横に重ねて補強する
- ボール状になったら、中に美味しいフードを入れて猫にあげましょう
フードが出るくらいの隙間を開けるのがポイントです。セルフフィーダーは、食欲がありすぎておねだりが多い子にもおすすめ。ドライフードの油脂がつくため、汚れたら廃棄するようにしましょう。
部屋のあちこちにフードが散らかる可能性がありますので、フローリングなど拭き掃除ができる場所で与えることをおすすめします。また、誤飲すると危険ですのでホチキスは使用しないようにしましょう。
古着で作るリサイクルけりぐるみ
着古したジーンズやトレーナーのそでの部分、ハイソックスなどがあれば、オリジナルのけりぐるみが作れます。乾燥したマタタビの実を2〜3個、中に入れて作ると夢中になって遊びますよ。
作り方- 長さ30cm、幅15cmに布をカットする
- 中表にし、ひっくり返すようの余白4~5cm残して、縫い代1cmでぐるりと1周縫う
- 外表にひっくり返す
- 縫っていない穴から綿を入れる(お好みでマタタビやキャットニップを仕込みましょう)
- 綿を入れた穴を縫い留めてできあがり
ミシンがある人はもちろん、手縫いでもしっかりと縫えば大丈夫です。けりぐるみは猫が噛んだり咥えたりするので、裁縫用ボンドは使用しない方が無難。ロングソックスでも作れますが傷むのが早いので、丈夫なデニムやフィルト生地がおすすめです。
最強コスパ!アルミホイルボール
アルミホイルで作るボールは、角度によってキラキラ光るので、猫にとってターゲットになりやすい性質があります。アルミホイル1本で、何十個も作れてしまう最強のコスパおもちゃです。
作り方- アルミホイルを10cm~15cmくらいの長さで切る
- ぎゅうぎゅうに握りつぶしながら丸める
- ほどよい大きさになったらできあがり
アルミホイルは、つぶすと硬く小さくなっていきますが、誤飲しないためにも猫が飲み込めないサイズに留めておくのがポイントです。思ったより小さくなってしまったら、もう1枚重ねてから丸めて大きさを調整しましょう。
まとめ
今回紹介した猫がひとりで過ごす時に遊べるおもちゃは、どれも愛猫のストレス解消や運動不足の解消につながります。
猫にとっての遊びは、生まれ持った狩猟本能からくるものですが、狩りをしない室内飼いの猫にとっても、縮こまりがちな筋肉を使い、柔軟性を保ち、血行を良くし、健康維持に必要な行動ですので、おうちの中でもしっかりと遊べる環境を整えてあげるようにしましょう。
飼われている猫にとっては、飼い主とのスキンシップもとても大切ですが、かまってあげられないときがあるのも仕方のないことです。そんなときには、ひとり遊びできるおもちゃを利用してみてください。