飼い主の言葉を『聞こえないフリ』する猫の心理5つ

飼い主の言葉を『聞こえないフリ』する猫の心理5つ

猫と生活していると、聞こえないフリをされることがあります。名前を呼んで猫に知らんぷりをされると、嫌われているのかと少し不安になりますね。でも大丈夫!猫は飼い主さんが嫌いで無視しているのではありません。こんな理由で返事ができない、しないでいるだけなのです。

1.眠いんだよね

あくびをするキジトラ

寝入りばなは、人間でも呼びかけに対する反応が鈍いもの。猫は1日に平均14時間は眠ると言われますが、その長い眠りの合間に猫はちゃんと飼い主さんの声を聞き分けています。そして、呼びかけられれば自分が聞いていることを何とか伝えようと努力します。

呼ばれて顔を向けて挨拶することもありますが、猫の挨拶はたいてい耳だけだったり、しっぽの先をちょっと振ったりするだけです。他にも、聞こえないほど低くゴロゴロ言って返事をしていることもあります。これを手抜きと考える向きもあるようですが、猫にとっては正しい返事の仕方なのですよ。

ただ、1つだけ残念なのは、あまり目立たないので、なかなか飼い主さんに気がついてもらえないことです。猫たちは遠のく意識の中、必死で返事をしようとしています。決して聞こえないフリをしているのではありませんので、それを分かってあげてくださいね。

2.何かに夢中!

喧嘩する猫

人間は猫を完全に人間の世界に取り込んだつもりでいますが、猫には猫の世界があって、頑固にそれを手放さずにいます。ですから、猫がその世界に行ってしまっている間は、人間の言葉は通じなくなります。

特に返事がおろそかになるのが、ライバルが登場した時です。窓の外を猫が通り過ぎたり、新しい猫を受け入れたりすると、猫はライバルを牽制します。この時制止しようとしても、「これは人間には関係のない話!」と耳をかしてくれないでしょう。これはいわば猫世界の危機管理の問題ですから、人間が割って入ったところで聞き入れてもらえる筋ではないのです。

また、夢中になって遊んでいる時も、反応が薄いものです。飼い主さんと一緒に遊んでいる時は、いわば狩りの自主トレーニング中。一見飼い主さんが遊んであげているように見えて、ほとんどの場合猫主導になっています。猫の方から「早くそれ投げて!」と声がかかっている状態ですから、名前を呼んだところで「早くして!何してるの?」と思われるだけなのです。

3.相手にしたい気分じゃない

女性と三毛猫

知らない人に呼びかけられた時、猫は一瞬目を向けるかもしれませんが、その後知らん顔をするものです。知らない相手に義理立てする理由など全くないからです。しかし、飼い主さんに対してこういう態度をとる時には、どこか具合が悪いのかもしれません。

この体調不良による聞こえないフリは、一見すると眠たさを我慢している時とあまり違いがありません。しかし、これを見逃すと、深刻な症状になってしまうことも少なくありません。一般的には、「触ってほしくない」「そっとしておいてほしい」「あっちに行ってくれ」という気分の時には、

  • 耳やしっぽの挨拶がない
  • 喉をゴロゴロいわせない
  • 暗い静かなところにこもりたがる
  • 触ると嫌がる

など、人間を拒否する態度を示し始めます。しかも、高齢猫の場合は、普段からこのような傾向にありますので、なかなか見つけるのが大変です。ですから、少しでも「最近なんとなく無愛想だな」と感じたら、1度病院に連れて行ってもいいかもしれませんね。

4.パニック中

木のからのぞくトラ猫

聞き慣れない大きな音に驚いたりしてパニックを起こした猫は、もう誰にも止めることができません。なぜなら、聞こえないフリをしているのではなく、本当に何も聞こえていないからです。

パニック時の猫の心は、恐怖で満たされています。そして、脳が「その場から離れろ!」と命令を出し続けるので、逃げることしか考えていません。そして、隙さえあれば、あと先考えずに逃げ出そうとします。そうなってしまうと、とにかく落ち着いてくれるのを待つしか方法がありません。

こんな時、人間はつい「落ち着け」「大丈夫だから」と元気な声をかけがちです。しかし実際は、黙ってそばに座っていた方が猫は早く落ち着きます。そして、猫が落ち着きを見せたら、静かな声で名前を呼んでみましょう。

柔らかいトーンで呼びかけているうちに、ふと目が覚めたように猫の表情がゆるむ瞬間があります。そうなって初めて猫に言葉が届きます。それまでは、じれったくてもその瞬間をゆっくり待ってあげましょうね。

5.頭にきてるの!

背中を向けて座る猫

ごはんやおやつを要求したのにもらえなかった時。あるいは、外へ行くのを断られたり、別の猫ばかり可愛がったりした時など、猫は無言の抗議をし始めることがあります。

そんな時は、手が届くか届かないかの微妙な場所にお尻を向けて座り込み、声をかけても知らん顔です。しかし、声に合わせて耳が動いたり、背中の筋肉がピクピクしたりするので、聞こえているのは誰の目にも明らかです。それでもしつこく呼んだり撫でたりしていると、鳴いて怒りを爆発させることもよくあります。

しかし、これはご愛敬です。我が家には保護猫1匹いますが、家に入って年月の浅い彼は、ひどいことをされたと思えば物陰に隠れてしまいます。無視するなんて可愛い抗議の仕方をするのは、猫が家族を信頼しているからこそなのです。

そんな時は、おやつやおもちゃで気を紛らせて、ご機嫌回復をはかってもいいですね。ただし、しつけの最中なら話は別です。猫が怒ろうがイタズラを始めようが、徹底的に無視して人間側の意図を伝えましょう。

まとめ

りん

猫は、わざと聞こえないフリをすることもあれば、本当に聞こえていない時もあります。聞こえないフリをする時は、自分の意思を通そうとしている時ですし、聞こえていない時は、何かに集中していたりパニックに陥っている時です。

しかし、飼い主さんに対して意地悪な気持ちで聞こえないフリをしたり、無視したりしているのではありません。その辺りを理解して、猫とのコミュニケーションを深めていってくださいね。

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