猫の足踏みとは?
猫はどんな時に足踏みをするのでしょうか。考えられる原因は次のようなものです。
甘えている時
今日のねこちゃんより:ココア
猫がする行動はすべて、母猫と一緒にいる時に覚えたことから由来している、と考えられています。そのため、母猫のおっぱいを飲んでいた時にしていた行動を取っている場合もあり、その頃の気持ちになって甘えていると言えるでしょう。
また、母猫に十分甘えられずに育った猫が、人間や毛布などに足踏み行動をするとも言われています。人間や他のペットなど、嫌っている相手には足踏み行為をしないことから、猫なりの愛情表現をしているとも言えます。
リラックスしている時
今日のねこちゃんより:まっちょ
ご飯を食べ終えて満腹な時、眠い時など、リラックスしている時に足踏みをすることがあります。
こちらも、子猫の頃に満足してリラックスした状態で母猫と過ごしていた頃と同じような感情になっているために、足踏みをしていると考えられます。
リラックスしているから足踏みをするという関係は、逆に足踏みという行動をすることによって、猫のリラックスにもつながっている、と考えられます。
ストレスを発散させる時
今日のねこちゃんより:コマ
自立心の強い猫や、あまり甘えない猫の中には、甘える行為としての足踏みをほとんどしないものもいます。
そのような猫でも、甘える意味ではなく、運動不足や何か不安を感じてストレスを感じている時には、足踏み行為をすることがわかっています。落ち着いたりリラックスしたりするためですが、猫にとっては無意識にしている行動だと考えられます。
足踏みの行動は、満たされない気持ちを埋めている
猫の脳には、運動に関する刺激に非常に敏感な場所がある事が科学的に証明されています。三半規管が非常に発達し、狩りをするための運動機能に優れているため、いつも寝ていてそうした急な行動に備えて、「充電」を行ってるのです。
しかし飼い猫は、そうした準備を整えても狩りをする機会はまずありません。飼い主がおもちゃで遊んで反応が良いのは、おもちゃを「獲物」と勘違いしているからで、やがてそれが対象でない単なる「物」という認識が出来れば、おもちゃには一切興味を示さなくなります。ですから飼い猫は獲物を追って走り回る必要が全くないのです。
猫が足踏みをよくするといった家庭をよくよく調べると、「猫と常に1対1」の関係が築かれているご家庭が圧倒的に多いです。親から早くに引き離されてから、要するに思い切り走り回ったり、狩りをするような疑似的な行動経験が少ない猫の場合、非常にこの足踏み行動がよく見られます。
それはつまり、本能では本来行うべき狩りに対する行動が飼い猫であるという環境によりできていないために、その満たされない本能的欲求を足踏み行動によって消化している、と言えるのです。
猫同士で足踏みをしているのは?
これも、最初から複数頭の猫を飼っているケースでは、ほとんど足踏み行動は見られませんが、成猫がいる家庭で、後から子猫を連れてきて飼い始めると先住の猫に対して、後から来た若い猫が足踏みをすることがよくあります。親を懐かしんでいるというよりも、むしろ親から本来受け継ぐはずの狩りの本能が不完全な猫には、若い猫にはそうした行動が多いのです。
「子猫時代の母親のおっぱいをねだる時の行動に似ている」との説もありますが、前述したようにむしろそれは、子犬ならあり得ますが、猫の様に巣立ちが早い動物ではそうした甘えのような行動はむしろ少なく、叶えられない本来の行動を足踏みでなんとか満たしていると考えた方が、猫の飼育状況から考えて妥当だと思います。
猫の足踏みと本能
犬の場合、子犬から飼い始めると人間の様に愛情を受けて、飼い主に顔を向けていつも追いかけてくる性質が非常に強いです。そのため、人のそばにいると、犬は精神的に、「群れ」の中の一員として感じて、安定すると言われています。しかし、猫はそうした特色がありません。親離れした猫は、家族の元に帰るという行動は無いのです。
この単独行動を好む傾向があるために、猫好きの人は「猫は気ままで好き」となるようですが、猫から見ると、自分より大きな人間は「襲えない対象物」であって、決して仲間には見えていないのです。猫は仲間同士で食べ物を分けることはしませんし、繁殖が近くなればオス同士では必ずケンカになるものです。自分のテリトリーに「見知らぬ顔」は認めません。あるいはそのテリトリー内にいたとしても、知ってる顔はただ単に自分に危害が無いから、存在を許しているだけです。
猫は野生に限りなく近い
そうした中、一般的な飼い猫と野良猫・野生の猫では大きく異なる点が一つあります。それは、「狩り」という本能から来る行動を、飼い猫の多くは除外され、あるいは意図的に奪われている点です。しかし、この野生の本能を猫は現代でも色濃く残しているのです。そのわけは、猫の品種の多くが突然変異によって誕生していたり、その地域に住む独特の血統に代々引き継がれ生きてきており、犬のような品種改良はほとんどされてこなかった点にあります。
日本に住む多くの家猫は、洋種と和種の混血が多いのですが、和猫(日本猫)の代表格、三毛猫の血統の濃い個体は、やはり野生種に近く、人懐っこさはかなり低いです。
猫の足踏みは本能が転換された行動の表れ
猫の喉がゴロゴロ鳴るのは、科学的にいまだに謎なんだそうですが、あれもまた甘えた時だけに鳴らしているわけではありません。実際、猫を見ていると自分を嫌っている猫も、撫でさせてくれると喉を鳴らします。
どちらかと言えば、猫が何か飼い主さんに要求してくるときは、尻尾をピンと伸ばして立てたり、足元でまとわりつくように体を擦りつけたり、頭をこすりつけたり、繁殖行動と同じようなものが多いのです。ある種の条件反射のような反応でしょう。単に「気持ちがいいから。」という理由があって、特に甘えたいからでは無いような気がします。
足踏みも同様で、閉ざされた空間で獲物を追いかける必要もなく、またテリトリーを主張する必要もない猫では、獲物を捕らえて離さない鋭い爪も、肉を切り裂く鋭い牙も使い道がありません。ですから、外によく出ている猫は、時々一緒に遊ぶとよく強く手などを噛んでくることがあります。これは狩りの真似事で、満たされない欲求を手を噛むことで転嫁させているというわけなんですね。猫の足踏みもこれと非常に良く似ています。
野良猫は足踏みをしない
私の近所の野良猫、また私自身が世話したり救助をしてきた野良猫などから、猫の足踏み運動を発見したことはありません。ところが、一般家庭で飼われている猫は、この足踏み運動がよく見られます。それはなぜでしょうか?
多くの飼い猫の飼育期間
ペットショップやブリーダーから子猫を買うケースでは、2か月未満は法律で販売できませんが、2か月経ったすぐの頃からもう子猫は離乳食を食べなくなっていきます。通常一般の方が子猫から飼い始める場合でも、ペット用ミルクを使う期間は1か月も無いでしょう。これは飼い猫の特徴の一つかもしれません。
一方、野生や野良猫では子猫が生みの親から離れるのは非常に早いです。
野良猫を観察するとわかりますが、子猫が親のすぐそばから離れない期間は、1か月未満がほとんどです。気が付けば親が近くにいるだけで、その周辺で一匹で遊ぶ子猫の姿がよく見られるようになります。犬に比べて、この親離れの期間は猫の場合、極端に短いですね。これは狩りを本能とする動物の特徴なのかもしれません。
つまり多くの飼い猫は、本来なら親離れをしている状態から飼育を始めていると言って良いかもしれませんね。
野良猫が足踏みしない理由
猫は一匹で生活して、不安になるとか寂しいといった感情はありません。ですから無人島でも、中東の過疎の地域や、都会でも野良猫で生きていけるのです。むしろ、自分のテリトリーに獲物を奪い合う同種がいない方が好都合で、よく餌を与える家近くに野良猫が多く一か所にいるのは、テリトリーが互いに重なっていても食料が充分確保されているからです。
当然、ここに他の場所から他の猫を連れてくればこのバランスは崩れて、毎夜ケンカする日々になります。また雌猫が一定数存在する地域は、必然的に猫同士の衝突も少ないので、猫が多い地域はそれだけ生まれる猫も多いことになるのです。
猫を飼うことは、猫の自由を奪わない事
大きな庭があって、ほとんど日中は構わず猫の首輪にリードを付けて、庭で猫を自由にさせているご家庭が近所にあります。とても落ち着いていて、体格もよく、落ち着いているためにいつも昼寝しています。一方で、野良猫が自由に出入りする猫好きの家庭の近所では、猫のケンカが常に絶えません。どちらが猫にとって幸せなのかは、猫に聞いてみない限りわかりませんが、ケンカが多い猫同士では、病気の転移や怪我によって猫の寿命が短いのは自明の理といえるでしょう。
飼い猫は、猫本来の自由を奪ってるともいえます。しかし一方で人の気持ちを癒してくれますが、決してそれは人のためにやってくれているわけでは無いのです。
私の知っている飼い猫の足踏みエピソード
私がかつて飼っていた家猫は、かなり離れた地域の家庭で生まれた子猫でした。兄妹も多かったのですが、離乳と同時に兄弟から引き離されたので、環境が我が家に来てすっかり変わり、最初は臆病でいつも鳴いている子でした。
その子が1歳になるまで、この足踏みはよく見られ、我が家の方針で猫は外に出していたお陰で、他の猫との接触による感染症で4歳で亡くなったのですが、やはり外に出るようになってからは足踏みは一切見られなくなりました。猫の兄弟同士では狩りの真似事を遊びの中でよくやりますから、今ではあの足踏み行動は、そうした代わりでやってたんだなと思っています。
個人的には猫の足踏み行動を見ると、色々複雑な思いに駆られますね。
30代 女性 ひぃーちゃん
マーブルは、以前、最初に飼って居た猫が病院にお世話になってた時に、仲良くなった看護士さんから、譲って頂いた猫で、生後5ヶ月で、我が家に来ました。来た時から、何の戸惑いもなく、直ぐに馴染んでくれたので、即飼う事にしました。洋猫の性格なのか、滅多に鳴く事は無く、常に大人しく、おっとりな性格です。段々年を取るに連れて、甘え上手になり、ご飯要求の時だけ、尻尾をぴーんと伸ばしながら、ニャーニャーと鳴きながら、主人や私の傍に寄って来るようになりました。
後、自分の寝床や、主人や私の腕などを、ふみふみするようにもなりました。最初は、甘えてるのかな?とも思ったりもしたのですが、常に家猫なので、走り回れないストレスも有り、そう言う行動をするのではと思います。
もう1匹の日本猫のミルは、私の住んで居る家の近くに捨てらている所を保護しました。保護した時は、推定3ヵ月で、歯も生えていて、常にニャーニャー鳴いていました。少しの間は、子猫用のミルクなどをあげていました。
ミルも、年を取るにつれて、特に私に甘え上手になり、姿を見つけては、ニャーニャー鳴きながら、傍に寄って来ます。
性格は、活発的で、人見知りな所です。
マーブルと同じく、年を取って来てから、寝床などをふみふみするようになりました。人見知りの事もあって、私達の腕などでは、ふみふみはしません。
常に動物は、喋れない代わりに、行動や仕草で、私達に何かを訴えているのかも知れませんね。
40代 女性 coco
今も柔らかい素材のものを見つけては、よくふみふみしてます。とくにフリース素材が大好きなので、その上でふみふみして、そのあとは満足したのか、必ず寝ます。猫はよくツンデレと言われていますが実際に飼ってみると、全然そんなことないのがよくわかりました。単独行動を好む猫でも、やっぱり甘えたくなるときがあるのかもしれませんね。
40代 女性 miyuki
ちなみに、うちの猫は元ノラちゃんで今も外に出していますが、フミフミをしなくなったということは一度もありません。基本的には、猫がやりたいだけさせてあげて見守るようにしています。
女性 のん
ウチの猫のウチ、1匹は生後2〜3ヶ月の子をシェルターから譲り受けたので、母猫と離れるのが少し早かったのかも、と思います。コチラは良く足踏みをしています。後から来た方の猫は、恐らく生後半年位だと思いますが、近所にいた野良猫を保護しました。コチラはたま〜に、足踏みしています。比較するとやはり母猫と離れる時期が早かったであろう前者の猫の方が、甘えん坊な気がします。
ですから、足踏みは子猫の気分に戻っている(子猫の気分が抜けていない)、という説もあながち間違っていないような気もしますが、確かに完全室内飼いの場合、運動不足には注意しなくてはいけませんね。たまに突然狂ったように走り出すこともありますので、きっとパワーが有り余っているのだろうな、と感じることがあります。きちんと時間を取って、愛猫と遊ぶ時間を作らねば、と反省させられた記事でした。
30代 男性 ふー
でも本当のところ猫がどんな気持ちで足踏みをするか誰にもわからないんですね。全ては人間の予測でしかないのですから。我が家の猫は、フリース素材のブランケットによくフミフミカミカミしています。あのフリースの感触が母猫の被毛の感じに似ているのかなと思っていますので、やはり僕は甘えているのかなと思いますけどね。ただ悲しいことに家族にはフミフミしにいっているのに僕のところにフミフミしにきてくれません。性別が女じゃないからかな?決して嫌われている訳じゃない、と自分に言い聞かせてます。
女性 ゆず
また、甘えているわけではないとあったので気をつけたいです。本当に猫が甘えてきてくれた時に構ってあげられるように愛猫の甘える仕草をちゃんと認識しておくことも大事だなと感じました。
40代 女性 ちゃこ
我が家の子猫ちゃんは、お乳を飲むときに足踏みをして催促します。母猫ちゃんはそれに気づいてお乳を飲ませてあげていました。子猫ちゃんたちが一斉に足踏みをする姿は可愛いの一言です。成長して兄弟猫同士で遊んでいるときも、足踏みをしながら狙いを定めて飛びかかって遊んでいました。小さな手足で足踏みをして遊んでいるのをみるのが嬉しいです。