猫は賢い動物!自分が弱いと認めたときの仕草
猫が苦手な人は「猫は凶暴」「すぐに喧嘩する」など、猫が攻撃的な動物である印象を強く抱いています。猫そのものがワイルドなルックスであれば無理もないでしょう。
しかし、実際には人間が思うほど喧嘩をする動物ではありません。猫は非常に賢く、自分はもちろん相手にも致命傷を負わせないように、細心の注意を払って生きています。
人間社会において暗黙のルールが存在するように、猫社会にも一定のマナーがあります。その中で、今回は弱い立場の猫が強い猫に対して見せる仕草をいくつかご紹介いたします。
1.目を逸らす
猫同士は基本的に目を合わせることがありません。相手の目を見ることは「喧嘩を売る」行為なのです。だから、反射的に目を逸らす習性があります。
さらに、喧嘩になりそうになってしまった際には、弱い猫が先に目を逸らします。これは「降参」の合図です。すると相手の猫は威嚇や攻撃をストップします。負けを認められた以上、無駄な攻撃はせず、認めたほうも深手を負うことを回避できるのです。
2.身を縮める
相手が明らかに強いと認識している場合、目を逸らすと同時に身を小さくします。これも負けを認める仕草になります。このように素直に降参することで、無駄な怪我を避けています。
猫の世界で負けを認めることは恥ずかしいことではありません。余計な揉め事を避ける賢い行動といえます。
ちなみに猫は、自分の縄張りに子猫が侵入してきたときは、威嚇のみで攻撃することはありません。それは、子猫がまだ猫社会のルールを知らないと理解しているからです。その代わりに威嚇することでルールを教えるのです。
3.しっぽを丸める
猫は強い相手に遭遇してしまったときや、恐怖を伴う体験をしたときは咄嗟にしっぽを丸めます。しっぽが長い場合は、後ろ足の間に挟み込む形になります。
これには「お願い、襲わないで」という思いが込められています。弱いと認め、自分自身には攻撃の意思がないので見逃してほしいとアピールしているのです。
しっぽを前に巻いて座るのはなぜ?
一見普通に座っているように見える猫が、よく見ると前足の前にしっぽを巻いて座っていることがあります。これにも特別な意味があるのでしょうか?
実は、この座り方も「自分のほうが弱いから許してね」という気持ちが表れています。やや警戒している場面で目にする光景です。
家猫の場合は、もう少し踏み込んだ理由が隠れていることがあります。過去にしっぽを踏まれそうになった、もしくは踏まれて痛い思いをしたことがあるなどの経験から、しっぽを守るために巻いていることがあるのです。
まとめ
猫ははっきりとした顔立ちと、ややつり目がちで鋭い眼光から「気が強い」印象を受けてしまいます。さらに、繁殖期に見られる「鳴き合い」というオス猫特有の行動から、頻繁に喧嘩をしていると誤解してしまうのです。
一部オス猫に見られる「子殺し」という残酷な行為はあるものの、基本的には無駄な争いをせずに生きています。弱いと認めた相手に集中攻撃をしない・子猫は喧嘩の対象外など、猫社会は人間が思う以上にフェアなのかもしれません。