猫が人をひっかく理由
猫が人をひっかくのには、以下の理由があるようです。
- ただじゃれているだけ
- 興奮状態
- 縄張り意識
- ヤメてと訴えている
ただじゃれているだけ
遊びの一環で、じゃれてひっかく事があります。加減が分かっている成猫では爪を出して遊ぶことが少ないので、ひっかかれる事は少ないのですが、子猫の場合、遊びが半分本気になり、爪を出してじゃれると、ひっかかれてしまう事が。飼い主さんの手や足を、おもちゃや獲物だと勘違いして、ひっかく事もあります。
興奮状態
怒りや恐怖、パニックなど、猫が興奮状態に陥った時、うかつに近づくとひっかく事があります。興奮している猫には、近づかないようにしましょう。なだめようとして近寄ると、余計に興奮させてしまいます。猫から離れて、落ち着くのを待ちましょう。
縄張り意識
飼い猫でも、縄張り意識はあります。特にオスは縄張り意識が強く、去勢していない猫では、かなり強固です。ですから、来客があったり庭に見知らぬ猫がいたりすると、縄張りを守るために、侵入者をひっかくのです。不妊手術をすれば、縄張り意識は薄れると言われていますが、それでも全くなくなる訳ではありません。多頭飼いの場合は、それぞれが十分な縄張りを持てるようなスペースが必要となってきます。
ヤメてと訴えている
猫が何かをヤメて欲しい時や、怖いと感じた時にひっかいて訴えることも。猫は自分から「撫でて〜♡」と言ってきたくせに、満足すると突如、「もうイイわ!(怒)」と豹変する性質を持っています。猫なりのヤメてサインは出しているものの、それに気がつかずしつこく撫でていると、ひっかきが炸裂するのです。十分お気をつけください・・・。
猫にひっかく事をやめさせる対策
猫にひっかかれると、痛いだけでなく後述する病気にかかる可能性もあります。猫がひっかく事を、止める方法とはなんでしょうか?
- 猫がひっかくと「痛い!」と言う
- 猫がひっかく爪を切る
- 他にひっかく物を与える
- フェイシャルホルモンを使う
猫がひっかくと「痛い!」と言う
猫がひっかいて来たら、遠慮なく大きな声で「痛い!」と言いましょう。猫は人の言葉は分かりませんが、雰囲気は伝わるようです。何度か繰り返して行うと、そのうちひっかくのをやめてくれるでしょう。もしくは、爪を出さずに遊んでくれるようになります。
猫がひっかく爪を切る
猫のお手入れされた爪は、先が針のように尖っており、皮膚に食い込むと物凄く痛いです。ご経験のある方は、お判りでしょう。猫用の爪きりで、先端部分をカットしておけば、少なくともひっかく時に爪が刺さるのは、避けられます。それだけでも大きな違いです。
猫は爪を切られるのを嫌がる事も多いですが、何とかごまかしながら、切るようにしてください。それが、身のためです。もしどうしてもカットが難しい場合は、動物病院かトリミングサロンなどで、プロの手をお借りしてカットして貰いましょう。
他にひっかく物を与える
猫に爪とぎは必須です。爪をとぐ場所がないと、猫はストレスを溜めてしまいます。または、用意してある爪とぎが気に入らないのかも。爪とぎは様々な形、素材のものがありますので、愛猫好みの爪とぎを、探してあげてください。
猫がひっかく時にすかさず、猫用のおもちゃを与えるのも良いでしょう。力いっぱいひっかいても、噛み付いても、壊れない丈夫なものを、用意してあげてください。おもちゃ内部に鈴が入っていたり、マタタビが入っていたりするものなども、猫の興味をひけるかもしれません。
フェイシャルホルモンを使う
猫の顔付近から分泌される、フェイシャルホルモンを人工的に作り出したホルモン製剤があります。こちらを使用すると、猫が落ち着くと言われています。猫が良くいる場所や、ひっかいて欲しくない場所にふりかけておくと、猫がひっかく行動が減ることが報告されています。
猫がひっかく事で痛みや腫れが出た場合
猫がひっかく事で出来た傷は、大抵は普通の傷と変わりなく、しばらくすれば治る場合がほとんどですが、痛みが出て腫れる事があります。その場合、以下のような病気かもしれません。早急に受診してください。
- 猫ひっかき病
- パスツレラ症
- カプノサイトファーガガニモルサス感染症
猫ひっかき病
猫ひっかき病は、猫がひっかく事でバルトネラヘンセラという細菌が感染して起こります。特に、夏から秋にかけて、子供に発症しやすい病気です。症状は、ひっかかれてから10日して赤く腫れたり、リンパ節が腫れたり。発熱や関節痛なども起こります。数週間〜数ヶ月で自然治癒することが多いですが、抗生物質で治療する事も可能です。
ネコノミがこの病気を媒介するので、愛猫にノミがつかないようにする事が、感染予防に繋がります。ひっかく事で傷がつかないよう、マメに爪きりを行うのも、重要です。
パスツレラ症
パスツレラ・ムルトシダという菌は、猫の口の中に常在しています。猫にひっかかれたり噛まれたりする事で傷が腫れる、激痛などの症状が現れることが。普段はそれほど毒性の高い菌ではありませんが、免疫力が落ちた時には注意が必要です。
愛猫と食器を共有したりキスしたりすることで感染のリスクが高まりますので、過剰なスキンシップは避けるようにしてください。稀にくしゃみなどで空気感染する場合もあるので、くしゃみをしている猫には近づかないようにしましょう。
カプノサイトファーガガニモルサス感染症
カプノサイトファーガガニモルサスも、猫の口内に常在する細菌です。免疫力が落ちると発熱や腹痛などの症状が出る場合があります。
重症化すると敗血症や髄膜炎、播種性血管内凝固症候群などにかかり、最悪の場合死亡するケースも。ですが、感染は稀です。ただ、いくら可愛くても日頃から、過度に愛猫と接するのは避けましょう。
まとめ
猫がひっかくのには、色々な理由が、あったのですね。猫がひっかくのを完全に防ぐため、爪を手術で取り除く方法もあるのですが、猫自身が苦しむ方法なので、あえて記載は致しませんでした。
猫がひっかくのは本能とは言え、猫と人が安全に楽しく暮らすため、なるべくひっかく場面を減らすような工夫を、していきたいですね。