猫の悪魔
猫というと、今では「かわいい」「天使のような存在」と思っている人の方が圧倒的に多いでしょう。
しかし、長い歴史を振り返ってみると、猫に対してあまり良いイメージを持っていなかった国や人も多く、猫のことを「悪魔の手先」「不気味な存在」と捉えていたこともありました。
そのため、様々な国で猫をモチーフにした悪魔や妖怪の伝説が残っています。今回は、猫をモチーフにした悪魔や妖怪をいくつかピックアップして紹介します。
1.アイム
By Louis Le Breton - https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k5754923d/f327.image; https://books.google.co.jp/books?id=xhsx4MhNx2gC&hl=ja&pg=PA317#v=onepage&q&f=false, パブリック・ドメイン, Link
アイムとは、悪魔学に登場する悪魔のひとりです。
17世紀頃に書かれた作者不明の魔術書「ゴエティア」の中で、このアイムについての記載があります。
アイムは人間のような胴体から、猫、蛇、人間の男の3つ頭が生えている悪魔で、手には松明を持っています。アイムの他に、エイムやハボリムといった別名も持っているそうです。
人をそそのかすことが上手な悪魔で、放火に関する出来事を司っている悪魔だといわれています。
2.猫又
By Sawaki Suushi (佐脇嵩之, Japanase, *1707, †1772) - scanned from ISBN 4-3360-4187-3., パブリック・ドメイン, Link
猫又は、日本に伝わる猫の妖怪の一種です。
妖怪であるため、先ほど紹介したアイムのような悪魔とは、またちょっと違った存在といえます。
見た目はほとんど猫の姿なのですが、しっぽが二つに分かれているといった特徴を持っています。人に飼われている猫や山奥に住む猫が長生きをすると、やがて猫又になるという言い伝えがあり、猫又になった猫は、後ろ足で立って踊るという伝説も残っているのです。
「踊り好きな猫」と聞くと、ちょっぴりお茶目な妖怪のようにも思えますし、悪魔のような怖い存在とは程遠いようにも感じられます。
3.ヴェータラ
Illustrations by Ernest Griset - Richard Francis Burton: Vikram and the Vampire, or Tales of Hindu Devilry. London: Longmans, Green, and Co. (1870) কর্তৃক, পাবলিক ডোমেইন, সংযোগ
ヴェータラはインドに伝わる鬼神の一種です。鬼神であるため、悪魔に近い存在といえます。
ヴェータラは、死体にとりつくことができる鬼神といわれており、その姿は赤毛を持った猫のようだという言い伝えが残っているのです。
死体を操ることによって、人間に害を与えることができると信じられており、同じくインドの神であるシヴァの眷属であるといわれています。
一応、神という存在ではありますが、人間に害を与えるという点においては、悪魔的だといえますね。
猫の悪魔顔3連発
ここからは、実際の猫がふとした瞬間に見せた「悪魔顔」を紹介します。
いつもは可愛らしい猫のはずなのに、睡眠前やあくびをした瞬間に、怖い顔になっちゃう猫たちを3つ続けてご覧ください。
1.あくび中に悪魔顔をする猫
恐らく、あくびをした瞬間に撮れたのではないかと推測できる猫の悪魔顔です。鋭く生えている牙に、「悪魔らしさ」を感じることができますね。
この写真を見ていると、ちょっぴり怖いような印象も受けますが「この後、睡魔が襲って寝てしまったのかな?」なんて想像をすると、可愛らしく思えてきます。
2.あくび中に悪魔顔をする猫②
こちらもあくび中に悪魔顔になってしまった猫の写真です。この一枚だけ見ていると、まるで何かに対して威嚇しているようにも感じられますが、実はただ眠たいだけという点がお茶目で可愛らしいですね。
3.白目をむいて悪魔顔する猫
こちらは白目をむきながら、口を開けている猫の写真です。鋭い牙だけでなく、白目をひん剥いている所も「悪魔的」だと感じられます。
猫はまん丸でかわいらしい目をしていることが多いですが、実はあくびした瞬間や寝ている最中に白目をむくこともよくあります。
愛猫が眠たそうにしている瞬間を狙えば、このような白目のホラー顔を撮影できるかもしれませんよ。興味のある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
猫をモチーフにした悪魔や妖怪が多いのは、猫がふとした瞬間に悪魔顔を見せるからなのかもしれません。とはいっても、あくびや睡眠中に悪魔顔になることが多いため、悪魔顔をしているからといって機嫌が悪いとは限らないようです。
ただし、猫が何かに対して威嚇しているときや、しっぽをパタパタして苛ついているときは、気分も「悪魔的」になっている可能性があるため、そのようなときはそっとしておきましょう。