猫は魔除けになる?
もちろんのこと、猫は魔除けになります。古くは古代エジプトから猫は現実的に動く魔除けとして重宝されてきました。
ペストなどの伝染病を媒介し、貴重な食品を食べてしまう鼠を、駆除する動物として大変に大切にされてきました。そして猫の持つ身体能力は、神秘性である「猫の目の光」「しなやかな動き」が妖しげにも見えるので、魔女狩り時代は魔除けならぬ「魔」の化身として忌み嫌われる長い歴史もありました。
しかし人の気持ちを汲む猫の神秘さや、猫と一緒に暮らす、飼い主の気持ちの充実度など実質的なメリットが多い動物でしたので、魔除けとして扱われることが現在も多くあります。人間に好かれ一緒に暮らす動物、神秘的な「魔除け」として猫は常に人間とともに生きてきました。
猫を魔除けとしてきたお話
1.古代エジプトでの太陽神としての魔除け猫
古代エジプトは猫を神として崇拝した事で有名です。闇の代表としての蛇を退治する動物として、猫は魔除けとされていたようです。
猫にとっても蛇は怖かったようですから、本当に魔除けとしての神様とされていたようです。
2.魔除けとしての「鼠捕り猫」
江戸時代、養蚕業や農業を生業としているところでは「鼠捕り猫」である魔除けとして猫は人気がありました。
そして鼠をよく捕まえられる血統の猫は高価格で取引されていたようです。実質的なところから考えても「鼠捕り猫」は魔除けと言って良いのではと思います。
3.労咳の魔除けとしての「黒猫」
西洋での黒猫は魔女の化身や手先と言われ、苦しい時代を過ごしていましたが、江戸時代の日本では黒猫を飼うと労咳が治ると言われ、黒猫は魔除けとして重要な地位を占めていました。当時の川柳には黒猫と労咳について詠まれた物が残されています。
4.魔除けとしての「鼠よけの猫絵」
- 富山売薬版画
- 岩松氏の猫絵
- 歌川国芳の鼠よけの絵
本物の猫ではありませんが、幕末から明治にかけて魔除けとして「猫絵」が流行しました。
現在は猫といつでも暮らすことができますが、当時は猫が少なく高額であったために生きている猫を手に入れるのが容易ではなく、猫を飼うことができない農家がほとんどでした。魔除けのために「猫絵」「御札」「猫の人形」などを使用していたようです。
上州新田岩松氏である当主たち「義寄」「徳純」「道純」「俊純」の4代は「猫絵の殿様」とも言われ、それぞれの直筆の絵が魔除け猫絵として現在も保管されています。
上州(群馬県)、下野(栃木県)、信濃(長野県)の養蚕を生業としている農家では、彼らの描いた猫絵が「魔除け」ならぬ「鼠よけ」に絶大な効果があると信じられていたようです。この岩松の殿様たちが配る物には、鼠だけではなく様々な物事に効力を発揮したようです。
別の猫絵になりますが、猫好きの浮世絵師である歌川国芳が描く猫絵も「魔除け」として利用されていました。歌川国芳が描く、多くの「鼠よけ」の絵は写実的であり、鼠が怖がってこないと言われて人気がありました。まさに魔除けとしてのお守りですよね!
5.イーペルの猫祭り
中性ヨーロッパには魔女の手先とされた黒猫が大量に殺された歴史があります。イーペルの時計台では猫を投げて殺す儀式が1837年まで行われていました。1837年より罪のない黒猫たちを追悼のために、現在も「猫投げ」は行われています。
猫投げ時に投げられるのは、本物の猫ではなくぬいぐるみの魔除けの黒猫で、その投げられた「黒猫の人形」を拾った人は幸せになるそうです。
6.招き猫の存在
夜でも目が見え、移動にも苦労をしないこと、音もしないで幽霊のように側によってくること、高い所から落とされても無事に着地できること、獲物を捕まえるときは無慈悲であることなどから「猫には魔力がある」と迷信深かった江戸時代の人たちは思っていました。
しかし高度な能力とともに子猫を大切に慈しみ育てるなど、不気味な恐ろしい猫からは想像もつかない猫の仕草から「招き猫」が誕生したと言われています。
招き猫は魔除けの最大の人形ではないでしょうか?本物の猫の代わりに魔除け猫、福招き猫として現在も大変に珍重されています。豪徳寺は招き猫のお寺として有名です。
7.魔除けのお守りとしての「猫ひげ」
猫にとって大切なひげは意外に抜けてあちこちに落ちているようです。
この猫にとって大切なひげを集めて、魔除けとしてお守りにする飼い主は多くいるようです。
せかいいちのねこ (MOEのえほん)
絵本作家のヒグチユウコ氏の素敵な猫の絵本には、本物の猫になりたいために、ひげを集めているぬいぐるみの猫が出てきます。
やはり、猫にとってひげは大切なのですね。
ビーグラッドストア 猫専用桐製猫のひげケース ロング
大切な猫のひげを魔除けとしてお守りとして桐箱で保存することができます。
猫専用猫のひげスタンド (ブラウン)
大切な猫のひげをしまっておくのではなく魔除けとして飾っておく陶器製のスタンドです。
まとめ
猫は魔除けの効果がある!昔からある7つの言い伝えや伝承についてお話をさせていただきました。不思議と猫の写真を見ていると魔除けとしても、お守りとしても効果を発揮してくれているような気がいたします。
良い薬も疑心暗鬼で飲めば効能は薄れると言います。魔除けとしてもお守りとしても、猫はやはり威力を発揮するということで間違いがありませんね!