孤独死した飼い主さんを思い続ける…愛猫の思いが切なすぎると話題の作品

孤独死した飼い主さんを思い続ける…愛猫の思いが切なすぎると話題の作品

独り暮らしの飼い主さんが愛猫を残し孤独死。人恋しくなった時も瀕死の時も飼い主さんを思い出す猫に感動の嵐。悲しい思いをさせたくないと愛猫を抱きしめて涙した人続出の話題作です。

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愛猫がパートナーだった独り暮らしの飼い主の孤独死

人付き合いや親族から距離を置き、独り暮らしで愛猫とひっそり暮らす人が決して少なくない現代。

そこに至るまでにはそれぞれの経緯があり、就職氷河期、不採用通知、挫折、人間不信、離婚、倒産など抱えている事情もさまざまです。

人との交流がなくても心の隙間を埋めて癒しを与えてくれるペットがいてくれたら幸せ。しかしもしも順番が逆で、愛するペットを残して自分が他界するようなことがあったら…

2月22日の猫の日に大反響となったのは、漫画家の真造圭伍(@shinzokeigo)さんのツイート、飼い主が孤独死してしまう猫の一年を描いた漫画『家猫ぶんちゃんの一年』です。

「健気で胸を打たれた」「飼い主への深い思いに泣けた」と涙腺崩壊した方多数、「良い作品」「素敵な漫画」と称賛の数々、「他人事じゃない」「ネコを独りぼっちにできない」と改めて終生飼育したいと痛感したという声など、6.7万リツイート、18万いいねがつき、それぞれの思いで涙した素晴らしい作品でした。

それでは早速ご紹介させて頂きます。

飼い主さんの孤独や絶望感を慰め癒してくれるかけがえのない愛猫

独り暮らしの飼い主さんと愛猫ぶんちゃんはお互いかけがえのないパートナー、強い絆で結ばれています。ある日懸賞で当たった自動給餌機が届き、早速セットする飼い主さん。

「ぶんちゃーんごはんだよー」の飼い主さんの声と餌が落ちる音が聞こえたら餌を食べられる、ということがわかったぶんちゃんを見て「俺がいなくても大丈夫だな」と言った飼い主さん。

就活に苦戦している飼い主さんにはまた不採用通知が届き、優しくぺろぺろして励ましてくれるぶんちゃんに慰められます。ぶんちゃんをたくさん遊ばせたり、抱いて呼びかけたり、撫でてあげたりたっぷり可愛がります。

ある晩、いつも通りぶんちゃんと一緒に就寝した飼い主さんですが…

枕元に置かれた薬が気になります。

自動給餌機から響く「ぶんちゃーんごはんだよー」の声

倒れている飼い主さんを心配そうな顔で見つめ「ニャーン」と呼びかけるぶんちゃん。しかし飼い主さんは起きません。ぶんちゃんの困ったような表情が印象的です。

そして自動給餌機からは「ぶんちゃーんごはんだよー」と飼い主さんの声が。

しばらくは自動給餌機のフードを食べてしのぎますが、やがてフードもなくなりぶんちゃんは部屋にわいたハエを捕まえたり、雨水のおこぼれを飲んだりしながらサバイバル生活へ。

孤独と深い悲しみ、それでも生きるためにご飯を探す

相変わらず「ぶんちゃーんごはんだよー」と大好きな飼い主さんの声が自動給餌機から聞こえてきます。しかしもうフードはありません。

困ったぶんちゃんは、日に日に変わり果てた姿になっていく飼い主さんに向かって「なぉ~なぉ~なぉ~」と鳴き続けます。

ふりかけやインスタントラーメン、いろいろなものを漁りどうにか食いつないでいたぶんちゃんでしたが生活環境はどんどん悪化していきます。

「ぶんちゃーんごはんだよー」の声に悲しそうな表情を浮かべるぶんちゃんは、誰にも発見されず変わり果てた姿になっていく飼い主さんを見つめ、次の瞬間いよいよ外に脱出します。

家猫にとって過酷なノラ生活、もう守ってくれる飼い主さんはいない

真夏の炎天下、野良猫生活を始めたぶんちゃんは夏を乗り越え、秋になり軒下で雨風をしのぎます。

鳥を狙って子供に追い払われたり、野良猫たちの餌場に入っていけず、孤独で過酷なサバイバル生活が続きます。

通りすがりの学生にご飯を貰ってゴロゴロ甘えられたのもつかの間。

学生がバイバーイと立ち去ると人恋しくなり飼い主さんのぬくもりを思い出したのか、飼い主さんと暮らした家に戻ります。

そこにはミイラ化した飼い主さんが横たわっていました。在りし日の優しい飼い主さんを思い出しても、もう二度とそのぬくもりに触れることはできない…。

ぶんちゃんは絶望したのか諦めきったような悲しい顔の野良猫になりました。季節は雪が舞う冬になっていました。

永遠のお別れ、片づけられていく飼い主さんと思い出のすべて

寒空の下、枯れ葉の上で横たわるぶんちゃん。家猫出身でノラ社会で身を寄せ合う仲間の猫もいません。

ある日弱ってフラフラと歩いていると、アパートの前にトラックが止まり自宅に人が入っていくのに気が付くぶんちゃん。

半年以上ぶりに発見された飼い主さんは40代男性、死因は心不全。

遺品は遺族の意向ですべて処分されることに。ぶんちゃんと飼い主さんの思い出がどんどんゴミ袋に詰められ一つ残らず消えていきます。

ビニール袋から漂う飼い主さんの匂いに思わずクンクンするぶんちゃん。すべてを片付けられトラックの扉が閉まる時、ぶんちゃんは思わず扉の前まで出ていきます。

絶望の淵で目を閉じるぶんちゃん

走り去っていくトラックに、なぉう、なぉう、なぉう、と何度も呼びかけるぶんちゃん。いつまでも鳴き続けます。

雪の中、深い悲しみの表情で佇むぶんちゃんに涙が止まりません。

弱っていたぶんちゃんは、生きる気力をなくしすべて諦めきったような表情で寒空の下で横たわります。
うつろな目で何を思って、そしてそっと目を閉じたのでしょうか。

しかしそんなぶんちゃんに猫生の転機が!

救われた猫生、それでもあのぬくもりを忘れない…

ぶんちゃんは「たま」と新しい名前を貰い、新しい家族ができました。瀕死のぶんちゃんを女の子が助けて連れて帰ってくれたのでした。

今、ぶんちゃん改めたまは、温かいおうちで女の子に猫じゃらしで遊んでもらって、それを微笑みながら優しいまなざしで見つめてくれる優しい家族に囲まれて暮らしています。

女の子にすりすり甘えて膝の上で丸まってゴロゴロいって眠るたま。幸せそのものです。

ある日お外に遊びに出たたまが向かった先は、前の飼い主さんと暮らしたアパートでした。

何もなくなった部屋で、飼い主さんが寝ていた場所の匂いを嗅ぎ続け飼い主さんとの幸せな思い出に浸るラストシーン。

新しい猫生を生きていても元飼い主さんを忘れないぶんちゃん。飼い主さんの匂いから面影や気配、思い出を手繰り寄せ、一緒に眠っていた時を思い出し眠ります。

その思いの深さと切なさで感動のラストです。

まとめ

この作品から、「愛猫を残して死ねない」と思った方もたくさんいらっしゃったことだと思います。

そのためにも日本全体として、一人暮らしの方や高齢の飼い主さんの、もしもの時をフォローする体制を整えていけたら良いですよね。猫ちゃんの幸せな一生の為に考えていかなければならない課題も浮き彫りになりました。

孤独を埋める為に猫はパートナーになってくれますが、もしもの時に愛猫を孤独にしない為にも人間が完全な孤独に陥ってはいけないのではないかと思いました。猫の為に一歩踏み出すことがまわりまわって自分自身の人生の一歩を踏み出すことに繋がりますので、人と人の繋がりを大切にしていけたら良いですね。

家猫が飼い主を失ってからの野良生活は、想像以上に過酷なものであり、また猫も心に深い傷を負って生きていくことになります。

動物の命の尊さ、ペットの心、孤独死する人がいるこの社会環境、飼い主と愛猫との絆、この素晴らしい作品を通し、多くのことに気づかせて頂きました。

真造圭伍さん、このたびはご協力頂きまして有難うございました。

※この記事に使用している投稿は、投稿者の許諾を得て掲載しております。


▼『家猫ぶんちゃんの一年』が収録された短編集はコチラ▼
真造圭伍短編集『休日ジャンクション』

▼現在 月間モーニングtwo で連載中!▼
『ノラと雑草』

▼作者の真造圭伍さんのツイッターはコチラ▼
https://twitter.com/shinzokeigo

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