25年間毎日猫の世話をし続けたシンガポール女性が死去|SNSに悲しみの声が溢れる

25年間地域猫一筋に生きてきた献身的な愛猫家女性が死去

先ごろ、シンガポールで25年間毎日地域猫の世話をし続けた女性、リウ・ファン・ファンさんが心臓発作により死去されました(享年75歳)。

地元では、猫の餌やり仲間をはじめ多くの人々がその死を悼んでいます。

25年ものあいだ、献身的に地域猫の面倒を見続けた彼女は、毎日1時間かけて地元ジュロン・ウェスト地区の猫たちがお腹を空かせていないか見て回っていました。

最初のうちは自宅の周りだけでしたが、やがて彼女の見回り範囲はバス停6カ所分の範囲にまで広がったそうです。

もともと心臓が弱かったリウさんですが、自身の状態を顧みずに熱心にこうした活動を行っていました。そして今年の11月、彼女は呼吸困難のため入院してしまいます。

その後さらに容体が悪化し、12月9日、重篤な心臓発作によりリウさんは帰らぬ人となりました。

餌やり仲間や猫の飼い主への援助を惜しまない頼れる存在

リウさんは、地域で猫の世話をする他の人々にも手間を惜しまず快く支援していたことから、訃報を知った彼女を慕う多くの人々がSNS上で追悼コメントを発しています。

人生の多くの時間を地域猫の世話に費やしてきた彼女は、いつしか猫の餌やり仲間のあいだで経験豊富な先輩のような存在となっていました。

リウさんは仕事をしておらず彼女の子供たちから毎月もらうお小遣いで暮らしていましたが、息子さんによると、彼女は自分のための出費を削って地域猫のために使っていたそうです。

猫の餌に関しては費用のことなど気にせずハイクオリティなフードを購入し、自分で蒸した鶏肉を混ぜて与えていました。

またキャットフードに出費する以外にも、地域猫の医療費の負担や飼い猫の去勢、そして避妊手術費用を捻出できない経済的に困窮した飼い主への寄付を惜しみませんでした。

猫への熱い愛情を受け継ぎ前へ進もうとする仲間たち

追悼コメントの中には、「リウさんは他の人々に猫に関することを教えてあげることで、飼い主が飼い猫に対し責任を持ち、さらに一般の人々も地域猫に対し愛情と思いやりを持ってくれればと願っていたはず」という声もありました。

猫の餌やり仲間たちは、これまでリウさんが行ってきたことを今後も続け、リウさんがいなくても地域猫たちに十分な餌を与え面倒を見ていこうと決意を新たにしています。

自身のことも顧みず、25年間懸命に猫の世話と地域への支援を行ってきたリウさん。彼女は地元の人々と地域猫に素晴らしいものをのこしたようです。