「猫の抜爪手術は残酷で時代遅れ」|NYを皮切りに北米各都市で次々と禁止法が施行

新たにウィスコンシン州マディソンでも猫の抜爪手術が禁止に

今月7日、米国のウィスコンシン州マディソン市議会で「猫の抜爪手術禁止法案」が満場一致で可決されました。

抜爪とは、猫の爪が生えてこなくなるよう爪の根っこ(末節骨)から切除する手術のことです。

本法案は即時に施行され、今後ウィスコンシン州の州都マディソン市では正式に猫の抜爪手術が禁じられます。

アメリカやカナダの様々な都市で法案可決、検討の動き

猫の抜爪手術は、2019年にニューヨーク州で最初に禁止されたのを皮切りに、ミズーリ州セントルイス、カリフォルニア州ロサンゼルス、コロラド州デンバーなど全米各地の自治体が次々と禁止に踏み切り、さらにカナダの8つの州でも禁止されています。

マディソン市はアメリカで猫の抜爪手術を禁止した14番目の自治体です。

また、現在カリフォルニア州、ネバダ州、ニュージャージー州、ウェストバージニア州、マサチューセッツ州、ロングアイランド州など複数の州が抜爪手術禁止法の導入を検討しています。

複数の動物福祉団体が猫の抜爪手術禁止法案を支持

アルダー・リンジー・レマー市議が作成したマディソン市の猫の抜爪手術禁止条例は、The Paw Projectや、Alley Cat Allies、American Association of Feline Practitioners (AAFP)といった複数の動物福祉団体により支持されてきました。

レマー氏は「猫の抜爪手術は残酷で時代遅れな処置である」と述べており、他の議員が最新の研究結果や獣医師の意見、市民の声などを聞き入れ、猫の抜爪手術禁止法案を支持してくれたことを喜んでいます。

また、The Paw Projectの創立者であるジェニファー・コンラッド理事は、アルダー氏をはじめとする市議会メンバーに感謝を示すとともに、「猫の抜爪手術は猫にとって有害であり、問題行動を引き起こし飼い主が猫に噛まれるリスクを高めることが知られています。抜爪術を禁止することで人と猫を保護することができるうえ、人と猫の関係を改善することができるでしょう」と言っています。

特に欧米では以前より猫の抜爪手術の是非について議論されており、中には抜爪手術に賛成派も人もいるとのこと。

ですが、猫に痛みを与えたり問題行動を引き起こす原因になったりすることが一般に浸透するにつれ、猫の抜爪手術反対の波が確実に広がっているようです。