函館市の野良猫問題
ペットとして多くの人に愛される猫ですが、野良猫による問題が全国各地で発生しています。
野良猫は糞尿や鳴き声などが住民にとって悩みの種です。さらに繁殖力が強いために、きちんと飼育管理されずに厳しい環境におかれる野良猫が、どんどん数を増やしていってしまうことも大きな問題です。
飼育放棄された猫や野良猫が生んだ子猫が、毎年何万頭も殺処分されているのが現状です。北海道函館市でも3年ほど前から通行人のエサやりにより、野良猫が増加し問題となっています。
猫たちの命を救い共存するボランティア団体が設立される
函館市で野良猫たちと住民の共存のために立ち上がった一人の女性がいます。山口純子さん(68)は、28年間自宅で介護していたご主人を亡くされたことをきっかけに、野良猫問題や保護活動を本格的にスタートしました。
一念発起して愛玩動物飼養管理士の資格も取得し、個人で保護猫活動をする猫好き仲間を集めてボランティア団体「陽だまり」を設立します。
「陽だまり」は猫を地域に生きる仲間と捉え、共存することを目標に活動しています。町内会にも猫が好きな人も苦手な人も共存するための仕組みだということが認められ、協力を得られるようになりました。
「陽だまり」の主な活動
「陽だまり」では保護、不妊・去勢手術、元の場所に戻すもしくは新しい飼い主に引き渡すなどの活動を行っています。
不妊・去勢手術は今ある命を奪うことなく、これ以上猫の数が増えてしまうのを防止するために重要な取り組みですが、金銭的な負担が大きいという問題があります。
「陽だまり」では、感染症にかかったり交通事故で死んでしまったりする野良猫を減らしたいという思いを抱える獣医師から、手術費用を抑えられるように協力を得ることができました。
財政支援
資金面でも、クラウドファンディングで支援を呼びかけることで目標金額を達成しました。
クラウドファンディングのサイトでは「今回のプロジェクトを足掛かりとして函館市に、さらには北海道全体で野良猫問題解決の施策として地域猫活動が広がって行くように」という山口さんの展望も語られています。
その他にも野良猫の健康チェックやエサやり、糞の清掃なども、地域で猫たちと人々が共に暮らしていくために欠かせない作業です。
代表の山口さんをはじめ「陽だまり」は、猫たちがその一生を幸せに送れるよう願い日々活動しています。