飼い主が深夜に飼い猫に起こされたその時…
2021年10月、イギリスのヨークに住む元軍人のマシュー・スレイターさん(49歳)は、に自宅で起きた火事からかろうじて逃げ延びることができました。
しかし自宅の損傷は激しく、さらにこの火事で愛猫「ウェラー」を失ってしまいます。マシューさんはこれまで、愛猫のウェラーとふたりきりで暮らしてきました。
火事が起きた日の午前2時半、マシューさんはウェラーに顔を引っ掻かれて目を覚します。すると、あたりは猛烈な熱気に包まれ家には煙が充満していたそうです。
気道をやけどし病院へ緊急搬送
マシューさんは息を詰まらせ気絶しそうになりながらも窓に体を乗り出し、緊急通報で消防車を呼びました。
窓の幅はマシューさんが出られるほど広くなかったため、彼は寝室から出ることができません。
3分ほどで到着した消防隊員と警察はドアを壊して家の中へ入り、マシューさんが家から脱出できるよう呼吸器を装着してくれました。
その後、マシューさんは気道熱傷のため救急車で病院へ搬送されます。
彼は数日後もまだ咳で煤(すす)を吐き出していましたが、咳の症状は2週間程度で治まるとのこと。また幸い永久的な障害も残りませんでした。
業者によると、この火事は冷蔵庫の配線が出火元だったそうです。
退院後初めて知った愛猫の死
マシューさんは退院後もまだ頭がふらついていましたが、愛猫のウェラーと自宅の様子が気になります。
ですが、残念ながらウェラーは火事で亡くなっており、警察はウェラーの遺体を箱に入れておいてくれました。
マシューさんはウェラーの亡骸を友人宅の裏庭に埋め、墓標も注文したそうです。
彼は、「子猫の頃から5年間飼ってきたウェラーをこの先も生涯忘れないだろう」と言います。
マシューさんは現在友人宅に身を寄せており、友人たちは彼のためにクラウドファンディングサイトに自宅再建資金の募金プロジェクトを立ち上げてくれました。
マシューさんとその友人は建築業に従事しており、自宅の骨組みにはそれほど損傷がなかったため自分たちで再建できそうとのこと。
命を懸けて飼い主を救った愛猫ウェラーも前向きに再出発しようとするマシューさんを見て、きっと喜んでくれていることでしょう。