猫を助けたことで予期せぬ幸運に恵まれた男性4人
ドバイで2021年8月、ある男性3人がビルのバルコニーから今にも落ちそうな妊娠猫に気づき、ベッドシーツを広げて落下してしまった猫を受け止めるという一幕がありました。
一部始終を録画していたラシード・ムハンマドがこの動画をSNSに投稿すると、瞬く間に拡散され話題となります。
そしてその後、ドバイのムハンマド・ビン・ラーシド首長は男性らの行動を称賛。動画を投稿したムハンマドさんを含む男性4人それぞれに、報奨金5万ディルハム(約150万円)を授与し男性らを驚かせました。
バスの運転手であるインド人のナシール・ムハマドさん(50歳)は、この報奨金で南インドの自宅を新築するためのローンを完済することができました。
「家の工事を始めたのは1年ほど前ですが、こんなに早くローンを完済できるとは思ってもいませんでした」とムハマドさんは語ります。
ムハマドさんの妻子はすでにインドの新居に住んでいますが、ローンがないと思うととても気が楽だそうです。
ムハマドさんは自宅のローンに約24500ディルハム使い、残りはインドの近所の人や腎臓透析を必要とする入院患者に寄付しました。
近所で可愛がられていた猫との不思議な縁
ビルのバルコニーから落ちそうな猫を最初に見つけ、受け止めるためにタオルとベッドシーツを持って駆け付けたのはムハマドさんだったそうです。
保護された猫の身柄は政府当局が引き受けましたが、ムハマドさんはいつか救出した猫と再会できることを願っています。
一方、救出劇の一部始終を撮影したインド人のラシード・ムハンマドさんは近所の食料品店の店主です。
彼は報奨金のほとんどを来月オープンする予定の新しい食料品店に投資し、一部は親戚の援助に使ったと言います。
ムハンマドさんによると、救助された猫は彼の食料品店に毎日のように通っており近所の人々に可愛がられていたそうです。
ムハンマドさんもまた、いつかあの猫に再会したいと言います。
「あの猫が店に来るたびに餌を与えていましたが、まさかお互いの人生にこんな風に影響を与え合うことになるとは想像もしていませんでした」
さらに、報奨金は猫の救助に協力したモロッコ人の守衛とパキスタン人のセールスマンにも贈られました。
何の見返りも期待せず当たり前のように猫を助けたことがきっかけで、思わぬ幸運が舞い込んだ4人の男性。なんとも嬉しい結末ですね。