行方不明の飼い猫を見つけたい一心で褒賞金を付ける飼い主
2021年9月、マレーシアに住むオング・チュー・キエンさん(58歳)は行方不明になった飼い猫を見つけるため、発見者への褒賞金として5000リンギット(約13万7000円)を提示しました。
ですが、行方不明になってから1カ月余りが過ぎてもまだ猫は見つかっていません。
オングさんの愛猫の名前は「ミャウミャウ」。2021年9月4日の朝、アパートの表門で目撃されたのを最後に行方が分からなくなりました。
その後、オングさんは迷い猫の張り紙を張って1000リンギット(約2万7000円)の褒賞金をかけますが、その2日後に褒賞金額を5000リンギットに増額しました。
オングさん曰く、愛猫に多額の褒賞金をかけるのはこの猫とオングさん夫妻との間に、実の子供のような特別な繋がりがあるからだそうです。
妻の命を救ってくれた大切な愛猫
オングさんによると、愛猫のミャウミャウは眠っている間に一過性脳虚血発作を起こした奥さんを救ってくれたそうです。
ミャウミャウには毎晩午前2時に起きて食べ物をねだる習慣がありました。
ですが、ある晩ミャウミャウはいつもより早い午前1時にオングさん夫婦を起こしに来ます。
ミャウミャウは必至でオングさんの奥さんを起こそうとしていたそうです。そして奥さんが目覚めた時、彼女は左腕と左脚に感覚がないことに気づきます。
オングさんの奥さんは、脳梗塞の前触れと言われる一過性脳虚血発作を起こしていたのです。
オングさんは麻痺の症状が軽くなるように奥さんをマッサージし、ミャウミャウは奥さんを心配そうに見守っていました。
オングさんは、あの夜ミャウミャウがしたことは奥さんの命を救うための行動だったに違いないと考えています。もしミャウミャウが奥さんを起こさなかったら、彼女は亡くなっていた可能性もあるのです。
ある日食べ物をもらいにやってきてそのまま家族になった猫
夫妻は4~5年前からミャウミャウを飼っていました。捨て猫だったミャウミャウは、ある日オングさんの家へ食べ物をもらいにやってきたそうです。
歯が4本しかないとても年老いた猫でしたが、夫妻はミャウミャウを動物病院へ連れて行き、自宅で飼うことにします。
ミャウミャウは自宅の裏の遊び場や庭へ行くのが大好きで、そこでよく植物を眺めたり昼寝をしたりしていました。近所の人たちは、そんなミャウミャウを親しみを込めて「おじさん」と呼びます。
オングさんは、ミャウミャウが遊び場へ行った際に誰かが連れ去ったのではないかと考えていますが、張り紙に電話番号を記載して、見つけた人は連絡してほしいと呼びかけています。
家族の命を救ってくれた大切な愛猫。飼い主の一途な思いが通じて無事に見つかるとよいですね。