イギリス政府が猫のマイクロチップ装着を義務付ける新たな規則を発表
12月4日、イギリスでは猫のマイクロチップ装着を義務化する新たな法案が政府により発表されました。
この新たなルールは、猫が迷子になったり盗まれたり売られたりしても元の飼い主と再会できるようにするため、猫のデータベースを整備することを目的としており、すべての飼い主は猫が生後20週に達する前にマイクロチップを装着することが義務付けられます。
さらに、飼い主はマイクロチップのデータベースに最新の連絡先情報を登録しなければなりません。
万が一、飼い猫にマイクロチップを装着していないことが判明した場合、飼い主は21日以内に猫にマイクロチップを装着しなければならず、これに従わなかった場合は最大500ポンド(約75000円)の罰金を科せられる場合もあります。
マイクロチップ装着が重要である理由
現在、イギリスにいる飼い猫1080万頭のうち280万頭はマイクロチップを装着していません。
一方、ペットの盗難防止活動団体であるPet Theft Awarenessによると、ペットの盗難件数は2015年から2020年までに約3倍に増加し、さらに2020年3月から2021年3月までに12.3%増加しているそうです。
政府は、固有の番号がついた小型のマイクロチップを猫の皮膚の下に埋め込むことにより、万が一猫が行方不明になった際にも飼い主と再会しやすくなることを期待しています。
スキャナーでマイクロチップの番号を読み込み、これをデータベースで照会することにより、迷い猫の飼い主を容易に特定することができるためです。
また、動物保護団体のCats Protectionによると、マイクロチップ装着にかかる費用は通常20~30ポンド(約3000~4500円)ほどで、マイクロチップ装着の処置は動物に痛みを強いるものではありません。
Cats Protectionは、これまで猫のマイクロチップ装着義務化の運動を率先して行ってきました。
同団体の擁護・政府関連部門の責任者であるジャッキー・カフ氏は、猫の飼い主を見つける際はもちろん、怪我をした猫の身元を特定する際や、交通事故で死亡した猫の飼い主にその悲報を伝える際など、マイクロチップ装着の重要性を常日頃から痛感しているそうです。
動物福祉省のゴールドスミス卿は、こうした新たなルールにより国内の何百万頭もの猫を守ることができると考えています。
現在政府は、先に義務化された犬のマイクロチップ装着に関する規則およびデータベースシステムの見直しを行っており、これが完了次第猫のマイクロチップ装着義務化の規則が施行される予定です。